平成19年度1次試験問題:企業経営理論
設問21
労災保険で保護される通勤災害について、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 一人の労働者が複数の事業場間を労働契約によって就業のため移動中の災害は、通勤災害である。 (イ) 事業主の提供する専用バスによる通勤途上の災害は、通勤災害である。 (ウ) 単身赴任の労働者が赴任先住居と帰省先住居(自宅)の間を移動中の災害は、通勤災害である。 (工) 労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法により往復すること(業務の性質を有するものを除く)による災害は、通勤災害である。
設問22
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律は、事業主に定年の引き上げ、継続雇用制度の導入を義務付けているが、次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 継続雇用後の労働条件については、法律の趣旨を踏まえたものであれば最低賃金など雇用のルールの範囲内で、フルタイム、パートタイムなどの労働時間、賃金、待遇などに関して事業主と労働者の間で決めることができる。 (イ) 継続雇用を希望する者について、定年後に子会社やグループ会社へ転籍させ、65歳まで雇用が確保されれば、この法律の措置を講じたものとみてよい。ただし、両社間に明確な支配力があり、常時採用・転籍等の人事管理が行われていることが必要である。 (ウ) この法律は男性の年金支給開始年齢の引き上げスケジュールに合わせた無年金者対策を目的としているので、男女の年金の支給開始年齢に合わせて男女別定年制を設けてもよい。 (工) 当分の間60歳に達する労働者がいない企業でも、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の措置は講じておかなければならない。
設問23
時間外労働に関する労使間の協定(36協定)で定める労働時間の延長の限度に関 する基準として、最も不適切なものはどれか(変形労働時間を除く)。
【解答群】 (ア) 1週間15時間 (イ) 2週間27時間 (ウ) 3か月120時間 (工) 6か月200時間 (オ) 1年間360時間
設問24
変形労働時間制に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 1か月以内の一定期間について平均し、原則として週の法定労働時間40時間を越えない範囲で、1日または週の法定労働時間を超えて労働させることができる。 (イ) 1か月を越え1年以内の一定期間、平均して週40時間を越えない範囲で、1日または週の法定労働時間を超えて労働させることができる。 (ウ) 労働者が10人未満の商業、映画演劇(映画製作は除く)、保険衛生、接客娯楽業の場合は、週の法定労働時間は44時間である。 (工) 労働者が30人未満の小売業、旅館、料理店及び飲食店の場合は、週の労働時間が40時間になっていれば、1日について12時間まで労働させることができる。
設問25
消費財メーカーのA社は、先発メーカーとして新たな市場を創造するような新製品開発を行ってきている。A社は、こうした新製品に付けるブランド・ネームにつ いて、消費者がこれに接したとき、今までに同様の製品がなくても、当該製品の用途やその製品で解決できる生活上の問題点を正しく推測できるように注意を払っている。この方針のもつ特徴として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) A社が日本で成功した製品を海外に向けて展開するときには、相手先の言語に合わせてネーミングを改変することになり、世界商品となりにくいこともある。 (イ) A社の方針のようなブランド・ネームの付け方は、その製品が市場に浸透すると、他の製品カテゴリーに当該ブランドの拡張を容易にする効果をもつ。 (ウ) この方針は、小売店にとっては新市場に接することを意味し、カテゴリーの判断が難しいことから、A社製品の取り扱いをためらう小売店もある。 (工) 他社がA社製品を模倣したものを後発として市場に出す場合に、両者の違いを消費者が判断しにくいこともある。 (オ) ブランド・ネームの付け方が、当該製品の用途や新しさについての消費者の理解に大きな影響を与える。