平成23年度1次試験問題:企業経営理論
設問21
時間外・休日労働に関する労使協定(以下「三六協定」という。)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 三六協定(労働協約による場合を除く。)の有効期限に関する法令上の定めはないが、行政通達では、有効期間を1年間とすることが望ましいとされている。 (イ) 三六協定の有効期間中に労使いずれかから一方的な協定破棄の申し入れをしても、他方がこれに応じないときは、当該協定の効力には影響がない。 (ウ) 事業場の労働者の過半数で組織された労働組合との間で締結された三六協定に、労使両当事者の署名又は記名押印があればその協定は労働協約となるが、その効力は、当該組合の組合員だけでなく、当該事業場の全労働者に及ぶ。 (工) 特別条項付き三六協定を定める場合、特別の事情があるときは限度時間を超えて労働させることができるが、その長さと回数には上限が定められている。
設問22
社外積立型退職金(年金)制度に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 確定給付企業年金には基金型と規約型があるが、基金型は、厚生年金基金と同様、厚生労働大臣の認可を受けて設立した基金が運営主体となるのに対し、規約型は、税制適格年金と同様、財務大臣の承認を受けた規約に基づいて、金融機関が実施主体となって運営するものである。 (イ) 確定拠出年金の企業型年金は、厚生年金適用事業所の事業主が単独又は共同して実施する制度であり、その加入者は60歳未満のもので、厚生年金保険の被保険者又は私立学校教職員共済制度の加入者のいずれかに該当する者である。 (ウ) 厚生年金基金の掛金は、原則として、加入員と加入員を使用する事業主がそれぞれ掛金の半額を負担することになっている。 (工) 中小企業退職金共済の給付は、原則として、労働者が退職したときに退職一時金として支払われるものであるが、一定の要件を満たす場合には、5年間又は10年間に分割し、年金と同様の方法で受け取ることができる。
設問23
安全衛生管理体制に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 衛生管理者は、少なくとも毎週1回作業場を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講じる義務がある。 (イ) 産業医及び衛生管理者は、ともに原則として選出すべき事由が発生してから14日以内に選任し、それぞれ選任したときは、遅滞なく選任報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。 (ウ) 常時10人以上50人未満の労働者を雇用する事業場では、業種を問わず、衛生推進者を選任することとされている。 (工) 常時50人以上の労働者を雇用するすべての事業場で設置が義務づけられている衛生委員会の委員には、必ず衛生管理者と産業医を指名しなければならない。
設問24
解雇(雇止めを含む。)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 期間の定めのある労働契約を締結した場合は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その労働契約が満了するまでの間は労働者を解雇することができない。 (イ) 定年後の再雇用制度を設けている場合に、労使協定で定めた再雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に達しない高年齢者を再雇用しない場合には、解雇予告が必要になる。 (ウ) 有期労働契約(30日未満の有期契約を除く。)を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している場合に、当該契約を更新しないこととしようとするときは、使用者は、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、当該労働者にその旨予告しなければならない。ただし、あらかじめ更新しない旨が明示されている場合はこの限りではない。 (工) 労働契約で試用期間を3か月間と定めた場合にも、解雇予告なしに即時解雇することができるのは、行政官庁の認定を受けた場合を除き、雇入れの日から2週間以内に限られる。
設問25
割増賃金の算定基礎賃金となる手当に関する記述として、最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 賃貸住宅居住者に家賃の一定割合を手当として支給する一方、持家居住者にもローン月額の一定割合を手当として支給する場合、このような手当は住宅手当とはいえないので、割増賃金の算定基礎賃金から控除することはできない。 (イ) 転勤命令によって、赴任地に家族を帯同せずに単身で住居を設ける場合に支給される、いわゆる単身赴任手当は、法令上の別居手当と考えられるので、割増賃金の算定基礎賃金から除外することができる。 (ウ) 扶養家族数に応じて支払われるものでも、物価手当や都市手当などの名称のものは、家族手当ではないので、割増賃金の算定基礎賃金に含めなければならない。 (工) 毎月ある一定量の目標を突破した場合に、出来高に応じて支払われる奨励手当は、割増賃金の算定基礎賃金には含まれない。