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平成22年度1次試験問題:企業経営理論

設問16

 あらかじめ予測不能な事態が生じた場合、それを危機として認識し、適切に対応しなければ企業の存続が左右されてしまうことがある。このような対応の管理を、予測可能な範囲内での変化への対応としてのリスクマネジメントと区別して、「クライシスマネジメント」ということがある。
 クライシスマネジメントに関する下記の設問に答えよ。

(設問1)
 不測の事態はあらかじめ予測することが困難ではあるが、多くの場合それに先立って何らかの兆候が見られる。したがってクライシスマネジメントでは、まずこのような兆候を認識し、それが重大な危機を招く可能性があることを予測する組織能力が必要である。このような組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) オペレーションの現場近くにいる管理者や従業員を重視して、状況のわずかな変化を把握したり、それを事前に伝達した場合、十分に報いるような制度を整備しておく。
(イ) これまでの成功体験や処方箋を基礎に、職務をできるだけ規則的なものに定型化し、これを遵守するよう義務づける。
(ウ) 組織としての情報処理能力を高めるために、他者とは異なる個人的意見を控え、メンバーが共有している事柄を基礎に議論をするよう習慣づける。
(工) 組織の中間管理職レベルの価値観を統一し、それを一貫性のある体系として維持することによって、そこから逸脱が生じた場合に問題に気づくことができるようにしておく。
(オ) わずかなミスやヒヤリハット事例を収集し、それぞれの部門で原因や対処方法について議論する機会を定期的にもつようにする。

(設問2)
 万一、不測の事態が発生してしまった場合、その影響を最小限のものとし、できるだけ迅速にその状況から脱却するための組織能力を高めておくことが必要である。このような組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 過去においてその組織がどのように成功してきたかに関する事例をできるだけ多く用意しておき、不測の事態が発生した場合に直ちに参照できるようにしておく。
(イ) 組織として同じ過ちを繰り返さないためには、従業員に対して過失を犯さないよう十分な注意を払わせるとともに、過失を人事考課に反映させる仕組みを構築しておく。
(ウ) 不測の事態が発生したときには、組織内に不安が広がらないよう、非公式なコミュニケーションルートを遮断し、公式の責任 − 権限関係を基礎に対応策を検討する。
(工) 不測の事態が発生した場合の標準業務手続きや職務規則をあらかじめ用意しておき、計画的な訓練を行っておく。
(オ) 不測の事態の発生とその深刻さを適切に伝えるために、電話や書類などではなく、フェイス・ツー・フェイスのコミュニケーションを活用する。

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設問17

 ある程度歴史を持った企業同士が、買収や合併をうまく遂行して高い成果に結びついていくためには、事前にそれぞれの企業の組織文化、観察可能な人工物や標榜されている価値観レベルだけでなく、とくに暗黙に共有された仮定レベルの文化を明らかにしておく必要がある。このような組織文化を明らかにする方法として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 社員によるグループを構成し、そのメンバーたちに率直に組織文化について語りあってもらう。
(イ) 組織メンバー全員を対象に、どのような価値観を標榜しているかについて、質問紙調査法による調査を行う。
(ウ) その企業で重要な役割を果たしている個人に、どのような組織文化を持っていると思うかインタビューする。
(工) その企業の具体的な問題解決の場面に、外部のファシリテータを介入させ、メンバーが暗黙のうちに前提としている考え方を自ら気づくようにする。

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設問18

 日本国内の事業所で働く外国人労働者の労働・社会保険の適用に関する記述として、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) いわゆる不法就労の外国人は、業務上の災害のため傷病にかかった場合にも、労災保険の給付は受けられない。
(イ) いわゆる不法就労の外国人は、健康保険の被保険者となることはできない。
(ウ) 健康保険の適用事業所の事業主は、日本国内に住所を有し健康保険に加入する満40歳以上65歳未満の外国人労働者についても、健康保険の一般保険料と合わせて介護保険の保険料を徴収しなければならない。
(工) 雇用保険には国籍要件はないので、労働時間が週20時間以上で、かつ、31日以上雇用する見込みのある外国人労働者は、雇用保険に加入させなければならない。
(オ) 資格外活動の許可を受けて適用事業所に使用される外国人留学生は、2カ月以内の期間を定めて雇用される者や所定労働時間が短い者など、厚生年金保険の被保険者資格要件を満たさないものを除き、厚生年金保険の被保険者となる。

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設問19

 割増賃金に関する記述として、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) 休憩時間を除き、1日8時間を超えて労働させた場合には、2割5分増以上の割増賃金を支払わなければならない。
(イ) 法定休日を上回って設けられた所定休日に労働させた場合には、3割5分増以上の割増賃金を支払わなければならない。
(ウ) 法定時間外労働が午後10時以降(翌午前5時まで)に及んだときは、その時間に対して5割増以上の割増賃金を支払わなければならない。
(工) 労働者を1カ月に60時間を越えて法定時間外労働をさせた場合には、その超えた時間について、5割増以上の割増賃金を支払わなければならない。

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設問20

 雇用調整に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 雇用調整のために希望退職を募集する場合には、平均賃金の30日分以上の割増退職金を支払わなければならない。
(イ) 雇用調整のために新規学卒者の内定取消しを行う場合には、公共職業安定所に届け出て許可を受けなければならない。
(ウ) 雇用調整のために操業を短縮し、労働者を一時的に休業(一時帰休)させたときは、公共職業安定所から助成金が支給されるが、支給要件や支給額は企業規模による区別はない。
(工) 雇用調整のために操業を短縮し、労働者を一時的に休業(一時帰休)させたときは、その休業期間中、当該労働者に平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければならない。

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