平成15年度1次試験解答:運営管理
設問1
解答:ア(aとb)
2001年度版中小企業白書 第151-3図 中小企業の海外進出動機より、中小企業は様々な動機で海外に進出しているが、特に「コスト低減」、「海外市場の開拓拡大」を重視していることが分かる。
(a) | 現地向けの製品の生産を相手先国内で行い、海外市場の拡大をねらうため。 →○:輸入規制している相手先国内に工場を建設し、相手先国の製品市場を確保し、海外市場の拡大をねらう。 |
(b) | 日本から輸出する場合に比較して、海外向け製品のコスト削減を図るため。 →○:日本から輸出する場合よりも流通コストが節約でき有利である。 |
(c) | 現地生産の製品を日本に輸入し、円安によるメリットを受けるため。 →×:日本に輸入し、メリットを受けるのは円高の場合である。 |
(d) | 貿易摩擦や関税障壁などの日本の輸入障害に対して企業の市場防衛を図るため。 →×:貿易摩擦や関税障壁などの日本の輸出障害に対して企業の市場防衛を図るため。 |
設問2
解答:ウ
作業ステーションとは、生産ラインを構成する作業場所のことである。
最小作業ステーション数は次の式で求める
85(分)×2,500(個)÷60,000(分:1,000時間×60で算出)=3.5416666・・・・・
すなわち最小作業ステーション数は4になる。
よって解答はウである。
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解答:イ(a とd )
作業研究に関する問題である。
(a)連続観測法は、観測対象の作業内容や稼働状態を継続的に観測する分析手法である。
→○:連続観測法についての詳細は連続観測法を参照して下さい。
(b) 瞬間観測法は、多くの観測対象を観測できる分析手法であり、ストップウォッチ法ともいう。
→×:瞬間観測法は、多くの観測対象を観測できる分析手法であり、ワークサンプリング法ともいう。
(c) メモモーション分析は、通常速度で撮影した映像を遅い速度で再生して分析する手法である。
→×:メモモーション分析は長い作業時間の稼動状況などをおおまかにつかむために撮影した映像を早い速度で再生して分析する手法である。撮影した映像を遅い速度で再生して分析する手法はマイクロモーション分析である。
(d) 作業時間の分析に用いられるデシマルミニッツとは、1分間を100に分けた単位である。
→○:ストップウォッチ法では通常、100分の1分)を1目盛りとしたストップウォッチが用いられる。 工業用ストップウオッチについての詳細は、工業用ストップウオッチのご案内を参照して下さい。
設問4
解答:ア(a とb )
線形計画法に関する問題である。
線形計画法に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) 線形計画法では数式により制約条件を示さなければならない。
→○
(b) 線形計画法の解法の1つとしてシンプレックス法(単体法)がある。
→○: 線形計画法の解法には、シンプレックス法(単体法ともいう)と内点法がある。
(c) 目標を最大化する問題に限って解くことができる。
→×:目標を最大化・最小化する解を求める手法である。
(d) 複数の変数同士の掛け算の項がある線形計画問題もある。
→×: 複数の変数同士の掛け算は一次関数ではない。
設問5
解答:オ(c とd)
(a)アローダイアグラムでは、作業はノード(結合点)で表される。
→×:作業は2つのノードを結ぶ矢印で表される。
(b)どのアロー(矢線)にも必ず正の値がつけられている。
→×:所要時間が0のダミー作業があるので必ずしも正の値がつけれらているわけではない。
(c)結合点は、最早結合点時刻と最遅結合点時刻をもつ。
→○:結合点は最早結合点時刻と最遅結合点時刻をもつ。
(d)全余裕(トータルフロート)が0の作業からクリティカルパスが構成される。
→○:クリティカルパスは作業に全く余裕のない経路である。すなわち全余裕(トータルフロート)が0の作業である。
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設問6
解答:オ(c とd)
動作研究に関する問題である。
(a) 料理人の作業内容の概略を把握するために、サーブリッグ分析を行う。
→×:サーブリック分析は動作分析の方法である。サーブリック分析とは、作業を構成する動作を17種類のサーブリック記号で分析することによって、より効率的な作業方法を研究する手法である。作業内容の概略ではなく、詳細な作業の動作を知るための手段である。
(b) 作り始めてから客に届くまでの料理の流れのムダを見出すために、連合作業分析を行う。
→○:連合作業分析とは、人と機械、あるいは二人以上の人が連合して行う作業(連合作業)のプロ セスを最適化するための分析である。
(c)ウェイターやウェイトレスの動作経路を把握するために、フローダイアグラム(流れ線図)を描く。
→×:動作経路を把握するために、フローダイアグラム(流れ線図)は使用できない。
(d)1日の中で、客が店にいる人数とその時間の変化を知るために、流動数分析を行う。
→○:詳細は流動数分析を参照して下さい。
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設問7
解答:エ
品質に関する指揮及び管理には、通常、品質方針及び品質目標の設定、品質計画、 品質管理、品質保証及び品質改善が含まれる
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解答:エ(b とc)
生産の自動化に関する次の記述のうち、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) ツーリングシステムとは、工具を保管し常に使用できるように管理するためのシステムである。
→×:ツーリングシステムとは、切削工具の工作機械への装着に使用する部品である。工具の保管の為のシステムではない。
ツーリングシステムとは、次のページのようなものです。
(b)マシニングセンタとは、工具の自動交換または自動選択機能を備えた、工作物の取替えなしに多種類の加工が可能な数値制御工作機械である。
→○:マシニングセンタとは、次のページのようなものです。
(c)パレタイジングとは、製造に用いる材料、部品、半製品などをパレットなどの上に一定の基準に従って並べることである。
→○:パレタイジングとは、次のページのようなものです。
(d)シーケンス制御とは、複数の機能または複数台のロボットによって1つの作業を行う制御方式である。
→×:シーケンス制御とは、操作の順序(シーケンス)を制御する方式である。
設問9
解答:ウ(a とd)
外注管理に関する問題である。
(a) 外注取引を新規に開始する場合に行う業者監査では通常、相手企業に調査票を提出させる他に、直接面接して経営実態調査を行う。
→○
(b) 業者監査は、専ら資材購買部門が行う。
→×:通常外注先の監査は専門職員なども参加したチーム編成で行なう。専ら資材購買部門が行うわけではない。
(c) 既に取引がある業者に対しては通常、不都合がない限り特に評価は行わない。
→×:既に取引がある業者に対しても評価は行なわなければならない。
(d) 既に取引がある業者に対しても、製造技術や管理技術について直接指導を行うことがある。
→○
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設問10
解答:エ
(ア)CIP(冷間静水圧成形)、HIP(熱間静水圧成形)は金型成形法の一種である。
→×:CIP(冷間等方圧加圧法以下)とは、水などの液体を圧力媒体とし、高い等方圧力を粉体に加え、様々な形状に成形する技術です。
HIP(熱間等方圧加圧法)とは、アルゴンなどのガスを圧力媒体とし、高い等方圧力と1000℃以上の温度との相乗効果を利用して加圧処理する技術です。
(イ)粉末成形品を焼結する際の体積変化は、一般にセラミックス粉より金属粉の方が大きい。
→×:粉末成形品を焼結する際の体積変化は、一般にセラミックス粉より金属粉の方が小さい。
(ウ)粉末成形品は、溶融製品よりも偏析が大きくなりやすい。
→×:偏析とは、物質中の不純物元素の分布が不均一になる現象である。粉末成形品は、溶融製品よりも偏析が小さい。
(エ)粉末成形では、溶融状態では溶けあわず製造が難しい物質の複合材料を作ることができる。
→○