平成22年度1次試験問題:中小企業経営・中小企業政策
設問11
次の文章の空欄AとBに入る最も適切な語句の組み合わせを下記の解答群から選べ。
中小企業白書(2009年版)では、中小企業の賃金体系は大企業の賃金体系に比べ年功主義よりも成果主義の性格が【 A 】と指摘されている。例えば、厚生労働省「平成19年賃金構造基本統計調査」に基づき、規模別製造業・非製造業別正社員の賃金カーブを見ても、18〜19歳の階層を基点に、大企業では製造業、非製造業とも50〜54歳の階層まで、中小企業では製造業で45〜49歳、非製造業で40〜44歳の階層までは、一貫して年齢が高くなるほど賃金が上昇しているが、中小企業のほうが上昇のスピードは【 B 】である。もっとも、年功主義と成果主義にはそれぞれメリットとデメリットがあり、賃金体系が従業員のモチベーションに与える影響は大きいことから、中小企業経営者は従業員の意識や仕事ぶりをしっかりと把握したうえで、年功主義と成果主義の要素を適切に組み合わせた自社に適した賃金体系を構築していくことが重要であると考えられる。
【解答群】 (ア) 【A】:強い 【B】:急 (イ) 【A】:強い 【B】:緩やか (ウ) 【A】:弱い 【B】:急 (工) 【A】:弱い 【B】:緩やか
設問12
中小企業が抱える経営課題を解決する方策の1つとして、既存の取引関係の有無にこだわらず、自社の独立性を確保しつつ、異業種の中小企業と各々の強みを活かしたゆるやかな連携関係を構築することが有効であると考えられる。新事業展開を目指す中小企業が、自社単独で事業活動を進める場合と比較して、こうしたゆるやかな連携による事業活動を進めることで期待できるメリットとして、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 経営資源の相互補完が図れること。 (イ) 受発注の機会が増加すること。 (ウ) 利害調整コストが発生しないため効率的に活動できること。 (工) リスクの分散を図れること。
設問13
中小企業庁「規模別輸出額・輸入額(2007年)」に基づき、中小企業性製品についての輸出相手国・地域を見た場合に、次の国・地域を全体に占める構成比率が高いものから低いものへ並べた組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、中小企業性製品とは、日本標準産業分類(細分類)で従業者数300人以下の中小事業所の出荷額が70%以上(2005年基準)を占めるものをいう。
a | 中国 |
b | 北米 |
c | ASEAN |
【解答群】 (ア) a 中国 ― b 北米 ― c ASEAN (イ) a 中国 ― c ASEAN ― b 北米 (ウ) b 北米 ― a 中国 ― c ASEAN (工) b 北米 ― c ASEAN ― a 中国 (オ) c ASEAN ― a 中国 ― b 北米
設問14
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
経済のグローバル化、内需の成熟化の進展を背景に、製造業を取り巻く事業環境は厳しさを増している。総務省「事業所・企業統計調査」を見ても、1986年から2006年の期間において、製造業は事業所数で約【 A 】割、従業者数で約【 B 】割も減少している。
こうした傾向は、東大阪市、大田区、浜松市といった中小製造業が多く立地するわが国の有数の産業集積においても同様であるが、特にこれらの地域では産業集積内部で基盤的存在の役割を担ってきた従業者数1〜5人の小規模事業所の廃業による事業所数の減少が顕著であることが指摘されており、これまで産業集積が果たしてきた機能の弱体化が一段と懸念される状況となっている。
(設問1)
文中の空欄AとBに入る最も適切な数値の組み合わせはどれか。
【解答群】 (ア) 【A】:4 【B】:2.5 (イ) 【A】:4 【B】:5 (ウ) 【A】:6 【B】:2.5 (工) 【A】:6 【B】:5
(設問2)
文中の下線部の小規模事業所の廃業が増加している一因として、自営業主の高齢化が考えられる。総務省「就業構造基本調査」に基づき、1987年から2007年の期間において、自営業主の年齢層別の人数と平均年齢の推移を見た場合、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 65歳以上の自営業主数は一貫して増加している。 (イ) 自営業主数は一貫して減少している。 (ウ) 自営業主の平均年齢は一貫して上昇している。 (工) 自営業主の約半数が2007年時点で65歳以上である。
設問15
中小企業基本法における中小企業等の定義に関連する記述の正誤について、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ 。
a | 資本金2億円で、従業員数が200人の食品卸売業者は、中小企業と定義される。 |
b | 資本金1億円で、従業員数が15人の医薬品を製造するベンチャー企業は、小規模企業と定義される。 |
【解答群】 (ア) a:正 b:正 (イ) a:正 b:誤 (ウ) a:誤 b:正 (工) a:誤 b:誤