トップページ中小企業経営・中小企業政策トップページ過去問題 >平成14年度問題

平成14年度1次試験問題:中小企業経営・中小企業政策

設問6

 生業的経営と企業的経営の基本的な違いについての記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 家族従業者の有無によって区別される。
(イ) 個人企業と法人企業として定義される。
(ウ) 成長志向・利益志向の強さによって区別される。
(エ) 伝統的工芸品産業に属するかどうかが決め手になる。

解答を確認する

設問7

 以下の記述は、研究開発に関して大企業と中小企業のどちらがどのような点で有利かを論じるものである。一般論として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

基礎的な研究には多額の資金を長期的に投入する必要があるので、大企業のほうが有利であると考えられる。
研究開発にはさまざまな情報交換と意思決定が伴うから、組織が小さく階層の少ない中小企業のほうが有利であると考えられる。
研究開発には多大なリスクが伴うから、小回りの利く中小企業のほうが有利であると考えられる。
研究開発には範囲の経済性が伴うから、専門分野に特化した中小企業のほうが有利であると考えられる。

【解答群】
(ア)aとb
(イ)aとc
(ウ)bとc
(エ)bとd

解答を確認する

設問8

 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 日本の製造業の重要な特徴のひとつは、下請関係が広範に展開していることである。@経済産業省「商工業実態基本調査」によれば、平成10年には製造業の中小企業の半分近くが下請企業であった。下請企業の比率が相対的に高い産業は【 A 】 や【 B  】 などである。日本の下請関係に対する評価はこれまで時代とともに大きく変化したが、1980年代以降はA下請関係の効率性が日本企業の国際競争力を支えているという見方が強くなっている。日本の下請関係は一般に【 C 】 な取引関係であるとされるが、近年の経済環境の変化に伴って親企業は一方では下請取引の分散化を進めつつ、他方ではB選別された下請企業と一層緊密な関係を構築しようとしている

(設問1)
 文中の下線部@の調査とその前身である「工業実態基本調査」によれば、日本の製造業における下請企業比率は長期的に見てどのように推移しているか。最も適切なものを選べ。

【解答群】
(ア)1960年代半ばにピークを迎えた後、一貫して低下している。
(イ)1970年代前半にピークを迎えた後、一貫して低下している。
(ウ)1980年代初期にピークを迎えた後、一貫して低下している。
(エ)1980年代末期にピークを迎えた後、一貫して低下している。

(設問2)
 文中の空欄A、B に該当する産業として、最も適切な組み合わせはどれか。

【解答群】
(ア) A:電気機械工業 B:化学工業
(イ) A:電気機械工業 B:家具工業
(ウ) A:輸送機械工業 B:繊維工業
(エ) A:輸送機械工業 B:鉄鋼業

(設問3)
 文中の下線部Aのような下請関係を積極的に評価する考え方は、どのような根拠に基づくものか。最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

親企業は下請企業を景気変動の調整弁として利用することによって経営を安定化することができる。
緊密で安定した取引関係を通じて、下請企業は親企業の要望に高度に特化した生産設備や技術・ノウハウを備えている。
下請企業の低賃金と過当競争によって取引単価が低く抑えられるため、親企業は低コストで生産できる。
長期的取引の中で信頼が形成され、取引に関して生じうる問題の予防や解決が円滑に行われている。

【解答群】
(ア)aとb
(イ)aとc
(ウ)bとc
(エ)bとd

(設問4
 文中の空欄C に当てはまる用語として最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア)硬直的
(イ)短期的・浮動的
(ウ)長期安定的
(エ)不安定

(設問5
 親企業から見た下請取引のキーワードの中で、文中の下線部Bの方向との関連が最も薄いものはどれか。

【解答群】
(ア)世界最適調達
(イ)貸与図方式
(ウ)デザイン・イン
(エ)モジュラー生産方式

解答を確認する

設問9

 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 日本の小売業の特徴のひとつは、@製造業者による中小小売業者の系列化である。 このような流通系列化は、一方では関係者すべてに何らかのメリットがあると考えられる。製造業者は小売業者の系列化によって自社ブランドを確立・強化できる。系列化された小売店は製造業者のブランド名を利用できるほか、製造業者からの多大な経営支援を受けられる。消費者は系列小売店で特定の業者の製品に関する品揃えの良さや情報・サービスの提供等のメリットを享受できる。Aしかし他方で、流通系列化にはいくつかの問題点も指摘される。

(設問1)
 文中の下線部@について、その具体的な措置に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 一店一帳合制は、販売業者の結束を固めるために、製造業者が販売業者に横断的な組織を結成させるものである。
(イ) 専売店制は、製造業者が卸売業者に対して販売先である小売業者を指定し、小売業者が特定の卸売業者以外の業者と取り引きできないようにするものである。
(ウ) テリトリー制は、製造業者が自社製品の販売業者の販売地域を制限するものである。
(エ) 店会制は、製造業者が販売業者に対し、他社製品の取り扱いを禁止または制限するものである。

(設問2)
 文中の下線部Aについて、流通系列化の一般的な問題点として、最も不適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 企業間の自由な価格競争を阻害する要因になる。
(イ) 消費者の選択の自由が制約される。
(ウ) 製造業者による優越的地位の濫用を招きやすい。
(エ) 品質やサービスの低下を引き起こしやすい。

解答を確認する

設問10

 次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
 サービス経済化は日本でも着実に進行している。新しいサービス分野が中小企業によって創始され、サービス産業の大きな部分が中小企業によって担われていることから、@サービス経済化は中小企業の事業機会を増大させると言える。しかし他方で、Aサービス産業における中小企業の競争優位を制約するような動きも強まっている。

(設問1)
 文中の下線部@について、なぜサービス経済化は中小企業の事業機会を増大させると考えられるのか。以下の記述のうち、最も不適切なものを選べ。

【解答群】
(ア) 新たなサービス分野はニッチ市場として生まれることが多いから。
(イ) サービスに対する消費者の嗜好は変化しやすく、常に新たなものが求められるから。
(ウ) サービスは基本的に個別需要に合ったものであるから。
(エ) サービスは需要の価格弾力性が高い「奢侈財」としての性格を持つから。

(設問2)
 文中の下線部Aについて、サービス産業における中小企業の優位性を直接に制約する要因として、最も不適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 高度に専門的な業務が増加していること
(イ) 情報化が進展し、情報に関する規模の経済性が働くこと
(ウ) 大企業が中小規模の事業所を設立して参入してくること
(エ) 派遣労働者が増加していること

解答を確認する

Copyright(C)Katana All right reserved.