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平成19年度1次試験解答:運営管理

設問31

解答:ア

インストア・マーチャンダイジングに関する問題である。

 インストアマーチャンダイジング(ISM)とは、店内で行なわれるすべてのマーチャンダイジング活動を表した言葉で、小売店頭で、市場の要求に合致した商品および商品構成を、最も効果的で効率的な方法によって、 消費者に提示することにより、資本と労働の生産性を最大化しようとする活動である。
 インストア・プロモーション(ISP)とは、小売店頭において、単なる情報提供に終わらずライフスタイル等に関する積極的な提案を行うことにより、顧客の動機形成や意思決定の過程に直接影響を及ぼそうとする活動のことである。

(ア) ISMにおいては、顧客の計画購買の増加を主眼としている。
→×:ISMにおいては、顧客の非計画購買の増加を主眼としている。消費者が計画購買する割合は約1割、非計画購買する割合は約9割といわれる。ISMは非計画購買に焦点をあて、店内で購買を促すためのものである。
(イ) ISP手法としてのノベルティは、非価格主導型の手法である。
→○:ISPには価格主導型と非価格主導型がある。価格主導型の例としては、特売、エンド陳列、チラシ・クーポン配布などがある。また非価格主導型の例としては、クロスマーチャンダイジング、デモンストレーション販売、サンプル提供、ノベルティ提供などがある。
(ウ) ISPの対象は、消費者の購買行動分析などを踏まえて選定することがよい。
→○:ISPでは、顧客の動機形成や購買過程に直接影響を及ぼす活動であることから、消費者の購買分析を踏まえて選定することがよい。
(工) ISPは、客単価増加に着目するとともに、1人当たりの買い上げ個数増加を意図している。
→○:来店客への働きかけによって買い上げ点数、客単価をあげることが主目的である。
(オ) 視認率を高めるために、POPの効果活用およびカラーコーディネート技術の活用などに留意すべきである。
→○:視認率を高めるためにPOPやカラーコーディネート技術の活用等は重要である。

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設問32

解答:ウ

価格の弾力性とは、価格の変動によって、ある製品の需要や供給が変化する度合いを示す数値である。価格弾力性が高いほど、価格の変化に対する需要量の変化は大きくなる。

(ア) 価格弾力性とは、売価を一定割合変化させたときの販売数量の変化の割合をさす。
→○:価格の変動によって、商品の需要が変化する度合のことを価格弾力性という。
(イ) 価格弾力性の低い商品は、特売が売上金額の増加につながりにくい。
→○:価格弾力性が低いほど、価格の変化に対する需要量の変化は小さくなる。すなわち、価格弾力性の低い商品は、特売が売上金額の増加につながりにくい。
(ウ) 価格弾力性の低い商品を値引きすることは、プロモーション手段として適している。
→×:価格弾力性が低いほど、価格の変化に対する需要量の変化は小さくなる。すなわち、価格弾力性の低い商品を値引きしても需要に大きな変化は与えることはできない。
(工) 価格弾力性は、カテゴリーの特性やアイテムの商品力によって異なる。
→○:価格弾力性は必需品・贅沢品などのカテゴリーの特性やアイテムの持つ商品力によって異なる。
(オ) 非必需的なアイテムは、価格弾力性が高くなりやすい。
→○:必需品は価格弾力性が小さい。反対に、非必需品は価格弾力性が大きい。

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設問33

解答:ア

(ア) 競合他店の販売数量実績。
→×:小売業が競合他店の販売数量実績を参照することは売上・数量面を高めるための情報であり、利益面に関する期待ではない。
(イ) 生鮮品や日配品における商品ロス率。
→○:商品ロス率を下げれば利益率は上昇する
(ウ) 当該ブランドが属する市場における価格競争の程度。
→○:当該ブランドが属する市場における価格競争の程度は価格設定に重大な影響を及ぼす。その結果、利益に直結する。
(工) 販売や商品補充に必要な人手や陳列に要する面積などの販売経費の見通し。
→○:販売や商品補充に必要な人手や陳列に要する面積などの販売経費の見通しは、小売業の費用を計上する上で重要な要素である。適切な販売経費にすることで費用は抑えられ、利益率は向上する。
(オ) リベートや販売促進費などを加えた取引条件。
→○:リベートや販売促進費はすべて利益率を下げる要因となる。適切なリベートや販売促進費にすることで、利益率は向上する。

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設問34

解答:エ

商品陳列に関する問題である。

(ア) アイランド陳列を行う場合には、顧客の回遊性を損なわないよう留意することが必要である。
→○:アイランド陳列とは、店内の通路上にダンボールに入れた商品やワゴンなどを用いて、臨時に商品を置く陳列方法である。アイランド陳列を採用することで、結果として一部通路を狭くしてしまうため、顧客の回遊性を損なわないよう留意することが必要である。
(イ) ジャンブル陳列やアイランド陳列など、陳列に変化をつける方法を総称して変化陳列という。
→○:変化陳列とは、品揃えの豊富感、安さ感、売場の魅力などを出すために、意図的に陳列の仕方を変える手法のことである。ジャンブル陳列やアイランド陳列は変化陳列である。なお、ジャンブル陳列とは、篭やワゴンに投げ込んだままの状態に陳列する方法である。
(ウ) 人体寸法に合わせて、人が無理なく商品を手にとれる高さのことを、ゴールデン・ゾーンという。
→○: ゴールデンゾーンとは、最も見やすく触れやすい範囲のことである。主力商品や重点商品を陳列する。
(工) 陳列棚の商品区分は、視野にかかわらず横割りが理想的である。
→×:陳列棚の商品区分は、目的に応じて縦割り、横割りを区別する必要がある。
(オ) 陳列には、商品を豊富に並べる量感陳列と、小物などと並べてテーマや季節感を演出する展示陳列がある。
→○: 陳列は大きく量感演出と展示陳列に分類されます。 量感陳列とは、商品を山のまとめて陳列し、ボリューム感や活気と価格の安さを訴求する陳列方法である。また展示陳列とは、特定のテーマを決め、展示手法を凝らして、商品を魅力的に見せる陳列方法である。

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設問35

解答:ウ

売場レイアウトに関する問題である。

(ア) 売場における商品カテゴリー別の陳列量は、単位売場面積当たりの売上高が全売場について均等になるように決定することが目指される。
→○:売場における商品カテゴリー別の陳列量は、単位売場面積当たりの売上高が全売場について均等になるように設計することが望ましい。
(イ) 売場における商品カテゴリー別の陳列量は、単位売場面積当たりの投資額と、単品別の純利益をそれぞれ算定し、投資純利益率がすべての売場において均等になることが目指される。
→○:最終的に最愛の売上と最大の利益を同時成立させることが目指される。
(ウ) 関連購買される確率が高い商品を離して配置することで、店内回遊率を高めることができる。
→×:関連商品を組み合わせて一緒に陳列することも大切である。関連商品とは、「かみそりとシェービングクリーム・アフターシェーブローション」「パスタとパスタソース・タバスコ・粉チーズ」など。衣料品店の多くは洋服だけでなく靴やバッグ、アクセサリーなどをコーディネートしてディスプレイしている。これらも関連商品を一緒に陳列することで買い物客の購買意欲が刺激され、その商品の売上増加や購買点数の増加が期待できるためである。すなわち商品を組み合わせ、わかりやすく関連づけて陳列することを心掛けるべきである。
(工) 陳列のストーリー訴求やカラー・コンディショニングなどによって、陳列棚全体の視認率を高めることができる。
→○:商品の色をより効果的に魅力的に見せる陳列や売り場作りに、色は大きな役割をもつ。すなわち、陳列棚全体の視認率を高めることができる。

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