平成17年度1次試験解答:企業経営理論
設問21
解答:ア
(ア) | 事業者とは、法人企業であれば当該法人の代表者、個人企業であれば事業経営主を指す。 →×:労働安全衛生法2条の3号では、 「事業者」とは、事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。すなわち事業者=当該法人そのものであり、代表者ではない。 第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 1 労働災害 労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。 2 労働者 労働基準法第九条 に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。 3 事業者 事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。 3の2 化学物質 元素及び化合物をいう。 4 作業環境測定 作業環境の実態をは握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む。)をいう。 |
(イ) | 事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力しなければならない。 →○:労働安全衛生法3条の1号より正しい。 第3条 1 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。 |
(ウ) | 事業者は、機械・器具その他の設備の設計・製造等に際して、これらの物が使用されることによる労働災書の発生の防止に資するように努めなければならない。 →○:労働安全衛生法3条の1号より正しい。 第3条 2 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。 |
(工) | 事業者は、労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な戦場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。 →○:労働安全衛生法3条の1号より正しい。 第3条 1 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。 |
設問22
解答:エ
▼職業安定法第3条
何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、 門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、 職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。
何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、 門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、 職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。
上記法律には年齢のことは記載されていない。よって解答はエである。
設問23
解答:正解なし
▼雇用保険法 (失業等給付)
第10条 失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする。
2 求職者給付は、次のとおりとする。
1.基本手当
2.技能習得手当
3.寄宿手当
4.傷病手当
3 前項の規定にかかわらず、第37条の2第1項に規定する高年齢継続被保険者に係る求職者給付は、高年齢求職者給付金とし、第38条第1項に規定する短期雇用特例被保険者に係る求職者給付は、特例一時金とし、第43条第1項に規定する日雇労働被保険者に係る求職者給付は、日雇労働求職者給付金とする。
第10条 失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする。
2 求職者給付は、次のとおりとする。
1.基本手当
2.技能習得手当
3.寄宿手当
4.傷病手当
3 前項の規定にかかわらず、第37条の2第1項に規定する高年齢継続被保険者に係る求職者給付は、高年齢求職者給付金とし、第38条第1項に規定する短期雇用特例被保険者に係る求職者給付は、特例一時金とし、第43条第1項に規定する日雇労働被保険者に係る求職者給付は、日雇労働求職者給付金とする。
(ア) | 求職者給付 →○:正しい。 |
(イ) | 教育訓練給付 →○:正しい。 |
(ウ) | 雇用継続給付 →○:正しい。 |
(工) | 日雇労働求職者給付金 →○:正しい。 |
(オ) | 就職促進給付 →○:正しい。 |
全選択肢が正しいので、中小企業診断協会より、正解なしと発表があった。
設問24
解答:エ
標準報酬月額とは、給付の迅速化とともに事務上の便宜を図るため、被保険者(加入員)が実際に受ける給料、賃金などを、いくつかの等級に区分した報酬にあてはめたものを、「標準報酬(給与)月額」という。
▼厚生年金保険法第3条3項
3.報酬
賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
3.報酬
賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
(ア) | 基本給その他各種手当 →○:同法律の給料、手当てに該当する。 |
(イ) | 傷病による休職期間中に支給される休職手当 →○:休職手当ては労働の対象として報酬とされる。 |
(ウ) | 賞与(年4回以上) →○:年4回以上の賞与は3月を超える期間ごとに受けるものであり、賞与ではなく報酬になる。 |
(工) | 解雇予告手当および退職手当 →×:解雇予告手当は生活保障であり、労働の対象となる報酬ではない。 |
(オ) | 通勤手当 →○:同法律の手当に該当する。 |
- 報酬になるもの
- 基本給
- 住宅手当
- 通勤手当
- 食事手当
- 皆勤手当
- 育児休業手当
- 宿日直手当
- 賞与(年4回以上)
- 通勤定期券
- 自社製品
- 報酬にならないもの
- 退職手当
- 災害見舞金
- 恩給
- 年金
- 出張旅費
- 賞与(年3回以下)
- 制服・作業着
設問25
解答:ウ
(ウ) | 現在、プロモーションの決定に大きく影響するチャネルリーダーシップは、流通業者からメーカーに移行する傾向がある。 →×:チャネルリーダーシップとは、流通経路における主導権を握ることである。現在、チェーンストアなどが購買力を背景に台頭し、チャネルリーダーシップはメーカーから流通業者に移行する傾向がある。 |
設問26
解答:オ
(ア) | 売上に対するプロモーション費用の割合が他の期よりも高い。 →○:導入期におけるプロモーションとして正しい。 |
(イ) | 店頭で試用を目的とするデモンストレーション販売が行われる。 →○:導入期におけるプロモーションとして正しい。 |
(ウ) | 認知を主目的としたプロモーションが用いられる。 →○:導入期におけるプロモーションとして正しい。 |
(工) | パブリシティの獲得のための活動が重要である。 →○:パブリシティとは、企業や団体が、マスコミなどに対して積極的に情報公開するなどして、報道されるよう働きかけることである。導入期におけるプロモーションとして正しい。 |
(オ) | ロイヤルティ向上を狙った販売促進が行われる。 →×導入期は、主に新製品に対する認知度の向上が主な目的である。すなわちロイヤルティ向上を狙った販売促進が行われない。ロイヤルティ向上を狙った販売促進が行なわれるのは、成熟期であろう。 |
設問27
解答:設問1:ウ 設問2:イ
(ウ) | ダイレクト・マーケテイング →×:ダイレクト・マーケテイングとは、訪問販売、個別販売、通信販売、ダイレクトメールやWEBサイト、メールマガジン、電話によるアプローチなどのように、流通業者を経由せずに直接的に消費者情報を収集するマーケティング手法のことである。 訪問販売や個別販売などは、マーケテイング手法としては比較的古くからある手法であり、、1960年から1985年にかけて特に議論されはじめた研究テーマとしては不適切である。 |
(設問2)
AMAのマーケティングの定義に関する問題である。
▼AMAの定義
マーケテイングは、組織的な活動であり、顧客に対し価値を創造し、価値についてコミュニノケーシヨンを 行い、価値を届けるための一連のプロセスであり、さらにまた組織及び組織のステークホルダーに恩恵をもたらす方法で、顧客関係を管理するための一連のプロセスである。
マーケテイングは、組織的な活動であり、顧客に対し価値を創造し、価値についてコミュニノケーシヨンを 行い、価値を届けるための一連のプロセスであり、さらにまた組織及び組織のステークホルダーに恩恵をもたらす方法で、顧客関係を管理するための一連のプロセスである。
よって解答はイである。
設問28
解答:オ
流通系列化とは、メーカーが自社商品を扱う卸売業者や小売業者に対し、さまざまな支援策の提供と引き換えに自社グループ内に取り込み、販路・流通の関係強化を求める政策である。
(ア) | 系列店になった流通業者に対しては、他のメーカー系列へのスイッチング防止のために、強力なセールスが常に必要である。 →×:系列店になった流通業者に対して、ノウハウやアフターサービスなどのフォローは必要である。しかし系列店に対して強力なセールスを行なう必要はない。 |
(イ) | 系列店になることによってその店舗独自の、顧客からみて多様で魅力的な商品構成を展開しやすくなる。 →×:系列店になることによって、自立性が制約されるため、店舗独自の商品構成は難しくなる。 |
(ウ) | マーケテイング政策を、業務命令として、チャネル全体へ浸透させるルールができあがっている。 →×:系列店になったとしても資本的には独立した仕組みであるため、業務命令を受けることはない。 |
(工) | メーカ一が系列店へ販売した商品は、売れなかった場合には、直営店の場合と同様に返品を受け入れる必要がある。 →×:メーカー側が返品を受け入れる義務はない。 |
(オ) | メーカーは系列店へさまざまな支援をするが、基本的に系列店自らの資金によって販売拠点を設置できる。 →○:系列店になったとしても資本的には独立した仕組みであるため、系列店自らの資金によって販売拠点を設置できる。 |
設問29
解答:ウ
初期高価格政策(上層吸収価格政策)とは、新製品の導入時には高い価格を設定しておき、成長期に移行するとともに価格を徐々に低下させていく政策である。また初期低価格政策(市場浸透価格)とは、新製品の価格を低価格に設定して、その価格の魅力により大量の顧客に製品購入を促し圧倒的な市場シェアを獲得するという政策である。
(ア) | 上層吸収価格政策は、市場シェアの獲得を目指して採用されやすい。 →×:市場シェアの獲得を目指して採用されやすいのは市場浸透価格である。 |
(イ) | 上層吸収価格政策は、補完的価格設定とともに採用されやすい。 →×:補完的価格設定とは、本体製品とは別に定期的な購入が必要な消耗品などの商品がある場合には、本体は利幅を削ってでも低価格で販売し、本体以外の商品で収益を確保するというものである。消費者を混乱させるおそれがあり、上層価格政策とは併用されにくい。 |
(ウ) | 市場浸透価格政策は、需要の価格弾力性が高いときに採用されやすい。 →○:価格弾力性が高いということは、価格の変動によって、ある製品の需要や供給が変化する度合が大きいことを示す。すなわち市場浸透価格政策を採用し低価格で販売することで、製品の需要や供給を大きく変化させることができる。 |
(工) | 市場浸透価格政策は、短期間で次の新製品を市場導入する予定のときに採用されやすい。 →×:短期間で次の新製品を市場導入する予定の場合に市場浸透価格政策を採用すると十分な利益が確保できない。 |
(オ) | 市場浸透価格政策は、独自性の高い製品のときに採用されやすい。 →×:独自性の高い製品には上層吸収価格政策が採用されやすい。 |
設問30
解答:エ
(工) | 新製品の特性を容易に認知できる場合 →×:「お試し価格」は、消費者にとってなじみの薄い製品の試用を促したり、乗り換えをさせたりするこを目的とする。「新製品の特性を容易に認知できる」場合は、消費者に試してもらう必要がないので、「お試し価格」を採用する意味がない。 |