平成13年度1次試験解答:企業経営理論
設問11
解答:設問1:ウ(b とd ) 設問2:イ
競争地位別戦略に関する問題である。
解説省略
設問12
解答:設問1:ア 設問2:ウ 設問3:エ
(設問1)
解説省略
(設問2)
オープンシステムモデルとは、環境との相互作用に注意を向け、組織を予測や統制の出来ない影響力にも従うシステムとみなし、不確定性を前提とするアプローチのことである。
(ア)風通しのよい組織を構築するために、成員間に開かれたコミュニケーション機会を増加させることに意を用いることになる。
→×
(イ)管理者の主要な目標は、成員の意識を、組織の外に向けさせることに重点が置かれる。
→×:管理者がメンバーの意識を外に向けさせることが最重要課題ではない。
(ウ)組織の成長と資源の獲得のために、外部環境と良好な関係を構築することに中心的な価値が置かれる。
→○
(エ)他の組織や環境に従属ないし支配されるシステムではなく、それ自体で自己完結的に行動できる、独立性をもったシステムである。
→×:それ自体で自己完結的に行動できる、独立性をもったシステムではなく、外部環境との関連をもつ
(設問3)
解説省略
設問13
解答:エ(cとd)
アメリカの心理学者ハーツバーグは、約200人の技師と会計士を対象に面接を行い、その結果として、満足を感じる要因(動機づけ要因)が満たされないときに不満足を感じるのではないこと、不満足を感じる要因(衛生要因)が満足を感じる要因とは全く別のものであることなどを明らかにした。動機づけ要因には、達成、承認、職務そのもの、責任、昇進などがあり、それらは仕事をとおして自己実現を可能にする特性をもつ。衛生要因として、会社のポリシー、管理・監督技術、給与、対人関係、作業条件などがあげられている。これらは不満足を解消する要因であり、従業員を動機づける要因にはならないものの職場で生起するさまざまな不快な状況を取りのぞき、良好な環境を維持する可能性があると指摘されている。
ハーツバーグは、両者の均衡を不可欠なものとしつつ、とくに動機づけ要因、たとえば職務豊富化が企業経営の発展にとって重要な鍵になることを強調している。
(a)行動を動機づける環境要因は、個人の職務要因であるから、給与やさまざまなフリンジ・ベネフィットの改善は、根本的な問題から目をそらさせるに過ぎない。
→×:給与やさまざまなフリンジ・ベネフィットといった衛生要因は重大な要素である。
(b)行動を動機づける特定の個人要因はさまざまな欲求であるから、いわば無限ともいえるものである。したがって組織は自らが提供できる範囲を超えて成員の欲求を膨張させない努力が必要となる。
→×:誤りである。
(c)達成感、達成の承認、責任などの要因が強く働かない場合でも、職場の衛生要因が十分であれば、職務に対する不満が大きく高まることはないであろう。
→○:衛生要因(会社のポリシー、管理・監督技術、給与、対人関係、作業条件など)が十分であれば、職務に対する不満が大きく高まることはない
(d)動機づけのためには仕事自体の改善もさることながら、経営方針や作業条件など、不満を予防する要因の改善も重要な意味をもつ。
→○:経営方針や作業条件などの衛生要因の改善もモチベーションを高める要因の一つである。
設問14
解答:設問1:イ 設問2:エ 設問3:イ
(設問1)
本文に「適切な構造化」という文言があるが、構造化とは、組織メンバー間の機能(役割)の合理的・合目的的関連形成を意味する。
よって解答はイである。
(設問2)
ビジョンを共有するためのコミュニケーションを行うことで、組織構成員をその方向に向けさせることができる。
(設問3)
いずれの選択肢も組織機能化にとって必要ではあるが、重要なものとなるとイが正しい。
設問15
解答:エ
(ア)OJT は業務時間中に、業務を一時的に離れて、上司や先輩が部下に対して教育を行う日本に特有の人材教育法である。
→×:OJTは業務を一時的に離れるのではなく、実際に業務を行なう。また日本特有の人材教育法ではない。
(イ)OJT は職務上必要のある技能修得の目的で行われる教育法であり、アメリカから導入されたマニュアル教育が中心となっている。
→×:マニュアル教育ではなく実際の業務を行なう
(ウ)OJT は公的資格取得のための教育機会の提供に重点がおかれることが多い。
→×:公的資格取得ではなく、業務遂行に必要や知識や能力を身に付けることに重点をおく。
(エ)OJT は日常業務において、上司や先輩がその作業や職務の遂行過程で、必要な知識、技能、問題解決能力などを計画的に教育・訓練する手法である。
設問16
解答:イ
労働者派遣法についての問題である。
(ア)職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮は、派遣先ではなく派遣元事業主に義務付けられている。
→×:職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮は派遣先に義務付けられている。
(イ)派遣労働者に時間外労働を求める場合には、派遣元事業主と派遣労働者の間に労使協定(三六協定)が締結されなくてはならない。
→○
(ウ)派遣労働者は派遣期間の長さ等にかかわらず、原則として社会保険(健康保険、厚生年金)への加入義務はないが、加入が望ましい。
→×:派遣期間が一定の期間に達すると加入義務が生じる。
(エ)労働者派遣が認められるすべての業務について、最長3年までの契約更新が認められている。
→×:最長3年までの契約更新が認められているが、特定業務に限られる。
設問17
解答:ア
(ア)従業員の適切な処遇、有効活用、および教育・訓練や能力開発の基礎資料となる個人情報を得ることが目的とされる。
→○
(イ)納得性を確保する観点から、勤務記録や生産・能率記録などの客観的データによる把握が中心となっている。
→×:客観的評価よりも絶対評価・相対評価の方が多い。
(ウ)能力主義管理の進展のなかで、「人材の効果的な活用と開発への利用」よりも、 「成績査定」の色彩が濃くなり、考課基準などを対象者に公表しない傾向が強まっている。
→×:考課基準などを対象者に公表する傾向が強くなっている
(エ)ライン管理職が「相対評価」で一次考課を行い、部門長が「絶対評価」で二次考課を行い、さらに人事部門が一次考課、二次考課の結果を検証するというプロセスが一般的である。
→×:一般的には、ライン管理職が「絶対評価」で一次考課を行い、部門長が「相対評価」を行なう。
設問18
解答:ア
大工場労働制は労働者の協業と分業との体系である。
設問19
解答:ウ
(ア)1年間(初年度は6ケ月)継続勤務し、その1年間(初年度は6ケ月)の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、企業が褒賞として与える休暇である。
→×:報酬ではない。有給休暇は権利・義務である。
(イ)パートタイム労働者、アルバイト、嘱託等の非正規社員の場合には法的には適用の対象となっていないが、所定労働日数に応じて付与することが望ましい。
→×:パートタイム労働者、アルバイト、嘱託等の非正規社員に対して
も年次休暇を付与する義務がある。
(ウ)労働者が指定した時季に与えなければならないが、労働者が時季を指定することのできる期間は付与された日から2年間である。
→○
(エ)労働者の権利として法律で認められているものであるが、存立が危ぶまれるまでに当該企業の業績が悪化したような場合には、労使協定の締結を条件として、付与の義務と取得の権利を制限できる。
→×:年次休暇の取得権を制約することはできない。
設問20
解答:エ
解雇に関する問題である。
(エ)女性が婚姻、妊娠、出産したことを理由とする解雇
→結婚、妊娠、出産などを理由とした解雇、退職の強制、退職の勧奨は禁止されている。