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平成24年度1次試験問題:経営法務

設問11

 商標の使用に関する記述として最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 家庭用テレビゲーム機用プログラムを記憶させたCD-ROMに標章を付して販売する行為は、役務についての商標の使用にあたる。
(イ) 商標は、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用するものであるため、商品の生産準備中に、使用予定の商標を雑誌などに広告することは商標の使用にあたらない。
(ウ) 電気通信回線を通じて提供されるダウンロード可能な「電子出版物」のデータに標章を付して販売する行為は、商品についての商標の使用にあたる。
(エ) 標章を付した商品をわが国から輸出する行為は、その商品は輸出先国での販売が予定されているので、わが国での商標の使用にあたらない。

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設問12

 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成20年法律第33 号)においては、中小企業における経営の承継の円滑化を図るため、遺留分に関する民法の特例(以下「遺留分特例」といい、遺留分特例の適用対象となる事業者を「特例中小企業者」という。)を定めている。
 これに関連した下記の設問に答えよ。

(設問1)
 民法の遺留分に関する原則の記述として最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 遺贈及び生前贈与の減殺を請求することができるのは、遺留分権利者本人に限られ、その承継人は請求することができない。 
(イ) 遺留分減殺請求権の消滅時効期間は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から 1年間である。
(ウ) 兄弟姉妹のみが相続人である場合の遺留分の割合は、被相続人の財産の3分の1である。
(エ) 相続の開始前における遺留分の放棄は、推定相続人の単独の意思表示により、その効力を生ずる。

(設問2)
 遺留分特例に関連する説明として最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 遺留分算定において、後継者が生前贈与を受けた自社株式の価額を固定し、又は遺留分の算定から除外する旨の推定相続人間の合意は、その合意が特例中小企業者の経営の承継の円滑化を図るためにされたこと等についての経済産業大臣の確認を受けた者の申立てにより、地方裁判所の許可を得たときに限り、その効力を生ずる。
(イ) 遺留分特例により、特例中小企業者の先代経営者から後継者に自社株式を生前贈与した場合、後継者を含む先代経営者の推定相続人は、当該生前贈与後に成立した推定相続人全員の合意をもって、書面により、後継者が上記生前贈与により取得した自社株式について、遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入すべき価額を当該生前贈与の時における価額とすることができる。
(ウ) 遺留分特例により、特例中小企業者の先代経営者から後継者に自社株式を生前贈与した場合、後継者を含む先代経営者の推定相続人は、その全員の合意をもって、書面により、後継者が上記生前贈与により取得した自社株式の価額について、遺留分を算定するための基礎財産の価額に算入しないことができる。
(エ) 特例中小企業者において、先代経営者から後継者に自社株式を生前贈与した場合、先代経営者の死亡後に、後継者と非後継者との間の遺産分割協議により、生前贈与株式についての非後継者の遺留分を放棄する合意をしたとしても、家庭裁判所の許可がなければ遺留分放棄の効力を生じない。

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設問13

 特許権を取得した会社の専務取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間の、特許権のライセンスに関する以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲氏 「知財担当の主任から聞きましたが、平成24年4月から特許法の改正法が施行されて、特許権のライセンスについて登録制度が変更されたそうですね。」
あなた 「はい。特許権の【 A 】 の設定を受けたライセンシーが、特許権を譲り受けた第三者に自らの権利を対抗するため、これまでは特許庁にその権利の登録をする必要がありました。今後、ライセンシーは登録なしで【 A 】  を特許権の譲受人に対して当然に対抗できることになります。」
甲氏 「当社はライセンシー側でもありますが、登録制度を利用していませんでした。」
あなた 「また、破産手続のことを考えると、破産管財人は破産手続開始時点で【 B 】  である破産者・第三者間の双務契約を解除できるのが原則ですが、ライセンス契約においては、たとえ【 C 】 が破産しても【 A 】 について対抗要件が備わっていれば、破産管財人は【 A 】の設定契約を解除できません。今回の特許法改正により、特許権者から【 A 】 の設定を受けたライセンシーはその後特許権者が破産しても、破産管財人に当然に対抗できます。ライセンスを受けた技術を安心して利用し続けられますし、特許権のライセンスビジネスでの活用の幅も広がります。」
甲氏 「だけど、せっかく第三者が特許権を買い取っても、特許庁の登録を見ても分からないライセンシーへのライセンスを打ち切れないわけですよね。それって特許権を活用したファイナンスとかM&Aの妨げになりませんか。」
あなた 企業買収の際には、買収企業側が被買収企業側にデュー・ディリジェンスを実施し、被買収企業側からの「開示したライセンシーがすべてであり、開示されないライセンシーは存在しない」という【 D 】 条項をおけば、買収側としては一応のリスク回避が可能です。ただ、おっしゃるとおり、隠れたライセンシーの存在やライセンス日付のバックデートの可能性が、特許権を活用した資金調達のマイナス要因になりかねないという指摘はあります。」
甲氏 「それに、特許権の譲渡後に譲渡人が新たなライセンシーとライセンス契約を結んでしまったりした場合、ライセンシーは【 A 】 を特許権の譲受人に主張できますか。」
あなた 「特許法の条文上は、ライセンシーは【 E 】 後に特許権を取得した第三者にその権利の効力を主張できますから、【 F 】 が特許権の移転登録より先であれば、【 A 】  の方が優先します。」

(設問1)
 会話中の空欄A〜Cに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) A:専用実施権 B:双方未履行 C:ライセンシー
(イ) A:専用実施権 B:双方履行済み C:ライセンサー
(ウ) A:通常使用権 B:一方履行済み C:ライセンシー
(エ) A:通常実施権 B:双方未履行 C:ライセンサー

(設問2)
 会話中の空欄D〜Fに入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) D:瑕疵担保責任 E:特許発明の実施 F:ライセンス契約締結
(イ) D:実績補償 E:特許発明の実施 F:ライセンス対象技術の実際の利用
(ウ) D:損失補償 E:通常実施権の発生 F:ライセンス対象技術の実際の利用
(エ) D:表明・保証 E:通常実施権の発生 F:ライセンス契約締結

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設問14

 A社が新製品の開発に利用する予定のオープンソースソフトウェアのライセンス規定として、下記の条項があった。この規定に表題を付記し、内容を説明するとした場合、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

You receive the Program with a covenant from each author and conveyor of the Program, and of any material, conveyed under this License, on which the Program is based, that the covenanting party will not assert ( or cause others to assert ) any of the party's essential patent claims in the material that the party conveyed,
against you, arising from your exercise of rights under this License. If you convey a covered work, you similarly covenant to all recipients, including recipients of works based on the covered work, not to assert any of your essential patent claims in the covered work.
*語句の説明
covenant:約款convey:伝達する
patent claim:特許請求の範囲、特許クレームrecipient:受領者

【解答群】
(ア) (非係争義務)
ライセンス対象物に対して特許権を行使しないライセンシーの義務を規定している。
(イ) (非独占的ライセンス許諾)
ライセンシーに対する特許権の非独占的ライセンスを規定している。
(ウ) (不争義務)
ライセンス対象物に関する特許権の有効性を争わないライセンシーの義務を規定している。
(エ) (保証の排除)
第三者からの特許権に基づく訴訟がライセンシーに対して提起されない保証を排除している。

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設問15

 フランチャイズ契約に関する記述として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 中小小売商業振興法上の特定連鎖化事業に該当する事業を行うフランチャイズ本部には、その本部とフランチャイズ契約を締結しようとする加盟希望者に対し、あらかじめ、加盟に際し徴収する金銭、加盟者に使用させる商標・商号その他フランチャイズ契約の概要等を記載した書面を交付し、その記載事項について説明する義務はない。
(イ) フランチャイズ契約解除後、フランチャイズ本部からフランチャイズ・チェーン名称の使用を継続している旧加盟店に対して名称使用の差止請求をするには、その名称の商標登録が必要である。
(ウ) フランチャイズ契約において、契約終了後も、フランチャイズ本部が加盟店に対して、特定地域で成立している商権の維持、同本部が加盟店に供与したノウハウの保護等に必要な範囲を超えるような地域、期間又は内容の競業禁止義務を課す規定をおくことは、優越的地位の濫用に該当する。
(エ) フランチャイズ契約における加盟希望者が小売店である場合でも、小売店は消費者とみなされるから、消費者契約法の適用がある。

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