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平成21年度1次試験問題:企業経営理論

設問26

 音響機器メーカーのB社は、10年前にデジタル時代に向けた基幹ブランドとして開発した携帯オーディオ・プレイヤーの販売実績が思わしくないことから、大幅に改良した新モデルの投入に先駆けて、大規模なプロモーション・キャンペーンを実施することにした。同社の宣伝部で行われるキャンペーン施策に関する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) AIDMAモデルの最初のAは、Attention(注目)の獲得を意味するから、まずは注目度を向上させるために、標的市場への到達度と広告接触頻度を掛け合わせた指標を使って、媒体間の期待広告効果の比較をすることが重要である。
(イ) 広告は大きな支出をともなうが、メッセージの内容や発信のタイミング、さらには到達する対象の特徴がとらえやすい。一方、販促を用いれば販売業者と消費者に対して強く訴求できるが、必ずしも効果が長続きするとはいえない。
(ウ) 今回の新製品プロモーション・キャンペーンでは大規模な広告投資を行うが、その売上への貢献は、製品コンセプトの差別性、販売業者との取引条件や製品価格の設定、チャネル・サービスの質と量など、マーケティング・ミックス要素の総合的効果である。
(工) テレビ、新聞、雑誌、ラジオのマス4媒体は、このところ急速にセグメント・メディア化が進んでいるので、60歳以下の幅広いターゲットを狙う場合、今回の新商品のプロモーションには不適切である。
(オ) プロモーション政策は、広告、販促、パブリシティ、営業活動を含むものであり、これらの活動は、マーケティング目的に対して明確な意味づけがなされ、意思決定プロセスや効果測定の方法も明示しておく必要がある。

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設問27

 数多くのブランドを展開する中堅アパレル・メーカーのC社では、各ブランドのプロモーション活動が局地的に実施されてきたことが理由で、企業理念と各ブランドの戦略が結びつかない状況に陥り、その結果、顧客離れが進んでしまった。この状況を打破するために、同社は、統合マーケティング・コミュニケーション(IMC)の視点の導入を図っている。IMCに関する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) IMCのアプローチは、顧客関係性に重点を置いているため、そのコミュニケーション目的は、市場占有率だけでなく、顧客シェア、つまり顧客の生涯価値の重要性に着目する。
(イ) IMCの枠組みでは、コミュニケーション投資の効果、つまり投下資本回収率の計測を重視しているが、現実にはこれを測定することは非常に難しい。
(ウ) IMCは伝統的な広告と同様、送り手から受け手に対する一方通行のコミュニケーションであることに変わりはないが、顧客起点である点と、顧客を含むステークホルダーへの配慮に重点を置いている点がユニークな特徴である。
(工) 広告、販促、広報のいずれもが、企業の発信するコミュニケーション活動であり、これらは企業理念、企業戦略、事業戦略、ブランド戦略の中で一貫性をもち、いわば「ひとつの統一されたメッセージ」で結びつけられることが欠かせない。
(オ) 伝統的なマーケティング・コミュニケーションでは、一定の期間に集中的にコミュニケーション投下を行っていたが、IMCでは複数のプロモーション・ミックス要素を組み合わせて断続的な働きかけを行っていく。

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設問28

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 アメリカ・マーケティング協会によって説明されるように、一般にブランドとは「ある売り手の財やサービスが、他の売り手のそれとは異なるものであることを【   】してもらうための、@名前、用語、デザイン、シンボル、およびその他のユニークな特徴」であるとされている。現在では、Aブランド概念のさまざまな側面が議論されている。

(設問1)
文中の空欄に入る最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 広 告
(イ) 識 別
(ウ) 示 唆
(工) 断 言
(オ) 明 言

(設問2)
文中の下線部@に挙げられるものとして、ロゴ、キャラクター、パッケージ、スローガンなども、自社の製品を特徴づけ、他社製品と差別化するために用いられる代表的な知覚コードである。これらの総称として最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) ブランド・エクステンション
(イ) ブランド・エレメント
(ウ) ブランド・ライセンシング
(工) ポジショニング・ステートメント

(設問3)
文中の下線部Aに関連する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) 成分ブランドは、コ・ブランディング(Cobranding)の一種であり、最終製品自体がブランド化しているだけでなく、その製品に使用されているパーツなどもブランド化しているものである場合を指す。
(イ) プライベート・ブランドは、卸売業者や小売業者による商標のことである。
(ウ) ブランド・アイデンティティを確立するためには、ブランドの機能的便益だけでなく、情緒的・自己表現的便益を明確にすることが重要であり、それは顧客関係性の構築のためにも欠かせない。
(工) ブランド・エクイティとは、特定の組織にとって自社のブランドによって連想される内容から、その資産となる部分を総和したものであり、わが国においては、近年その測定についての標準算出式が導入されている。
(オ) ブランド開発では「モノ」をどのような生活空間・生活場面と結び付け、「モノへの意味付け」を通じて価値や便益を創造・伝達し、どのように顧客との強力な関係性を構築するかが重視される。

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設問29

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 消費者行動論の分野では、消費者の購買意思決定プロセスのモデル化が行われてきた。そのなかでも代表的なモデルは、問題の認識とその解決としての購買行動を前提として、「問題認識」→「情報探索」→「【   】」→「選択」→「結果の評価」からなる5段階のプロセスによる説明を行っている。

(設問1)
文中の空欄に入る最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 購買目的の精緻化
(イ) 情報分散化
(ウ) 代替案の評価
(工) トライアル購買
(オ) 取引条件の交渉

(設問2)
文中の下線部に関連する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) ある消費者が特定ブランドに対する高いロイヤルティ(忠誠)を持つ場合、この消費者は購買意思決定プロセスの中で広範囲問題解決を行うことが多い。
(イ) 情報探索段階で長期記憶により多くの知識を持っている消費者は、少ない知識を持つ消費者と比べ、意思決定のための情報を効果的に処理できる傾向が強い。
(ウ) 情報探索段階の外部探索とは、消費者が店舗出向したり、カタログやウェブサイト、友人の意見などを参考にしたりして情報収集を行うことである。
(工) 製品関与とは、消費者がある製品に対してどれだけ重要性やリスクを感じるかの水準を指し、消費者がその製品にどれだけこだわりを持っているかということである。

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設問30

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
  ある地域スーパーマーケット・チェーンでは、この10年間、「地元の小・中学校に芝生の運動場を」というスローガンを掲げて、地域の消費者がこのスーパーで買い物をして、ポイント・カードに2,000円分のポイントを集めるごとにクーポンを渡している。クーポンを手にした消費者は、地元の任意の小・中学校にクーポンを寄付する。一定額のクーポンと引き換えに、各学校が芝生の運動場への改良工事費を施工業者に支払うことのできる仕組みである。

(設問1)
このスーパーマーケットが実施しているような社会的責任マーケティングの手法には特定の名称が与えられている。この名称として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) インターナル(Internal)・マーケティング
(イ) ヴァイラル(Viral)・マーケティング
(ウ) 口コミ・マーケティング
(工) グリーン(Green)・マーケティング
(オ) コーズ・リレイテッド(Cause-related)・マーケティング

(設問2)
社会的責任マーケティングに関する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか

【解答群】
(ア) インターネットをはじめとするメディアが発達した今日では、企業の非倫理的・非社会的行為に対する非難や糾弾の意見が、迅速かつ広範囲に伝播していく現象が顕著になっている。
(イ) 企業のソーシャル・マーケティング活動は、事業遂行における法令遵守が的確に行われていれば、十分な責任が果たされているといえる。
(ウ) ソーシャル・マーケティングの実践は、しばしば教育的要素をともなうため、いかに楽しくメッセージを伝達し、理解してもらうかが重要である。
(工) 非営利組織や政府機関が社会問題などに直接的に働きかえるために実施されるマーケティング活動もソーシャル・マーケティングと呼ばれる。

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