実用新案法
実用新案法とは、発明のような高度性が要求されない物品の形状、構造、組み合わせに係る考案の保護及び利用を図ることにより、その考案を奨励し、もって産業の発展に寄与する為の法律である。
過去問題 |
登録要件
実用新案法による保護を受けるためには、次の要件を満たす必要がある。
産業上利用することができる
実用新案法の目的は産業の発展に寄与することであるから産業上利用できる必要がある。
▼実用新案法3条柱書
産業上利用することができる考案であつて物品の形状、構造又は組合せに係るものをした者は、次に掲げる考案を除き、その考案について実用新案登録を受けることができる。
産業上利用することができる考案であつて物品の形状、構造又は組合せに係るものをした者は、次に掲げる考案を除き、その考案について実用新案登録を受けることができる。
新規性を有すること
実用新案は創作を要件としている為、新規性が求められる。
進歩性を有すること
進歩性(既に知れ渡っている知識や技術、刊行物へ記載済みの知識や技術から容易に創作できる類のものではないことを意味する。)が求められる。
先願の考案であること
実用新案は先に出願した人に権利が与えられる。(先願主義)
同一の考案が存在する場合は実用新案として登録することはできない。
反社会的な考案でないこと
公序良俗、公衆衛生を害するおそれのある考案は実用新案として登録することはできない
▼実用新案法第4条
公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある考案については、第3条第1項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない
公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある考案については、第3条第1項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない
存続期間
実用新案の存続期間は、出願から10年間である。
実用新案権の侵害
権限のない第三者が実用新案権者の許諾なしに実用新案権を侵害すると、実用新案権を侵害することとなり、以下の権利行使ができる。
ただし実用新案技術評価制度を採用しているので、実用新案技術評価を特許庁長官に請求し、実用新案技術評価書を提示し警告した後でないと実用新案権を行使できない。
- (1)差止請求権
- 侵害行為を止めさせることができる
- (2)損害賠償請求権
- 侵害行為により受けた損害の賠償を請求できる
- (3)不当利得返還請求権
- 侵害によって第三者が不当な利得を得ているときは、その返還を請求できる
- (4)信用回復措置請求権
- 侵害行為によって特許権者の信用が傷つけられたとき、その信用を回復する為の措置を講ずることを求めることができる