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平成18年度1次試験解答:運営管理

設問1

解答:ウ

(ア)スループットとは、システムに入ってから出るまでにかかる時間のことである。
→×:スループットとは、単位時間あたりの処理能力のことである。パフォーマンスの評価基準値となる。
(イ)生産性は、システムに投入された量をシステムから産出された量で割った値で示される。
→×:生産性(Productivity)」とは、投入量と産出量の比率のことであり、次の式で求められる。

生産性=産出量(Output)÷投入量(Input)

よって生産性とは、システムに投入された量をシステムから産出された量で割った値ではなく、システムから産出された量からシステムに投入された量を割った値である。
(ウ)生産に関する負荷の単位の1つである「工数」は、人・時や人・日などの単位で記述される。
→○:正しい。
(エ)歩留り(ぶどまり)とは、生産された品物の良品の量と不良品の量の比率を%で示した値である。
→×:歩留り(ぶどまり)とは、生産されたすべての製品に対する、不良品でない製品の割合である。

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設問2

解答:ア

生産統制に関する問題である

生産統制とは、生産計画できめられた、工程計画ならびに日程計画の内容を実施できるように生産活動を制御していくものである。生産統制は、進捗管理(進度管理)、余力管理、現品管理に大別される。よってアが誤りである。

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設問3

解答:ア

生産形態に関する問題である。

(ア)個別生産は、個々の注文に応じて、その都度生産を行う方法である。
→○:個別生産は、個々の注文に応じて、その都度1回限りの生産を行う形態である。
(イ)モジュール生産は、共通部品を用いて途中まであらかじめ生産しておき、受注後に顧客仕様により、その先の生産を行う方法である。
→×:モジュール生産方式とは、部品またはユニットの組み合わせによって顧客の多様な注文に対応する生産方式である。複数の部品を組み合わせたモジュールをあらかじめ組み立てておき、受注後にモジュールを組合せ、最終製品にするものである。
(ウ)連続生産は、1個の製品を第1工程から最終工程まで途切れることなく生産する方法である。
→×:連続生産は、同一の製品を一定期間続けて生産する形態である。1個ではなく、同一の種類の製品を生産するので誤りである。
(エ)ロット(バッチ)生産は、単一の品種だけを連続して長期間生産する方法である。
→×:ロット(バッチ)生産は、品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態である。単一の品種だけを連続して長期間生産する方法ではないので誤りである。

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設問4

解答:イ

VEに関する問題である。

(ア)価値の向上のためには、多少機能を低減させても、より大きくコストの低減を行えば良い。
→×:VEでは機能を低減させるという考え方は無い。
(イ)機能系統図は、機能を目的と手段の関係で構造化し、図に表現したものである。
→○:正しい。機能系統図は機能系統図:ホッチキス針取り機(ホッチキスリムーバー)の例を参照して下さい。
(ウ)実施手順は、一般に機能定義、機能の代替案導出、機能評価というステップから構成される。
→×:次の手順で行なわれる。 @対象テーマの設定 → A情報の収集 → B機能の定義→C機能の評価→Dアイデアの抽出(機能の代替案導出)→Eアイデアの評価→F改善案の提案・実施
すなわち機能の代替案導出、機能評価の順番が逆である。
(エ)ブレーンストーミングは、アイデアを出す手法の1つであり、量より質を重要視する。
→×:ブレーンストーミングは、質より量を重視する

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設問5

解答:ウ

時間研究に関する問題である。

標準時間とは、その仕事に習熟した作業者が、所定の作業条件のもとで必要な余裕をもち、正常な作業ペースによって仕事をするために必要とされる時間のことである。次の式で求めることができる。

●外掛け法
標準時間 = 正味時間×(1+余裕率)  …外掛け法

 

●…内掛け法
標準時間=正味時間/(1−余裕率)

@外掛け法を採用している。
A正味時間は実績正味作業時間の代表値(秒)×レイティング係数で求めることができる。
※レイティング係数とは、作業者の技能、努力度、安定度によって影響される「作業の観測値の平均値」を、標準の技能を持つ作業者の作業時間を基準として観測者の尺度で修正した数値のことである。

Bよって解答はウとなる。

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設問6

解答:

IEに関する問題である。

 作業研究は、作業を分析して最も連切な作業方法である【A:標準作業】の決定と、【A:標準作業】を行うときの所要時間から【B:標準時間】を求めるための一連の手法体系である。

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設問7

解答:エ

以下に選択肢の各用語の説明を記す。

予防保全
故障を未然に防止すること
定期点検
検査の周期を定め、それに基づいて修理や部品の取り替えを行うこと
改良保全
故障しにくくメンテナンスしやすい状態に整えること
事後保全
設備に故障が発見された段階で故障を直すこと
予知保全
故障の可能性を早期発見し、修理時期を判断したりあらかじめ改良を加えたりすること

(ア)機械の保全時期が来たので点検したところ、部品が磨耗していたため交換した。この場合の保全を改良保全と呼ぶ。
→×:予防保全である。
(イ)コンペアの故障がよく起きるため、故障が起こりにくくするようにコンペアの改善を行った。この場合の保全を保全予防と呼ぶ。
→×:改良保全である。
(ウ)作業場の照明が切れたので電球を交換した。この場合の保全を予防保全と呼ぶ。
→×:事後保全である。
(エ)定期点検で部品を交換した。この場合の保全を定期保全と呼ぶ。
→○:正しい

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設問8

解答:ア

ECRSの原則(改善の原則)に関する問題である。

ECRSの原則とは、改善の4原則のことで、工程、作業、動作を対象とした分析に関する改善の指標である。

E(Eliminate:排除)
なくせないか
C(Combine:結合)
一緒にできないか
R(Rearrange:再編成)
順序の変更はできないか
S(Simplity:簡略化)
簡略化・単純化できないか

(ア)穴をあける工程が2回出てきたので、その作業を同時に行えるようにした。この内容は、ECRSのCをそれらのステップに適用したことを意味する。
→○:C(Combine:結合)に該当する。
(イ)運搬工程があったが、作業ステーション内に供給するようにしたため、そのステップが省略できた。この内容は、ECRSのRをそのステップに適用したことを意味する。
→×:E(Eliminate:排除)に該当する。
(ウ)検査工程の順序を変更することで作業の効率が向上した。この内容はECRSのSをそのステップに適用したことを意味する。
→×:R(Rearrange:再編成)に該当する
(エ)エ程分析を行い、問題がありそうなステップの内容を細かく分析したところ、単純な動作に改善できた。この内容は、ECRSのEをそのステップに適用したことを意味する。
→×:S(Simplity:簡略化)に該当する。

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設問9

解答:エ

(ア)小売業者は、対象機器の買い替えの際に引き取りを求められた場合に限り、引き取りの義務がある。
→×:小売業者は、次の場合に引き取りの義務がある。よって「対象機器の買い替えの際に引き取りを求められた場合」のみではない。

  1. 自らが過去に小売販売をした特定家庭用機器廃棄物の引取りを求められたとき
  2. 特定家庭用機器の小売販売に際し、同種の特定家庭用機器に係る特定家庭用機器廃棄物の引取りを求められたとき


(イ)この法律の対象機器は、エアコン、テレビ、パソコン、洗濯機の4品目である
→×:一般家庭や事務所から排出された家電製品 (エアコン・テレビ・ 冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機)の4品目が対象となる。パソコンは対象ではない。
(ウ)「再商品化等」とは、対象機器の廃棄物から部品及び材料を分離し、製品の原村料または部品として利用することであり、燃料としての利用を含めることについては今後の課題となっている。
→×:再商品化の定義は次のものである。今後の課題ではないので誤りである。

  1. 特定家庭用機器廃棄物から部品及び材料を分離し、自らこれを製品の部品又は原材料として利用する行為(例えば、金属部品を自社製品の金属部品の原材料とすること)
  2. 特定家庭用機器廃棄物から部品及び材料を分離し、これを製品の部品又は原材料として利用する者に有償又は無償で譲渡し得る状態にする行為(例えば、テレビのブラウン管のガラスをカレット化し、ガラス製造業者に売れる状態にすること)


(エ)製造業者等が引き取った対象機器の廃棄物について、再商品化すべき比率が決められている。
→○:正しい。比率は次のものである。

  再商品化等 再商品化
エアコン 60%以上 60%以上
テレビ 55%以上 55%以上
冷蔵庫 50%以上 50%以上
洗濯機 50%以上 50%以上

家電リサイクル法家電リサイクル法律Q&A参照

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設問10

解答:イ

LCA(ライフサイクルアセスメント)とは、その製品に関する資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送など全ての段階を通して環境影響を定量的、客観的に評価する手法である。

(ア)LCAの主要な分析手法として、インベントリ分析がある。
→○:ISO14040/44ではLCAを、1. 目的・評価範囲の設定 2.インベントリ分析 3.影響評価 4.解釈 から構成されると規定している。
(イ)LCAは、一般に製品の経済的価値や社会的な側面を取り扱うものである。
→×:環境への影響を評価する(影響評価)手法である。
(ウ)LCAは、環境マネジメントの一部としてJISで規格化されている。
→○:正しい。
(エ)LCAは、製品の原材料の採取から製造、使用および処分に至るまでの環境側面および潜在的影響を調査するものである。
→○:LCA(ライフサイクルアセスメント)とは、その製品に関する資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送など全ての段階を通して環境影響を定量的、客観的に評価する手法である。

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