平成19年度1次試験解答:企業経営理論
設問11
(ウ) | 自社の独創技術による新製品は業界トップを占めて急進しているが、近々他社が類似製品を投入する予定であり、競争の激化が予想されるので、既存顧客への拡販に重点をおいた営業活動に特化し、生産や研究開発への投資を控えることにした。 →×:自社の独創技術による新製品は業界トップを占めて急進している場合、コストリーダシップや差別化を確立する為に、生産や研究開発への投資を積極的に行う必要がある。 |
設問12
解答:イ(aとd)
組織構造デザインの方策には、 組織が処理すべき情報量を軽減していく方策と、組織の情報処理能力自体を向上さ せる方策とに分類される。
- 組織が処理すべき情報量を軽減していく方策.
- @スラック資源(余裕や遊び)の創設
A自己完結的職務の形成 - 組織の情報処理能力自体を向上さ せる方策
- @横断的組織や水平関係の設計
A組織の情報化システムの改善
よってイが解答である。
設問13
解答:設問1:ウ 設問2:エ
(ア) | 集団圧力が強く作用する非公式集団が多いほど、上位の公式組織の目標達成度は高くなる。 →×:集団圧力が強く作用する非公式集団が多いほど上位の公式組織の統制が効きにくくなるので、目標達成率は低くなりやすい。 |
(イ) | 集団圧力の強さは、その集団が個人にとっての環境をコントロールできる範囲が拡大するにつれて小さくなる。 →×:集団圧力の強さは、その集団が個人にとっての環境をコントロールできる範囲が拡大するにつれて大きくなる。 |
(ウ) | 集団に対する外部からの脅威は、集団の凝集性を高め、個人が集団の価値と一体化する可能性を高める。 →○:正しい |
(工) | 集団の規模が大きいほど、その集団の組織内での威信が高くなるから、個人が集団の価値と一体化する度合いは強くなる。 →×:集団の規模が小さいほど、その集団の組織内での威信が高くなるから、個人が集団の価値と一体化する度合いは強くなる。 |
(ア) | 集団の規模が大きくなると、個人の努力と集団の成果の関係が明確になるため、「ただ乗り」するメンバーが出てくる可能性は高くなる。 →×:集団の規模が大きくなると、個人の努力と集団の成果の関係が不明確になるため、「ただ乗り」するメンバーが出てくる可能性は高くなる。 |
(イ) | 集団の規模が大きくなるほど、またメンバーが経験を共有する期間が長いほど、集団の凝集性も高くなる。 →×:集団の規模が小さくなるほど、またメンバーが経験を共有する期間が長いほど、集団の凝集性も高くなる。 |
(ウ) | 集団の凝集性が高くなるほど、生産性も向上する。 →×:集団の凝集性とは、集団が構成員を引きつけ、その集団の一員であり続けるように動機づける度合いのことである。集団の凝集性が高いからと言って生産性が向上するとは一概にはいえない。 |
(工) | 集団のメンバーがコンセンサスを重視すぎると、「グループシンク(group think)」と呼ばれる現象に陥る可能性が高まる。 |
(オ) | 同質性の高い集団の方が、個人の場合よりも、よりリスクの低い意思決定を行う傾向がある。このことを「グループシフト(group shift)」という。 →×:同質性の高い集団の方が、個人の場合よりも、よりリスクの高い意思決定を行う傾向がある。このことを「グループシフト(group shift)」という。 |
(設問3)
役割や規則がとかく重視される公式組織に、価値を注入 して活性化するリーダーシップの機能は【制度的リーダーシップ 】といわれる。
よって解答はエである。
設問14
解答:エ
(ア) | 当該企業に特有の知識などを必要とする特異性が高い職務についての労働力市場は、内部化したほうが労使間の情報の非対称性が大きくなるため、取引コストを低くすることができる。 →×:当該企業に特有の知識などを必要とする特異性が高い職務についての労働力市場は、内部化したほうが労使間の情報の非対称性が小さくなるため、取引コストを低くすることができる。 |
(イ) | 当該部品を供給できる企業の数が少ない場合には、市場メカニズムを通じて取引すると取引相手が機会主義的に行動できる余地が少なくなるので、内部化したほうが取引コストを低くすることができる。 →×:当該部品を供給できる企業の数が少ない場合には、市場メカニズムを通じて取引すると取引相手が機会主義的に行動できる余地が多くなるので、内部化したほうが取引コストを低くすることができる。 |
(ウ) | 取引主体の合理性の限界を超える複雑な職務の場合、組織に内部化するよりも、市場メカニズムを通じて調達したほうが取引コストが低くなる。 →×:取引主体の合理性の限界を超える複雑な職務の場合、組織に内部化するよりも、市場メカニズムを通じて調達したほうが取引コストが高くなる。 |
(工) | 内部労働市場では組織が個人を評価する能力が高くなるので、個人の機会主義的な行動を抑制し、取引コストを低く抑えることができる。 →○:正しい。 |
設問15
解答:ウ
(ア) | アルダファーが提唱したERG理論は、欲求を存在欲求・関係性欲求・成長欲求の3つの次元に分類し、低次の欲求が満たされないと高次の欲求はモチベーション要因とはならないと主張した。 →×:3つの次元の欲求が同時に存在したり並行することがありうる。 |
(イ) | ハーズバーグが主張した2要因論によれば、動機づけ要因と衛生要因には高い相関関係があり、衛生要因を充足しなければモチベーションは起こらないという。 →×:モチベーションの原動力となるのは、動機付け要因であり、衛生要因ではない。 |
(ウ) | マグレガーは、管理者が部下に対して持つ人間観の理念型として、X理論・Y理論を提唱し、Y理論に従うと、部下を意思決定に参加させる方が仕事への意欲が高まるとした。 →○:正しい。 |
(工) | マクレランドは、欲求を達成欲求・権力欲求・親和欲求に分類し、達成欲求の高い従業員が優れた管理職になると主張した。 →×:達成欲求の強い人は何事につけ、自分でやることに最大の喜びを感じる。しかし、大規模かつ複雑な組織の中では、管理者が課題解決に必要なすべてのことを一人で行うことなど、まず不可能である。すなわち、達成欲求が高くてもすぐれた管理者になれる保証はない。 |
(オ) | マズローが主張した欲求階層説によれば、自己実現など上位の欲求のほうが、モチベーション要因として強く作用するという。 →×自己実現の欲求は生涯をかけて追及するものでありモチベーションの問題ではない。 |