経営理論
科学的管理論
アメリカ機会技師協会のテイラーによる理論である。
この理論の特徴は
- 時間研究と動作研究の推奨
- 差別的出来高制度の導入
課業を達成した労働者には高い賃金を課業を達成できなかった労働者には低い賃金を適用する賃金制度 - 職能別職長制度の導入
各部門が持つ機能ごとに職長を置き、未熟練労働者を多く採用しても生産性が上がる組織形態を導入する
人間関係論
科学的管理論が人間を機会視することに対し、人間関係論は職場内の良好な人間関係から労働者のモラルが高まり高い生産性を実現できるという理論である。
モチベーション理論
人間関係論の限界について検討を加え、いかに組織目的と個人目的を結び付けていくかを研究した理論である。
モチベーション理論は内容論と過程論に大別される。
過去問題 |
- 内容(コンテント)論
- 「モチベーションを高める要因は何か?」という理論
- 過程論(プロセス)論
- 「どのようにしてモチベーションは生まれるのか?」という議論
マズローの欲求の5段階説
マズローは、人間の欲求階層を、低次から高次にかけて@生理的欲求、A安全欲求、B帰属と愛情欲求、C尊敬(自尊)欲求、D自己実現欲求に区分している。
- @生理的欲求
- 人間の生存にかかわる本理的欲求
- A安全欲求
- 安全した状態を求め危険を回避したいという欲求
- B帰属と愛情欲求(社会的欲求)
- 集団や社会に所属・適合し、他者との愛情や友情を充足したいという欲求
- C尊厳の欲求(自我欲求・自尊欲求)
- 他者から尊敬されたい・自分が他者より優れていると認識されたいという欲求
- D自己実現の欲求
- 自己の向上・あるいは自己の潜在的能力を実現したいという欲求
マクレガーの「X 理論―Y 理論」
管理や組織における人間観ないし人間に関する仮説を、X 理論―Y 理論として、2つに類型化した理論である。命令と統制(X理論)の管理から自己統制(Y理論)へと管理システムを変化させるべきであると説いた。
- X理論
- 「人は本来的に仕事が嫌いであり、金銭を得るために受動的に働くが、命令・指示されたことしか行わない」という人間観に依拠した理論である。
- 伝統的なマネジメント理論であり、厳格な監督、詳細な命令・指示、上から下への支配の重視、経済的刺激などが管理の支柱となる。
- Y理論
- 「人間は本来的に仕事を通じて自分の能力を発揮し、自己実現欲求を充足するものであり、自ら設定した目標については自ら自発的に努力する」という理論である。
人間観に基づいて動機付けが必要であり、目標による管理(MBO:個人的目標を主体的に設定し自己統制によってその実現をはかっていこうとする制度)が管理の支柱となる - 動機づけ要因(組織構成員の積極的態度を引き出すもの満足をもたらす要因)
ハーツバーグの「動機づけ―衛生理論」
人の満足度を高めたり欲求を満たすためには、達成感や承認、仕事への興味や責任の増大といった動機づけ要因を高める必要があるとする理論である。動機づけ要因と衛生要因に分けられる。
過去問題 |
- 達成感
- 承認
- 仕事そのもの
- 仕事への責任
- 昇進
- 衛生要因(職務不安を防止できるが積極的態度を引き出す効果のないもの)
- 会社の方針
- 上司の監督
- 給与
- 人間関係
- 労働条件
- 作業環境
リーダシップ理論
リーダシップとは一般的には、組織が潜在的にもっている収束力・結合力を引き出し、組織目標の達成に貢献するための一連の機能あるいは能力をいう。
またセルズニックの定義ではリーダシップとは組織の基本的使命を、組織に価値を注入することにあるという。またこのようなリーダシップを制度的リーダーシップという。
過去問題 |
リーダシップ理論は次のように変換していった。
- 資性特質論
- リーダシップの類型論
- 二要因論
- コンティンジェンシー理論
- マネジリアルグリッド
- ブレークとムートンによって提唱された理論である。人間への関心と生産への関心という2つの軸でリーダシップスタイルを測定する
- PM理論
- 三隅二不二氏によって提唱された理論である。リーダーが集団に果たす機能を「目標達成機能(Performance)」と「集団維持機能(Maintenance)」の2つに分け、その発揮の仕方によってリーダーシップ・スタイルを4つに類型化した。
●PM型:集団の成果を高めつつ、集団の維持にも気を配るタイプ
●Pm型:集団の成果を高められるが、集団の維持には気を配らないタイプ
●pM型:集団の成果は高められないが、集団の維持には気を配るタイプ
●pm型:集団の成果を高められず、集団の維持にも気を配らないタイプ
1.資性特質論
初期のリーダシップ研究アプローチであり、「リーダーに求められる資質は何か」という議論である。
実際に優れた攻勢を残したリーダのパーソナリティとリーダシップとの相関関係を明らかにしようとするものである。
過去問題 |
2.リーダシップの類型論
「どんなタイプのリーダーの下で成果が高くなるか?」という議論である。
レビンは、集団内における諸個人の行動の動態的相互関係を長期にわたる社会的観察実験から分析した。とくに、能率の基盤となるモラールにとって、組織のリーダーのあり方が決定的であること、そして組織内において形成される風土としての規範様式が構成メンバーの行動に大きな影響を与えることなどを明らかにした。
またリーダシップのタイプを民主型(リーダーは援助し、集団で討議し決定する)、独裁型リーダシップ(リーダーがすべてを独裁的に決定する)、放任型(すべてを個々人で自由決定する)の3つに分け民主型のリーダシップが最も優れているとした
3.二要因論
「理想のリーダはどのようなタイプであるか?」という議論である。
「配慮」と「構造づくり」、「人間に対する関心」と「業績に関する関心」など、2つの軸によってリーダシップのタイプを類型化する理論の総称である。
4.資性特質論
「望ましいリーダ像は、状況次第で変わるものである」という議論である。