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平成18年度1次試験解答:企業経営理論

設問1

解答:ア

(ア) 一般に産業の成長が低下すると、その産業に属する企業の間の市場シェアをめぐる競争は激しくなる。
→○:成長率が鈍化すると、企業はシェアを維持するだけでは、それまでの成長率を保つことができなくなるため、市場シェアをめぐる競争は激しくなる。
(イ) 現有の生産設備をフル稼働させようとする同業者が多い産業において、需要の価格弾力性が低下すると、価格競争は緩和する。
→×:価格の弾力性とは、価格の変動によって、ある製品の需要や供給が変化する度合いを示す数値である。価格弾力性が高いほど、価格の変化に対する需要量の変化は大きくなる。設問では価格の弾力性が低下しているので、価格の変化に対する需要量の変化は小さくなるということである。すなわち価格を下げても需要が変化しにくくなるが、「現有の生産設備をフル稼働させようとする同業者が多い産業」という業界なので在庫を処分するために更に価格を低下することになる。その結果、価格競争は激しくなる
(ウ) 固定費や在庫費用が高い産業では、企業間の競争は概して緩やかになり、価格も安定化しやすい。
→×:「固定費」が高いということは、固定費を消却するために大量の製品を販売しなければならない。また「在庫費用が高い」ことから在庫を持ちたくないため、早く販売しようとする。その結果、企業間の競争は概して激しくなり価格も安定化しにくい
(工) 産業内で製品の差別化が難しくなるほど、企業間の競争は綬やかになる。
→×:差別化戦略が失敗した(または差別化がなされていない)場合は、市場の需要と供給の関係に基づき製品の価格のみで売れる数が決まるので価格競争は激しくなる
(オ) 同業者の数が少なくなりながらも、圧倒的な市場シェアをもつ企業がないような産業では、企業間の競争は緩やかになりやすい。
→×:圧倒的なシェアをもつ企業がないので各企業の間でシェア獲得競争が行われる。その結果、企業間の競争は激しくなりやすい

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設問2

解答:エ

競争戦略に関する問題である。

(ア) 主力事業との関連が薄い事業分野への多角化は、新規技術や異質なマーケット情報をもたらすので、主力事業とのシナジー効果が高まり、収益力は強化される。
→「主力事業との関連が薄い事業分野」ではシナジー効果(経営の相乗効果)は低い
(イ) 主力事業と無関係な新規事業分野に進出すればするほど、企業規模が拡大し、スケールメリットを生かした市場支配力を発揮して、高い収益性と成長性を獲得できる。

→×:スケールメリットとは、規模の経済のことであり、規模を大きくすることで得られる効果のことである。 「無関係な新規事業分野」ではスケールメリットを生かしにくい
(ウ) 主力事業に関連する事業分野を中心に多角化すると、主力事業の市場において自社の他事業との競合が起こるので、企業の収益性は低下しやすい。
→×:主力事業に関連する事業分野を中心に多角化すると、シナジー効果が高まるので、企業の収益率は増加しやすい
(工) 主力事業で競合する企業は、互いにしばしば類似の多角化行動をとるので、業界内の既存の競争関係が維持されやすい。
→○:日本企業の競争の特徴として同質的競争がある。同質的競争とは、常に自社と他社とを比較する相対的基準に基づき競争を行なう。仮に企業が成功すれば、他者はその成功要因を即座に見つけ模倣したり追随したりする。 その結果、業界内の既存の競争関係が維持されやすい。
(オ) 主力事業分野に特化すればその分野の固有の技術が深まり、生産能力が強化されるので、それらを生かした新規事業分野への進出が容易になる。
→×:「主力事業分野に特化」すれば他の分野への応用が困難になり、新規事業分野への進出が困難になる。

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設問3

解答:設問1:イ 設問2:ウ 設問3:イ 設問4:ウ

(設問1)
(ア) OEMを視野に入れた製品供給体制を敷き、当該製品の技術標準を確立しつつ、自社のブランドカを生かしたマーケテイング戦略に重点を置く。
→○:OEM(Original Equipment Manufacturing:相手先ブランド製造)とは相手先ブランドで販売される製品を製造することである。自社で製造開始するまでの期間、OEM供給を利用することによって、他社との開発競争の遅れを埋めることが可能になる。
(イ) 研究開発に経常資源を重点的に配分して、すべての部品やキーコンポーネントを自社生産に切り替えて、既存製品のシェア拡大に特化する。
→×:「すべての部品やキーコンポーネントを自社生産に切り替え」することは、研究開発のスピードが遅くなり、他社に遅れをとってしまう可能性が高い
(ウ) 国内競争力を失いつつある製品について、海外生産や海外発注に切り替え、海外からの安価な製品を大量供給しながらシェアの回復を図る。
→○:コストを抑えシェアの回復を図る方法は有効である。
(工) 参入の遅れた技術については外部からの部材供給に切り替え、得意とする現有技術の精緻化を図りつつ、製品供給に取り組む。
→○:正しい
(オ) 社内技術やノウハウの囲い込みや漏出対策をとりながら、生産能力を強化するとともに、新製品開発を急ぎ、自社製品の競争力を高める。
→○:正しい
(設問2)
(ア) 工場を持たずに主として製品の企画や設計に専念する企業をファブレス企業と呼んでいる。
→○:ファブレス(Fabless)企業は、工場を有しない製造業者のことである。
(イ) 顧客の設計図をもとに電子部品等の製造を請け負う企業をファウンドリー企業と呼んでいる。
→○:ファブレス企業の対義語であり、他社からの生産を専門に請け負うメーカーのことである。
(ウ) 電子部品メーカーからの部品供給網を築いて電子部品を販売する流通業者をEMS企業と呼んでいる。
→×:EMS(Electronics Manufacturing Service)とは、電子機器の受託生産を行うサービスのことである。電子機器の製造や設計を請け負うが、流通は行なわない
(工) 発注元のブランドや仕様に基づいて電子部品等を設計し製造する企業をODM企業と呼んでいる。
→○:ODM(Original Design Manufacturer)とは、設計から製造までを手がけること製造形態
(設問3)
(ア) 新規参入企業が国際的な水平分業を活用して、標準化したキーデバイスを外部調達して開発した製品を大量供給しながら参入すると価格競争が激化しやすい。
→○:標準化したキーデバイスを外部調達することで差別化が困難になる。その結果、価格競争が激化しやすい。
(イ) 成長産業で技術仕様が不断に変化すると、標準部材市場が崩壊するので、新規参入企業は新製品の開発が不可能になり、撤退せざるを得なくなる。
→×:技術仕様が変化すると既存の標準部材市場は崩壊する。それは、既存の企業にとってダメージは大きいが、新規参入企業にとってはシェアを伸ばす大きなチャンスである。
(ウ) 先発企業は、部材間の適合性を確保した製品設計を図り、設計技術力による差別化によって、参入企業のキャッチアップのタイムラグを生み出して参入企業の追撃をかわす。
→○:部材間の適合性を確保した製品設計を図ることで、競合他社の模倣を防ぎ、キャッチアップ(追い上げ)のタイムラグ(時間のずれ)を生み出すことができる。
(工) 先発企業は、部材の適合的なデザインと生産技術の最適ミックスによりキーコンポーネントの独創性を強め、製品のコモディティー化を回避しようとする。
→○:「コモディティー化」とは、企業間競争における模倣、同質化の結果、開発競争が限界に達して、差別化が困難となり、「価格」のみが価値の判断基準となる状態です。先発企業は、製品のコモディティー化を回避しようとする。
(オ) 多数の企業が類似技術で参入すると、先発企業は製品開発コストを十分回収できない横並びの価格競争に陥ることになる。
→○:正しい
(設問4)
(ア) 高画質写真をデジタルカメラで実現するには、画素数やカラー画面の回路設計能力が重要であるが、それらの能力は既存のカメラメーカーがもともと重視しており、一部の既存のカメラメーカーは電子技術化で先行し得た。
→○:正しい。
(イ) デジタルカメラが普及するにつれて、高級カメラへのニーズが高まり、既存のカメラメーカーが構築してきたこの分野のブランド力が改めて評価されるようになりつつある。
→○:正しい。
(ウ) デジタルカメラの商品サイクルが短縮化するにつれて、多様な自社部品の在庫を豊富に持つ電子機器メーカーは、既存の部品在庫を生かして技術的に先端的な新製品を次々と開発したが、価格競争に巻き込まれ、差別化製品を生み出し得ないでいる。
→×:電子機器メーカーは、様々な機能(動画機能、手ぶれ防止機能、省電力化、バッテリー強化など)で差別化をはかることに成功している。
(工) 電子機器メーカーの画像処理技術は、映像機器間での画質の狙い手軽なデジタル画像交換を売りにしていたため、一部の電子機器メーカーは高画質なデジタルカメラへの進出が遅れた。
→○:正しい。

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設問4

解答:ウ

(ア) 会社の組織規模が大きくなるにつれて、規則や手続きを設けて組織の管理の複雑性を小さくすることが試みられることが多い。
→○:正しい
(イ) 規模が拡大するにつれて、生産現場で働く従業員の数が増大し、これまで生産に携わっていた従業員のコミットメントや従業員への人間的配慮が弱くなる傾向がみられる。
→○:正しい。
(ウ) 規模の経済が実硯されると、その後の規模の拡大は生産の非効率を招くので、新規の設備投資は見送らなければならない。
→×:最適生産規模を超えると、規模の不経済が発生する。すなわち「新規の設備投資を行って規模の不経済を解消する」か、「生産量を減らす」などの対応を行い、規模の不経済を解消しなければならない。
(工) 最適生産規模を超えると、一般的に現有生産技術の生産性が低下し生産コストが上昇する。
→○:最適生産規模を超えると、規模の不経済が発生する。
(オ) 単一大規模設備に異なる技術を混在させると効率が低下することがあるので、新規技術は規模の経済を阻害することのない制御可能なものに限定されがちである。
→○:異なる技術を混在させると管理や作業手順が複雑になる。その結果、効率が低下することがあるので、新規技術は規模の経済を阻害することのない制御可能なものに限定されがちである。

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設問5

解答:イ

(ア) ある資源の供給が不足している状況で、その入手可能性をもつ企業は、強い交渉力やその資源を活用した競争優位を構築できる。
→○:「ある資源の供給が不足している状況」ではその入手可能性をもつ企業に頼らざるを得ないので、競争優位を構築することができる。
(イ) 企業に固有で外部調達が難しい情報的経営資源は有力な差別化要因であるが、近年ではインターネットを通じて容易にそのすべてを外部に移転したり、外部から入手できるようになったので、インターネット上での情報公開や電子メールの使用について社内ルールを厳しくすることが重要になっている。
→×:情報的経営資源とは、情報、知識、ノウハウなどの暗黙知的なものだと考えられる。こうしたものは、インターネットを通じて容易にすべてを外部に移転させることや、外部から人手することは困難である
(ウ) 顧客ニーズは、自社に独自な経営資源を分析するとともに、顧客の選好、競合品や代替財などの選択肢、関連財や補完財の供給などを考慮することによって充足される。
→○:正しい
(工) 時間をかけて形成され獲得される資源は、企業の競争優位の源泉になることが多いが、技術革新や市場の変化のスピードが速い場合は企業の戦略不適合のリスクを高める。
→○:「時間をかけて形成され獲得される資源」は模倣されにくいので、、企業の競争優位の源泉になることが多い。しかし技術革新や市場の変化のスピードが速い場合は時間をかけて形成した時には時代遅れになっている可能性もある。
(オ) 製品に用いられる特殊素材や独創的な生産方式など、物理的に複製困難な資源や重要な技術に関する特許をもつ企業に対抗するためには、代替的な技術や製品の開発が必要になる。
→○:正しい。特許をもつ企業に対抗するためには、代替的な技術や製品の開発が必要になる。

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設問6

解答:エ

(ア) 限られた市場規模の業界に圧倒的な規模の新鋭設備を建設し、市場を占有して市場の魅力を削ぐ。
→○:圧倒的な規模の新鋭設備を建設し、規模の経済を達成することで、新規企業の参入を防ぐことができる。
(イ) 競争優位の源泉となる生産工程をブラックボックス化し、コストと品質の強みを守る。
→○:コア業務をブラックボックス化し、コストと品質の強みを守ることで、競争優位を確立できる。
(ウ) 戦略的連携やM&Aによって、鍵となる技術や資源を保有する他社を自社の影響下に囲い込む。
→○:鍵となる技術や資源を保有する他社を戦略的連携やM&Aによって囲い込むことは重要な戦略の1つである。
(工) 低価格による競争力を武器に市場シェアを高めながら、高級ブランド・イメージを構築し、独自な市場地位を確立する。
→×:低価格で市場シェアを高める戦略は、高級ブランド・イメージを損なうので構築しにくい。
(オ) 特許申請や社内ノウハウの管理を厳重に行って自社技術の漏洩を防いで、他社の参入を阻止する。
→○:コア業務を特許申請や情報漏えいを防ぐことで守ることができる。

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設問7

解答:オ

経営計画に関する問題である。

【解答群】
(ア) 計画通りに物事が運ばない事態に直面すると、計画に見落としや情報不足があったと考え、前よりも精緻な分析に基づく計画を策定するという悪循環に陥ることが問題になってきた。
→○:経営企画スタッフだけで精密な分析を行っても現場と遊離している場合、計画倒れになってしまう可能性は高い。
(イ) 計画にない想定外の試みや新機軸が現場から創発する可能性を織り込んだ経営計画が策定されるようになった。
→○:分析の弱点を補強するためにも、計画にない想定外の試みや新機軸が現場から創発する可能性を織り込んだ経営計画が策定されるようになった。
(ウ) 計画にも増して実施段階から得られる知織を重視して、学習プロセスを介在させて、PDCサイクルを回すことが行われるようになった。
→○:事前の戦略や計画よりも、実施段階から得られる知織を重視して、学習プロセスを介在させて、PDCサイクルを回すことが行われるようになった
(工) 先端技術の展開や経済のグローバル化など、これまでとは異質な大きな環境変化が起こっており、そのため、予測や分析が困難な要因が計画に強く影響するようになった。
→○:技術動向の激しい変化やグローバル化など、これまでとは異質な大きな環境変化が起こっているので、予測や分析が難しくなり計画自体を策定しない企業もみられる。
(オ)

ビジョンや経営目標の共有が重要であるという理解が進展しており、それに基づいて戦略課題を現場に下ろし、成果主義で業頼管理を行うことが広く行われており、経営計画は効果を発揮できず、無視されるようになってきた。
→×:「戦略課題を現場に下ろす」のは困難である。戦略課題を考えるのは経営者側で行なうべきである。また経営計画は現在でも立案されており、経営計画が無視されるようにはなっていない。

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設問8

解答:設問1:ア 設問2:イ 設問3:オ

(設問1)
(ア) ある産業において同業の中小企業が特定地域に集積するほど、同業者間の競争が緩和するとともに、中小企業の技術や経営力が強くなる。
→×:ある産業において同業の中小企業が特定地域に集積するほど、同業者間の競争が激しくなる。その結果、中小企業の技術や経営力が強くなる。

産業集積のメリットについては、中小企業庁の集積によるメリットの変化を参照

(設問2)
(イ) 進出企業の注文を受けると、地場の同業者の信頼を失い、地場の金融機関の支援も受けられなくなるから。
→×:進出した大企業の注文を受けることで、資金面、人材面、品質面において大企業の発注に応えることができる会社という評価が定まる。その結果、地場の同業者などの信頼も高まり、金融機関からの支援も受けやすくなる。
(設問3)
(オ) 他地域からのサポーティング企業の新規立地によって、新規進出企業に対する受注競争が緩和されて地場の中小企業は好業績になる。
→×:大企業が進出するにあたり、他地域からのサポーティング企業も同時に進出することが多々ある。その結果、他地域からのサポーティング企業と地場企業の受注競争は激しくなる。

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設問9

解答:エ

(ア) あらかじめ決められた規則やルーティンが多いほど、中間管理者の権力は大きくなる傾向にある。
→×:「あらかじめ決められた規則やルーティンが多い」ということは作業が定型化されているということである。定型化されているので、管理者の能力に左右されることが少ないので中間管理者の権力は小さくなる傾向にある。
(イ) その部門の職務が企業全体の重要な課題に対して関係が深いほど、中間管理者の権限は強くなるが、権力は少なくなる。
→×:その部門の職務が企業全体の重要な課題に対して関係が深いほど、中間管理者の権限は強くなる。また権力も大きくなる。
(ウ) 中間管理者が管理する部門の職務の多様性が高いほど権力を行使する機会は多くなるが、職務の柔軟性が高くなると権力は失われる傾向にある。
→×:「中間管理者が管理する部門の職務の多様性が高い」ということは作業が定型化されていないと考えられる。定型化されていないので、管理者の能力に左右されることが多くなる。その結果、権力を行使する機会が多くなり、かつ権力が維持される傾向にある。
(工) 他の部門や、より上位の管理者に対する影響力が大きいほど、自部門内での権力も強くなる。
→○:正しい。
(オ) 問題解決活動への従業員参加の程度が高いほど、中間管理者の権力は大きくなるが、それを行使する機会は減少する。
→×:「問題解決活動への従業員参加の程度が高い」と、従業員は常に問題意識を持っているので管理者は従業員の主張も取り入れながら問題解決することになる。その結果、中間管理職の権力は小さくなる。

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設問10

解答:ア

組織形態に関する問題である。

(ア) 既存事業とのシナジー効果が大きい関連事業を買収した場合には、集権的で強力な本社機構をもつ事業部制組織構造の採用を検討すべきである。
→○:事業部別組織性とは、事業部とよばれる管理単位を本社のトップマネジメントに編成した組織形態である。事業部別組織は、セクショナリズム(集団・組織内部の各部署が互いに協力し合うことなく、自分たちが保持する権限や利害にこだわり、外部からの干渉を排除しようとする排他的傾向のこと)が発生することが多いので、集権的で強力な本社機構を持つ必要がある。
(イ) 集権的機能別部門組織をとっている企業が、非関連事業への多角化を進める場合には、マトリックス組織構造の採用を検討すべきである。
→×:企業が、非関連事業への多角化を進める場合には、集権的機能別部門組織で管理することが困難になる。よって各事業部毎に権限を委譲し、事業部長に迅速な意思決定させるべきであるので事業部制組織を採用するのが望ましい
(ウ) 比較的少数の製品を扱う多国籍企業が、規模の経済性をより追求していく場合には、グローバル・マトリックス構造の採用を検討すべきである。
→×:グローバル・マトリックス構造は範囲の経済性(異なる複数の事業の共有可能なコストを一元化することにより、企業全体の経営の効率化を図ること)を追求するものであり、規模の経済性(規模の経済)を追及するものではない。
(工) 流通など単一機能に特化している企業が、垂直統合戦略をとるならば、事業部制組織構造の採用を検討すべきである。
→×:垂直統合とは、川上(自社の仕入先)、あるいは川下(販売先)の企業を吸収・合併することにより、業務の範囲を広げ、経営の効率化を目指すものである。事業部別組織構造とは結びつかない
(オ) 流通など単一機能に特化している企業が水平統合戦略をとるならば、マトリックス組織構造の採用を検討すべきである。
→×:水平統合とは、現在の事業ドメインで担っている役割と同じ役割を他の事業ドメインで行っている企業を統合し、規模の経済性を目指すものである。マトリックス組織構造とは結びつかない

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