競争戦略
競争戦略とは、 アメリカの経済学者であるマイケル・ポーターによると次のように定義されています。
自社の事業を業界の環境に適応させ、あるいは、自社に有利になるように業界の環境を整えること
ファイブ・フォースモデル
業界の環境を分析するためのツールとしてファイル・フォース・モデルがある。
競争要因 | 内容 |
既存業者間の敵対関係 | ある業界に既に参入している企業同士の競争関係のことである。 同業他社間の競争が激しければ、価格、研究開発、広告などの面で競争が繰り広げられ、自社の収益が減少する可能性がある。 |
新規参入企業の脅威 | ある業界に新しく参入しようとする企業が存在し、既存業者からシェアを奪い取ろうとした場合、競争が激しくなり、自社の収益が減少する可能性がある。 |
代替品の脅威 | 代替品が存在する場合、代替品が自社製品の価格を抑えるので、自社の収益が抑制される可能性がある。 ※代替品とはある製品と同じ機能を持つ製品のことであり、その製品を保有することにより従来の製品が不要になる製品のことである。 |
売り手(供給業者)の交渉力 | 供給業者に自社を上回る交渉力があれば、供給コストがかさむ可能性があります |
買い手(顧客)の交渉力 | 顧客に自社を上回る交渉力があれば、顧客はその交渉力を行使して、自社の利益率を抑えようとする可能性があります |
過去問題 |
参入障壁
参入障壁とは、ある業界に新規参入しようとする会社にとって、参入を妨げる障害のことである。新規参入企業に対する参入障壁には、次のものがある。
- 規模の経済
- 生産規模の拡大に伴ってコストが下がり、効率が上昇すること。スケール-メリット。
規模の経済性の働く業界では、新規参入企業は、既存参入企業に対抗する為に、コストダウンが必要になる。 - 製品差別化
- 存参入企業のプロモーション活動により、その企業のブランドや製品が顧客に確固たるイメージを形成している場合、新規参入企業はそれを上回る広告宣伝が必要になる。
- 巨額の投資
- 参入の際に、研究開発や設備投資などのリスクの高い巨額の投資が必要になる。
- 流通チャネル
- 流通チャネルとは、問屋や運輸機関のほか、取引チャネルとしての流通業者、卸売業者、小売業者のことであり、既存参入企業が流通チャネルに確固たる統制を行っている場合、新規参入企業が参入する際に、多大なコストを要したり、新たな流通チャネルを設ける必要がある
- 独占的な製品技術
- 既存参入企業が、特許などにより独占状態にある場合には、規模とは無関係にコスト面で不利になる
- 経験曲線
- コストダウンの為に、累積生産量を確保しなければならない場合には、規模の経済性と同様に新規参入企業には不利となる
- 政府の政策
- 政府が許認可制度などによる参入制限を実施している場合
過去問題 |