設問1
経営計画が有効であるための前提条件として、最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
経営計画策定は本社の企画スタッフが担当するので、それ以外の部署は関与すべきではない。 |
(イ) |
経営計画の責任はトップが負うが、策定プロセスでは企画スタッフを中心にして 関連部署が参加する。 |
(ウ) |
経営計画は全社的な戦略デザインであり、具体的な実行プログラムを含む必要はない。 |
(工) |
経営目標は全て数値化されなければならない。 |
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設問2
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
A 社は安定した雇用を維持してきた業界大手の歴史の古い製造企業である。売上げはわずかながら毎年伸びており、黒字経営を続けている。しかし、ライバル企業に比べて売上げの伸び率は小さく、市場地位、利益率ともにジリ貧を続けている。それにもかかわらず社内の危機意識は希薄である。このような現状を打破するために、新任の社長は経営の刷新にとりかかった。まず消費者のニーズと自社製品のギャップを営業部門に調査させ、研究開発部門には営業部門とよく話し合って、そのギャップを埋めることができるような新製品を開発するように命じた。
ところが、ふたつの部門の話し合いは不調であった。この企業では業界トップの技術力をもつ研究開発部門の発言力が強く、営業部門は開発された製品を売るだけの組織でしかなかったので、両部門が対等に共同で意思決定することはありえなかったのである。話し合いは互いの意見の違いを浮き立たせるばかりで、対立は激化していった。
(設問1)
社内の危機意識の希薄さを打破するために、新任社長がとりえる適切な方策としてどのようなものが考えられるか。最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)信賞必罰の明確な成果主義的な人事評価を導入して、人件費の思い切った削減を図る。
(b)先端科学分野への基礎研究や大型設備投資などの将来投資を増やして、収益力を回復させる。
(c)組織のフラット化を推進して、トップと現場との意思疎通の機動性を高める。
(d)採算ラインを下回ってでも、製品価格を下げたり、販売促進費用をかけたりして、売上げの増進を図る。
(e)これまでの伝統的慣習や社是を見直し、現在の事業活動に根差した新しいビジョンを提案し、その浸透を図る。
【解答群】
(ア) |
aとc |
(イ) |
aとe |
(ウ) |
bとc |
(工) |
bとd |
(オ) |
cとe |
(設問2)
研究開発部門と営業部門の対立を解消して、共同の意思決定を導くために新任社長がとるべき行動として最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
営業部門の弱い立場を補強するために、その部門長の地位を研究開発部門長と同格にする。 |
(イ) |
共通の目標を新しく設定して、その目標に沿った結論に到達できるように部門間協議を指導する。 |
(ウ) |
研究開発部門が優位である現実を尊重して、営業部門の主張を抑える。 |
(工) |
部門間の対立を理由にふたつの部門の責任者を更迭する。 |
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設問3
戦略計画は1980年代に入ると、多くの企業で見直しがなされ、重要性が薄らいできたといわれる。その原因には戦略計画に内在する問題点や企業の戦略行動の変化が考えられる。次に示す項目はそれらを列挙したものである。最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) |
事業の再構築を急速に進める必要が出てきたが、不確実性が深まり、戦略計画の基になる予測があてにならなくなった。 |
(b) |
計画策定の方法が複雑化し、分析も精緻化したが、分厚くなった戦略計画書には将来の戦略を見通す洞察が不十分であった。 |
(c) |
戦略計画よりも戦略シナリオを描くことが有効であることが判明した。 |
(d) |
産業の成長が鈍化し、企画スタッフ部門が縮小、廃止され有効な戦略計画が策定できなくなった。 |
【解答群】
(ア) |
aとb |
(イ) |
aとc |
(ウ) |
bとc |
(工) |
bとd |
(オ) |
cとd |
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設問4
生産量とコストの関係について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
a〜d の文章の中で、規模の経済に関連したものとして最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) |
生産設備の能率を向上させるように作業を改善する。 |
(b) |
平均費用が最小となる生産規模を考慮しながら操業度を上げてゆく。 |
(c) |
生産の累積数量を素早く増大させて単位コストを下げる。 |
(d) |
技術進歩によるコスト・カーブのシフトが生産規模に影響を与える。 |
【解答群】
(ア) |
aとb |
(イ) |
aとc |
(ウ) |
bとc |
(工) |
bとd |
(オ) |
cとd |
(設問2)
規模の経済性をもたらす生産効果として、原材料の投入量の伸び率に比べて製品の出荷量の伸び率が増大することが知られている。このような生産効果は一般にどのように呼ばれているか。最も適切なものを選べ。
【解答群】
(ア) |
過剰生産 |
(イ) |
技術進歩 |
(ウ) |
最適操業度 |
(工) |
収穫逓増 |
(オ) |
労働生産性 |
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設問5
多様な事業部門を抱える企業では、自社の事業領域を業界でNo. 1 またはNo. 2に
なれるものに絞り込み、そうでないものは売却して、その資金で将来発展可能性が高い事業領域を買収して事業を再構築することが成長戦略には有効であると考えられている。次に示すa〜d の文章の中で、シェア至上主義ともいうべきこのような戦略を支えると思われる論理として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) |
シェアの増大は経験曲線効果によって抑制される。 |
(b) |
シェアの増大と投資収益率は相関する。 |
(c) |
シェアを伸ばすためのコストは市場が成熟すると高くなる。 |
(d) |
シェアの伸び率は、市場の成長率に比例する。 |
【解答群】
(ア) |
aとb |
(イ) |
aとd |
(ウ) |
bとc |
(工) |
bとd |
(オ) |
cとd |
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設問6
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
これまで企業は @成長戦略の一環として多角化を行うことが多かった。しかし、もとはといえば多角化は経営資源を最適に配分する手段であり、事業領域をダイナミックに組み替えて、戦略行動の機動力を高める狙いが含まれている。これを事業領域ごとに経営資源の集中と分散の論理のあり方を明確にしたのがAPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)である。ところが近年では、長引く不況や、経済のグローバル化、成長分野の減少などのため、多角化よりもB経営資源を特定分野に集中させる企業が多くなった。
(設問1)
文中の下線部@で、企業が成長戦略として多角化を選択する理由は多様であるが、 多角化の際に通常考慮されない理由はどれか。
【解答群】
(ア) |
既存の製品市場分野の成長率が鈍化してきたので |
(イ) |
社内に抱える未利用の経営資源を有効に活用するために |
(ウ) |
新規投資を抑制して収益性の回復を図るために |
(工) |
ライバル企業が新規分野に進出したので、その対抗策として |
(設問2)
文中の下線部AのPPM の説明として、最も不適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) |
事業単位は独自な使命と市場に基づいて識別され、戦略課題が明確化される。 |
(b) |
各事業単位はその市場シェアに基づいて、横軸に沿って原点から右方向に配置される。 |
(c) |
それぞれの事業単位にはライフサイクル上の位置が想定されている。 |
(d) |
最大のキャッシュフローは最も成長力の高いセグメントにおいてトップシェアを占めている事業から生み出される。 |
(e) |
PPM は分析的な方法であるが、新事業の探査機会が不足している。 |
【解答群】
(ア) |
aとb |
(イ) |
aとc |
(ウ) |
bとd |
(工) |
cとe |
(オ) |
dとe |
(設問3)
文中の下線部Bの代表的なものはリストラクチャリングである。次の中で、そのようなリストラクチャリングとして最も不適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
資産の効率的運用を図るために減損会計を実施する。 |
(イ) |
生産効率のよい工場に生産機能を集約し、採算の悪い工場からの撤退を図る。 |
(ウ) |
取引先と共同開発して、部品の点数を減らしたり品質の向上を図りながら外注コストを下げる。 |
(工) |
労働生産性を高めるために、多能工化を進める。 |
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設問7
多様化した事業分野を自律的な単位として再編し、組織の活性化を図るための組織戦略として、事業部制や部門の子会社化などが採用されることがこれまで多かった。
近年新しい試みとして注目を集めているものにカンパニー制がある。
わが国の事業部制やカンパニー制の特徴の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) |
カンパニー制の実態は、市場別や事業分野別のインベストメント・センターを編成単位とする組織であり、米国の事業部制とあまり大きな差はない。 |
(b) |
事業部の多くは製品市場別に設けられたプロフィット・センターとして機能しており、本社からの自立性はカンパニー制よりも強く、セクショナリズムの温床になりやすい。 |
(c) |
カンパニー制ではコーポレート・ガバナンスが不安定になりやすいので、本社の統制機能を強化する必要がある。 |
(d) |
いずれの場合も事業分野を細分化して市場の不確実性に対応しようとすれば、組織単位は小さくなりすぎて、企業競争力は弱体化しやすい。 |
(e) |
カンパニー制では執行役員がカンパニーを運営しながら全社的な戦略決定を担当している。 |
【解答群】
(ア) |
aとb |
(イ) |
aとd |
(ウ) |
bとc |
(工) |
bとe |
(オ) |
cとe |
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設問8
グローバルに@原材料や部品を調達したり、生産を委託できれば、固定費や投資を節約したり、国内に工場がなくても安価に製品の供給ができる。その際にネックになる取引情報の時間や空間の壁も、現在ではインターネットによってかなり克服できるようになった。その結果、 【 A 】 がグローバル・スケールで誕生したり、製品の価格競争力を武器に市場シェアを拡大する企業もみられるようになった。デフレ傾向が強い国内市場で、一部のファーストフードやカジュアルウェアなどに比較的強い【
B 】 がみられることから、グローバルな視野でアウトソーシングを活かした【 C 】 を確立することが有効である。
加工組立型産業では部品の世界最適調達が進展して、 【 D 】が崩れつつあり、下請企業の淘汰が進展している。親企業は組立ラインを人件費の安い東アジアに移して価格の国際競争力を維持することに熱心である。その結果、製品のコスト構造をみると組立工程が低コストで、その前工程の中間製品の生産や調達、後工程の流通システムが高コストになるという【 E 】 があらわれている。
情報技術とロジスティクスを駆使して、ネットワーク型の部品供給網や販売網を構築し運営するという【 F 】 が様々な産業分野で重要になっている。このことは中小企業にもいえる。A自らがネットワークの中心的地位を確立したり、有力なネットワークのメンバーとして広範囲に連携関係を構築する努力が必要である。しかし、そのためには自社固有の内面化された技術力や経営ノウハウなどの【 G 】 を強化しながら、競争優位を確立することが重要である。
(設問1)
文中の空欄A〜Gに最も適切なものをそれぞれの解答群から選べ。
【空欄Aの解答群】
(ア) |
企業集団 |
(イ) |
総合商社 |
(ウ) |
ファブレス企業 |
(工) |
持株会社 |
【空欄Bの解答群】
(ア) |
高級品志向 |
(イ) |
需要の価格弾力性 |
(ウ) |
衝動買い |
(工) |
選好異質性 |
【空欄Cの解答群】
(ア) |
海外市場開拓戦略 |
(イ) |
コスト・リーダーシップ戦略 |
(ウ) |
特許戦略 |
(工) |
ブランド戦略 |
【空欄Dの解答群】
(ア) |
組立ライン |
(イ) |
系列システム |
(ウ) |
国際ロジスティクス |
(工) |
流通システム |
【空欄Eの解答群】
(ア) |
S字カーブ |
(イ) |
スマイル曲線 |
(ウ) |
逓減曲線 |
(工) |
無差別曲線 |
【空欄Fの解答群】
(ア) |
在庫管理 |
(イ) |
サプライチェーン・マネジメント |
(ウ) |
自動倉庫化 |
(工) |
配送システム |
【空欄Gの解答群】
(ア) |
コア・コンピタンス |
(イ) |
研究開発力 |
(ウ) |
人的資源 |
(工) |
デファクト・スタンダード |
(設問2)
文中の下線部@のようなアウトソーシングは文中に説明されるようなメリットがあるが、同時にその反面ではデメリットもある。デメリットの説明として最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
多くの納入業者との関係を調整するコストが発生する。 |
(イ) |
自社の競争優位を形成しているブランド力が失われる。 |
(ウ) |
納入業者間の価格競争のため安定した調達が難しくなる。 |
(工) |
納入業者も発注業者もイノベーションが起こりにくくなる。 |
(設問3)
文中の下線部Aのようなネットワークの特性の説明として最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
ネットワークは価値観を共有する企業が自主的に参加する連携関係である。 |
(イ) |
ネットワークは参加企業が強固に統合しあった運命共同体的な企業集団である。 |
(ウ) |
ネットワークは中核となる企業を中心にして、子会社や関連企業が緊密に連携しあった強い絆の組織である。 |
(工) |
ネットワークは盟主である大企業に依存する中小企業の集団である。 |
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設問9
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
企業が外部環境で直面するのはライバル企業だけではない。企業は原材料や経営資源を調達し、それを製品に加工し、完成した製品を市場に供給するまでの@すべてのプ
ロセスで様々な影響要因にさらされている。企業が戦略的に適応を図らなければならないのは、こうしたすべての環境要因についてである。
したがって、注意しなければならないことは、現在の事業活動の中で対応を迫られる要因だけに目を奪われて戦略を策定すると、A近視眼的な戦略に陥りやすいことで
ある。特にドメインを製品のモノとしての側面に注目しすぎて設定すると、顧客が製品に求めるニーズの意味を理解できなくなり、ドメインは膨らみをもたないものになりやすい。そればかりではなく、B既存の技術を破壊するような新しい技術が登場したとき、その製品は一挙に市場を失うことになる。
(設問1)
文中の下線部@で指摘される環境要因のひとつとして、新規参入によって市場が奪われる脅威がある。それへの対処方法として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) |
売上高を維持するために、急成長している販売チェーンに加盟する。 |
(b) |
商品の品質やイメージを強化し、リピート購買率を上げる。 |
(c) |
供給業者と良好な関係を維持して、原材料や部品の安定した調達を図る。 |
(d) |
コストダウンを図り、他社が追随できないような価格競争を展開する。 |
【解答群】
(ア) |
aとb |
(イ) |
aとc |
(ウ) |
bとc |
(工) |
bとd |
(オ) |
cとd |
(設問2)
文中の下線部Aで指摘される近視眼的な戦略にあてはまるものとして最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
わが社は、あらゆる仕様に応えるLSI 向け高精度金属部品の微細加工会社である。 |
(イ) |
わが社は、業界屈指のハイテク設備でサービスの無人化・自動化を誇る都市型ホテルである。 |
(ウ) |
わが社は、情報通信機器の生産販売を通じて顧客の業務ソリューションに奉仕する会社である。 |
(工) |
わが社は、熱器具メーカーとして顧客に熱交換の技術コンサルテーションを提供する会社である。 |
(設問3)
文中の下線部Bのように、破壊的な技術革新に既存の企業がうまく対応できないことを、イノベーション・ジレンマと呼ぶ。このことが発生する理由として最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
既存技術がもたらす市場は十分に大きく、そこへ投入した努力を捨て去りにくいから。 |
(イ) |
新規技術分野の技術的蓄積も人材も不足しているので参入できないから。 |
(ウ) |
破壊的イノベーションははなばなしく登場して、短期の間に既存技術を駆逐してしまうから。 |
(工) |
破壊的イノベーションを起こすような新規技術は金食い虫であり、研究開発余力がないから。 |
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設問10
組織におけるコミュニケーションは、情報・意思の交流によって相互の理解を得る活動である。その目的は、組織の方針を構成員に周知させること、構成員の希望や不満を聞いて組織の実行手段をこれに即応させること、組織内の人間関係を円滑にして伝達を容易にすることなど、多岐にわたる。
このような目的を効果的に達成していくためには、コミュニケーションの方法に関連して、情報・意思の表現が明確で理解されやすいこと、中継経路が多すぎないこと、また、 【 A 】 、到達点、経路、手段、内容、地域、時刻などの過程が明確なことなどが必要であるといわれている。
しかし、コミュニケーションには限界があり、その限界によって、 【 B 】 の大きさに限界が生じるものと考えられている。
(設問1)
文中の下線部に関連して、文中に例示したもの以外のコミュニケーションの目的として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
構成員相互の競争を促進する。 |
(イ) |
構成員のモラールを高め、創意・工夫の意欲を起こさせる。 |
(ウ) |
職場内外に協調心を起こさせ、セクショナリズムの発生を防ぐ。 |
(工) |
組織内部署間の事情の相違を理解させる。 |
(設問2)
文中の空欄 【 A 】に最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
根拠となる社内規則 |
(イ) |
最終評価 |
(ウ) |
情報源 |
(工) |
予算 |
(設問3)
文中の空欄【 B 】 に最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア) |
責任 |
(イ) |
組織目的 |
(ウ) |
単位組織 |
(工) |
伝達手段 |
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