平成17年度1次試験問題:企業経営理論
設問31
受発注業務や物流業務を行うに際しては、新しい考え方や技術が用いられてきている。このことに関して、最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) CRP(Continuous Replenishment Program)では、補充発注は顧客企業側が行う。 (イ) サードパーティ・ロジスティクスは、荷主や荷受人と物流業者が共同して行う物流である。 (ウ) サプライチェーン・マネジメントでは、各企業内という視点で最適化が図られる。 (工) モーダルシフトとは、トラックから鉄道や内航海運への移行を意味している。
設問32
メーカーは一度確立したブランドを別の新しい製品群に利用することがある。これは、ブランド拡張と呼ばれている。このことについて最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 消費者が既存ブランドに対して信頼感をもっているので、トライアルを獲得しやすい。 (イ) 消費者が既存ブランドのイメージをもっているので、別の新しい製品群の位置づけを容易にできる。 (ウ) 新製品が消費者の期待以下の場合には、既存の製品群にも悪影響がでる。 (工) 新ブランドをゼロから立ち上げるよりも、コストを低く抑えられる。 (オ) 製品群を増やすと、既存ブランドの持っていた位置づけがより明確になる。
設問33
商品を購買行動から3分類して、最寄品、買回品、専門品とした場合、それぞれについての説明として最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 買回品は購買においてブランドが事前に決定される。 (イ) 買回品は同種の商品の販売店が近接することがある。 (ウ) 専門品は購買についての努力をいとわない。 (工) 専門品は購買頻度が低い。 (オ) 最寄品は最小限の努力で購買しようとする。
設問34
ラジオ広告は、マス媒体の一つとされている。媒体別の広告費の調査によると、インターネット広告のほうがラジオ広告よりも広告費が上回ったといわれているが、いまだに重要な媒体の一つであるラジオ広告について、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 一過性であるため、メッセージ生命は短い。 (イ) 時間帯などによりターゲットを限定しやすい。 (ウ) ドライバーが聴取するので自動車関連広告に適している。 (工) 番組と連動したキャンペーンなど広告主の要望を取り込みやすい。 (オ) パーソナル媒体であるので広告効果を測定しやすい。
設問35
広告を種類分けすることには、いろいろな視点が用いられてきている。広告の種類のうちの一つである企業広告について、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 新しいマークの採用などCI活動の一環として利用される。 (イ) 企業イメージの形成や向上を目的としている。 (ウ) 経営理念や新事業の告知として利用される。 (工) ビジネスの一環として商品・サービスを購買する主体を訴求対象としている。 (オ) 文化芸術活動への支援などメセナ活動への取り組みを訴求する。
設問36
企業は、市場全体を一括してマーケテイングを行うこともあるが、通常は市場を小さなセグメントに分剖して、そのセグメントごとに欲求を満たすことが行われる。この市場細分化について、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 細分化することによって、製品の種類が増えるので、それに応じてコストがかかる。 (イ) 細分化することによって、それぞれのセグメントのニーズに応じた対応が必要である。 (ウ) セグメントごとに、適切なマーケテイング・ミックスを形成する必要がある。 (工) セグメント内部では、あるマーケテイング活動に対して反応の差が大きい方がよい。 (オ) それぞれのセグメントは、ある一定の市場規模が必要である。
設問37
現在の日本においては、さまざまな商品が自動販売機で販売されている。多品種の商品を高機能の機械が扱っている。自動販売機が日本で普及してきた理由について、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 屋外に設置しても、盗難などのトラブルが比較的少ないから。 (イ) 自動販売機それ自体が宣伝媒体となり、商品販売に貢献するから。 (ウ) 自動販売機メーカーが、自社の負担で自動販売機を小売店に提供したから。 (工) 手近な場所で、時間にかかわらず商品を購入でき、そのことを消費者が求めてきたから。
設問38
メーカーが流通チャネルのメンバーの数をどういう方針で決定するかには、3つの方法があり、開放的チャネル政策、専属的チャネル政策、選択的チャネル政策がある。このうち、選択的チャネル政策について、最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 競争企業の製品の取り扱いをさせない。 (イ) 自社の製品をどこでも買ってもらえるようにする。 (ウ) 市場カバレッジは広いが、チャネルコントロールカが低い。 (工) 新規事業で流通業者を探しているときに採用される。 (オ) メーカーと流通業者の間で強い結びつきが必要である。
設問39
消費者行動を規定する要因には多々あるが、その中の心理的要因に関して、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 関与とは、特定状況下における刺激によって想起された、個人的な重要性ないしは関心に対する知覚水準のことである。 (イ) 選択的注意とは、自分の信念を裏付けてくれるような情報は覚えている傾向にあることを指している。 (ウ) 知覚とは、人が与えられた情報を選別し、編成し、解釈し、そこから意味のある世界観を形成するプロセスのことである。 (工) 動機とは、人間をある行動に駆り立てる原動力である。 (オ) ライフスタイルとは、個人が所属する集団の諸要因を反映した生活パターンである。
設問40
消費者向けプロモーションの一つとして、スタンプ、ポイントを利用したものがある。これに関して、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 商店街組織のスタンプ事業で、消費者がスタンプを現金に交換するときの金額は、商店街組織が小売店などに販売したスタンプ金額と同一にすることが定石である。 (イ) スタンプの押印によるポイント制では、住所・氏名などを記入してもらう場合は、スタンプの台紙の配布時よりも特典交換時の方が効果的である。 (ウ) 台紙にスタンプを押印したり、スタンプを貼ることによって、達成感をもたらすことができる。 (工) 電子的にポイントを管理すると、顧客の購買履歴を得ることが容易となる。 (オ) ポイントを特典に交換するのに足りない場合に、ポイントそのものを販売することがある。