平成21年度1次試験問題:経営情報システム
設問21
ある企業ではインターネットを通じて商品販売をしている。そのデータ処理の信頼性を高めるために、データ同期レプリケーションでゼロデータロスを実現したい。この実現形態として最も適切なものはどれか。
【解答郡】
(ア) |
RAID 0のミラーリングでデータ同期レプリケーションを実現する。 |
(イ) |
複数のハードディスクに対して相互に書き込み完了を確認し合う形態によって、データ書き込みを完全二重化する。 |
(ウ) |
マスターシステムの更新完了後に、予備システムにデータを転送して更新させる形態のデータ同期レプリケーションにする。 |
(エ) |
マスターシステムのハードディスクへの書き込みに失敗した場合にも、予備システムで処理を継続できるようにする。 |
解答を確認する
設問22
ある企業では、新規事業のための情報システムを新たに開発することとした。そのシステムの開発投資の評価方法に関して関係者が集まり、議論が行われた。その議論の一端を下記に示す。文中の空欄【 A 】〜【 C 】に入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
X氏 |
: |
「今回のシステムの目的は、どちらかというと、業務処理にかかわるコスト削減というよりも、売り上げの増大を目指すシステムだよね。資本回収期間法などの一般の設備投資に用いられるような方法よりは、システムが持っている機能が何個あるかを【 A 】として数えて、複数のシステム開発会社から出てきた見積もりをその【 A 】で割って、その値で評価する方法はどうだろうね。」 |
Y氏 |
: |
「しかし、その方法では、コストは評価できるけれど、システムの導入によって得られる価値は評価できないよね。とにかく皆で複数の評価基準を作って、それらの評価基準について、関係者が点数を付けて、その結果を見ながら皆で議論する【 B 】という方法を採用してみてはどうかな。」 |
Z氏 |
: |
「経営的な視点で情報システムの有効性を評価する方法として【 C 】があるよ。つまり、情報システムを財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点からみるんだ。」 |
【解答郡】
(ア) |
【A】:TCO |
【B】:ファンクションポイント |
【C】:バランストスコアカード |
(イ) |
【A】:TCO |
【B】:ファンクションポイント |
【C】:ポートフォリオ分析 |
(ウ) |
【A】:ファンクションポイント |
【B】:TCO |
【C】:ポートフォリオ分析 |
(エ) |
【A】:ファンクションポイント |
【B】:スコアリングモデル |
【C】:バランストスコアカード |
解答を確認する
設問23
ITと環境問題との関連性が、近年、にわかに注目されるようになった。これに関する記述として最も適切なものはどれか。
【解答郡】
(ア) |
グリーンITの取り組みには、ITを利用することで産業構造を変革し、資源エネルギーを効率よく活用する仕組みを作るアプローチだけでなく、IT機器そのものの消費電力を削減するアプローチも含まれる。 |
(イ) |
グリーンITの取り組みの1つとしてIT機器の3Rがあるが、事業所の使用済みPCの回収・再資源化を希望する法人は、パソコン3R推進センターに回収を依頼する。 |
(ウ) |
経済産業省の広報資料によれば、2025年には2006年に比べて、取扱情報量は2,000倍になり、国内IT機器の消費量は12倍になるとされている。 |
(エ) |
経済産業省は、環境保護と経済成長を両立させるために「グリーンITイニシアティブ」を提唱し、2008年1月に産官学のパートナーシップによる「グリーングリッド」を設立した。 |
解答を確認する
設問24
ある地域の不動産価格をその床面積で説明する単回帰モデルを作成して計算したところ、次のような結果になった。
|
平方和 |
自由度 |
平均平方 |
回帰 |
378023 |
1 |
378023 |
残差 |
634400 |
35 |
18126 |
全体 |
1012423 |
36 |
|
|
非標準化係数 |
標準誤差 |
標準化係数 |
(定数) |
453 |
90.8 |
|
床面積 |
0.343 |
0.075 |
0.611 |
この分析結果から明らかになることの説明として最も適切なものはどれか。
【解答郡】
(ア) |
F値は2.0程度である。 |
(イ) |
使用データ数は36である。 |
(ウ) |
定数項の標準化係数は5程度である。 |
(エ) |
床面積のt値は4.6程度である。 |
解答を確認する
設問25
建設業工事受注の県別1企業当たり発注元数を、元請工事と下請工事に分け、A県とB県で比較するクロス表を作成したところ表1のようになった。この表1に基づいて、工事契約の種類と県の違いが相互に独立であると仮定した場合の期待度数を計算すると、表2のようになった。
表1 発注元数
|
A県 |
B県 |
合計 |
元請工事 |
8 |
9 |
17 |
下請工事 |
7 |
6 |
13 |
合計 |
15 |
15 |
30 |
表2 期待度数
|
A県 |
B県 |
合計 |
元請工事 |
8.5 |
8.5 |
17 |
下請工事 |
6.5 |
6.5 |
13 |
合計 |
15 |
15 |
30 |
y |
= |
30×(8×6-7×9)2 |
17×13×15×15 |
z |
= |
(8-8.5)2 |
+ |
(7-6.5)2 |
+ |
(9-8.5)2 |
+ |
(6-6.5)2 |
8.5 |
6.5 |
8.5 |
6.5 |
これらの計算式とχ2分布表を使って独立性検定を行った。
以下の記述のうち最も適切なものはどれか。
【解答郡】
(ア) |
yとzの値は、理論上同じ値となる。 |
(イ) |
yの計算は平均値の検定の計算である。 |
(ウ) |
zの計算は平均値の検定の計算である。 |
(エ) |
正規分布を使う比率の差の検定では、独立性検定と異なる結果になる。 |
解答を確認する