平成21年度1次試験問題:経営情報システム
設問11
業務処理に用いるコンピュータシステムでは、負荷分散、信頼性向上、障害対策などに注意を払う必要がある。コンピュータシステム構成方法に関する、次の文中の空欄【 A 】〜【 D 】に入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
信頼性を上げるために2系統のシステムを用意し、処理を並列に行わせて一定時間ごとに処理結果の照合を行い、機器故障時は故障した装置を切り離して処理を続行する仕組みを【 A 】という。
一方、複数の演算処理装置を設置するものの【 B 】は共有して利用する方法で処理効率を向上させる仕組みを【 C 】という。この仕組みも、一部の演算処理装置に故障が発生した場合に処理の続行が可能である。
コンピュータシステム運用の際、故障が発生しても処理を中断することなく機能を維持しようとするシステム構成方法を【 D 】という。
【解答郡】 (ア) 【A】:タンデムシステム 【B】:レジスタや外部記憶装置 【C】:デュプレックスシステム 【D】:フールプルーフ (イ) 【A】:デュアルシステム 【B】:主記憶装置や外部記憶装置 【C】:マルチプロセッサシステム 【D】:フェールソフト (ウ) 【A】:デュプレックスシステム 【B】:主記憶装置やキャッシュ 【C】:タンデムシステム 【D】:フェールセーフ (エ) 【A】:ロードシェアシステム 【B】:レジスタや制御装置 【C】:デュアルシステム 【D】:フェールセーフ
設問12
業務においてRFIDの利用を考慮する必要性が増しているが、このRFIDの利用に関する記述の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a | ICタグは製造時にあらかじめ書き込んだデータを、使用時に非接触の状態で読み取り利用するもので、流通段階で発生する管理情報を追加記録することはできない。 | |
b | ICタグが付いた複数の商品がかごに入っている場合も、商品を1つずつ取り出すことなく、複数ICタグの情報を一括して認識できる。 | |
c | ICタグに納められるデータ量は数メガバイトであるので、付与する商品の区別のためにEPCなどの識別コードや製造・流通段階の各種管理情報を納めることができる。 | |
d | RFIDとバーコードなどの既存の仕組みを共存させることも必要で、その際はJANコードとEPCコードというように複数コードの同時管理が必要となる。 |
【解答郡】 (ア) aとb (イ) aとd (ウ) bとc (エ) bとd
設問13
三次元CADによる製品設計、そのデータを利用したデジタルマニュファクチャリングが大企業において実用段階に入っていることから、中小企業もそれらに対応していくことが求められるようになってきた。機械系産業におけるCADのデータの取り扱いに関する記述として最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) CADのデータ標準は確立しているので、どのようなCADシステムを使っても他のCADシステムとのデータ交換は問題なくできる。 (イ) IGES(Initial Graphics Exchange Specification)とは、異なるCADシステム間でのデータ伝達の標準を確立すべく、1980年に日本の大企業が中心となり策定したCADシステム間の標準インターフェイス仕様である。 (ウ) 送り手と受け手が同一のCADシステムを使ってデータ交換を行う方法を、ANSIデータの交換という。 (エ) 製品データの交換に利用できるSTEP(STandard for the Exchange of Product model data)は、「情報表現」と「情報交換」に関する規定で、形状データのみならず構成管理データや運用管理データも交換するためのものである。
設問14
蓄積した大量のデータをいかに分析するか、部署間で情報共有をいかに行うか、さらには新たな知識の創造を行う仕組みをどのように構築するかは、現代企業の重要な課題となりつつある。次の記述の空欄【 A 】〜【 C 】に入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
業務処理で蓄積された多様なデータのデータベースやインターネットから取り込んだデータのデータベースなどを、総合的な情報分析に適するように統合したものを【 A 】と呼ぶ。その【 A 】にある膨大なデータ、例えば、売上履歴にかかわるデータから消費者の購買行動や顧客の嗜好の変化などを、さまざまな手法を用いて分析する技術を【 B 】という。
一方、企業内での情報共有を進めるに際して、どこにどのような情報があるのか、誰がどのような情報を持っているのかなどを明らかにすることが課題である。それらの課題の解決を支援するためのシステムを【 C 】と呼ぶ。
【解答郡】 (ア) 【A】:データウェアハウス 【B】:OLAP 【C】:データマート (イ) 【A】:データウェアハウス 【B】:データマイニング 【C】:ナレッジポータル (ウ) 【A】:データマート 【B】:OLAP 【C】:データマイニング (エ) 【A】:ナレッジポータル 【B】:データマイニング 【C】:データウェアハウス
設問15
情報技術の発展に伴い、計算資源や情報処理サービスのさまざまな提供方法が提案されるようになってきた。以下の記述と用語の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a | XML形式標準プロトコルでメッセージ送受信を行うインターネット技術を組み合わせて、アプリケーションサービスを提供する。 | |
b | 仮想化技術を活用して、インターネット経由でユーザが必要とするサービスを柔軟に提供する。 | |
c | コンピュータのハードウェアやソフトウェアの利用を、買い取りやリースではなく、利用量による従量制で支払う考え方である。 | |
d | 多数の小型コンピュータをネットワーク経由で協調処理させる形態で、主な視点は処理性能とスケーラビリティにある。 |
【用語】
- SOA(Service Oriented Architecture)
- クラウドコンピューティング
- グリッドコンピューティング
- ユーティリティコンピューティング
【解答郡】 (ア) a − 1 b − 4 c − 3 d − 2 (イ) a − 1 b − 2 c − 4 d − 3 (ウ) a − 2 b − 4 c − 1 d − 3 (エ) a − 2 b − 3 c − 4 d − 1