平成18年度1次試験解答:経済学・経済政策
設問16
解答:設問1:ウ 設問2:ア 設問3:ア
(設問1)
微分による解答を行う。微分のやり方は、Xの右肩にある乗数を1つ減らし、それをXの前についている係数に掛ける。
企業A:Ca=x2
企業B:Cb=y2+x2
すなわち企業Aは、
- 利潤関数を求める。利潤=売り上げー総費用であるから
π=20x-x2(価格×生産量−総費用)となる。 - 1を微分するとπ'=20-2xとなる。
- x=10
また企業Bは、
- 利潤関数を求める。利潤=売り上げー総費用であるから
π=40y-(y2+x2)となる。
- 1を微分(※企業Bの利潤関数にはxが入ってくるが、企業Bはxの生産量を決めることはできない。それを踏まえて微分を行う。)するとπ'=40-2yとなる。
- y=20
よって解答はウである。
(設問2)
- 最大化すべき双方の利益の和は次の式で求めることができる。
πa+πb=(20x+40y)-(2x2+y2) - 右辺をxとyそれぞれに偏微分する。
20-4x=0
40-2y=0 - x=5,y=20
よって解答はアである。
(設問3)
- 設問1より交渉前の企業Aの利潤は100(20×10-10×10)、企業Bの利潤は300(40×20-(20×20+10×10))だと分かる。
- 設問2より交渉後の最適な生産量はx=5,y=20である。
- すなわち、企業Aの利潤は75(20×5-5×5)、企業Bの利潤は375(40×20-(20×20+5×5))だと分かる。
- ただし企業Bは企業Aに対して補償金を払う必要があるので企業Aの利潤は増え、企業Bの利潤は減ることになる。
企業Aの利潤=75+企業Bの補償金
企業Bの利潤=375-企業Aの補償金
- すなわち企業Aは交渉前の100以上の利益がないと不適切な利益配分といえる。
よって解答はアである。
設問17
解答:設問1:イ 設問2:ウ 設問3:ア
(設問1)
- 市場が均衡する生産量
- 生産者は利潤を最大化することから、自分自身が負担しない費用については考慮せず生産量を決定する。したがって、私的限界費用曲線と需要曲線の交点で均衡が与えられる。よって【 A 】には、OX2が入る。
- 社会的に最適な生産量
- 社会的限界費用曲線と需要曲線の交点で均衡が与えられる。よって【 B 】には、:OX1が入る。
(設問2)
環境税(ピグー税)の導入により社会的生産量を達成するためには、私的限界費用曲線を上方へ並行シフトさせ、社会的限界費用曲線と一致させるように課税する必要がある。すなわち、私的限界費用曲線をBE分だけ上方にシフトさせる必要がある。よってウが解答である。
(設問3)
- 課税前の総余剰
- △AFC(消費者余剰+生産者余剰)−FDC(公害による損失)=△AFB−△BCDである。
- 課税後の総余剰
- △AFBである。
よって△BCD分だけ総余剰は改善している。