平成19年度1次試験解答:企業経営理論
設問31
解答:イ
テストマーケティングとは、本格的な市場参入に先立ち、当初は限定された市場やチャネルでテスト的に発売するマーケティング手法である。
(ア) | テスト市場において、試用購買率が高くて反覆購入率が低ければプロモーション不足なので、本格的市場導入時にはプロモーション予算を増額する。 →×:テスト市場において、試用購買率が高い場合、テスト製品への消費者への認知度は高いと考えられる。使用購買率が高いのにも関わらず、反復購入率が低いということは、製品に対する支持が不十分であるといえよう。すなわち製品自体の見直しやアフターサービス等で顧客の支持を得る努力をするべきである。 |
(イ) | テストマーケティングのときに、複数のプロモーション手段を試行し、その成果を比較して、最善のものを本格的市場導入時に採用するのが望ましい。 →○:正しい |
(ウ) | テストマーケティングを行うと、他社に自社の新製品に関する情報が漏れるので、重要な商品属性を意図的に改変してテストするのが望ましい。 →×:テストマーケティングを行うと、他社に自社の新製品に関する情報が漏れるリスクは存在する。しかし、重要な商品属性を意図的に改変してテストしたのでは、テストを行う意味がない。 |
(工) | テストマーケティングを行う都市は、都市による偏りをなくすために、無作為抽出で選定するのが望ましい。 →×:テストマーケティングを行う都市は、本格的市場導入を行う市場と似た都市や有効なデータが得られやすい都市を選択するべきである。 |
設問32
解答:エ
準拠集団とは、特定個人の意見や行動、判断に対して影響を及ぼす集団のことであり、家族、友人、同僚などがこれに該当する。
(工) | 他人の目に触れないような商品のブランド選択行動について、準拠集団が与える影響は大きい。 →×:商品の消費が目に見える場合(公的な商品)には準拠集団の影響が強くなる。反対に、他人の目に触れないような商品には準拠集団の影響は小さい。 |
設問33
解答:ア
(ア) | 生鮮食品には、流通業者はブランドを付与できず、生産者だけがブランドを付与できる。 →×:生鮮食品に対しても、流通業者はブランドを付与することができる。近年、家畜伝染病や産地偽装表示などで、消費者が食の安全・安心への関心を高めたことが、生産者や流通業者がブランド化に熱心に取り組んでいる。 |
設問34
解答:オ
(オ) | 配布場所を頻繁に変えることによって、読者に有効に配布することができる。 →×:無料印刷媒体の配布場所を頻繁に変えたのでは、読者は入手しずらくなり、有効に配布されない。店頭や大学のキャンバス、街角の特定の場所に置き配布すべきであろう。 |
設問35
解答:ア
(ア) | 卸売業者が運営する特定の小売業者のための専用物流センターについては、小売業者が卸売業者に物流センターフィーを支払う。 →×:センターフィーとは、卸売業者やメーカーなどの納入業者が、大手スーパーの物流センターや配送センターに商品を納入する際、そのセンターの使用料として支払う料金のことである。すなわち小売業者が卸売業者に対して物流センタフィーを支払う必要はない。 |