平成16年度1次試験解答:企業経営理論
設問51
解答:イ
(ア) | 高品質のサービスを一度経験すると、次回に同様のサービスを受ける場合、その評価が維持される。 →×:サービスの品質は提供者と受け手と相互作用に大きく影響される。よってたとえ提供者が前回と同様のサービスを行っても、必ずしも同じ評価をされるとは限らない。 |
(イ) | サービスが有形の要素とともに提供される場合、有形の要素は、品質を判断する要素として消費者に影響を与えている。 →○:正しい |
(ウ) | サービスの品質に対する期待が、提供可能なサービスに比べて高い場合には、その高い期待を維持するようにする必要がある。 →×:サービスの品質に対する期待が、提供可能なサービスに比べて高い場合でも費用対効果を考え、維持すべきでない場合もある。 |
(工) | サービスの品質は、顧客によって客観的に判断されるので数値化して比較するのに適している。 →×:サービスの品質は、顧客によって主観的に判断されるので数値化して比較するのに適していない。 |
(オ) | サービスは、提供者と受け手の相互作用によって行われるので、提供される過程で品質が測定される。 →×:体験者からサービスの品質を聞くなどの事前評価や提供された後に品質を測定する事後評価も存在する。すなわち、提供される過程のみで品質が測定されるわけではない。 |
設問52
解答:ア
マーケティング目標設定・価格政策に関する問題である。
(ア) | ある限度以上の市場シェアを目標にすると、収益性が低下する。 →○:ある限度以上の市場シェアを目標にすると、広告費の増加、増員、追加設備投資が必要になり収益率が低下する。 |
(イ) | 市場シェアが増大すると、製造コストが逓増する。 →×:市場シェアが増大すると、製造コストが逓減する。(経営曲線高価) |
(ウ) | 市場シェアの低下は、そのビジネスの質の低下を意味する。 →×:市場シェアの低下は,競合他社の参入、模倣品の販売といった多くの要因があり、一概にビジネスの質の低下を意味しない。 |
(工) | 市場シェアを追求する目的で、オープン価格政策を採用する。 →×:オープン価格とは、価格の設定を卸売業者、小売業者の裁量に任せた商品売価のことである。市場シェアとオープン価格に関係はない。市場シェアを追求する目的で採用される価格政策は市場浸透価格である。市場浸透価格とは、新製品の価格を低価格に設定して、その価格の魅力により大量の顧客に製品購入を促し圧倒的な市場シェアを獲得するという政策である。 |
(オ) | マーケットニッチャーにとって、市場シェアの拡大が、他社からの参入を避ける方策となる。 →×:マーケットニッチャーにとって、市場シェアの拡大の結果、競合他社の参入を招く可能性が高い。 |
設問53
解答:エ
(ア) | PRの成果向上のためには情報を管理しないで、あるがままにするのがよい。 →×:PRの成果向上のためには、提供した情報ともたらされた効果に関する情報を管理する必要がある。 |
(イ) | インターネットは製品の販売には有用であるが、PRのメディアとしては効果が出にくい。 →×:インターネットは製品の販売・PRのメディアとして有効であり、効果が出やすい。 |
(ウ) | 自社製品に影響を与える要因の変化を正確に把掘するために、自社内の情報を探っていくのがよい。 →×:自社内の情報だけでは自社製品に影響を与える要因の変化を正確に把掘できない。むしろ自社外の情報を探っていくのがよい。 |
(工) | ステークホルダーからの要請に、企業は継続的に対応をしていく必要がある。 →○:ステークホルダーとは、株主、業界団体、顧客、取引先、債権者、マスコミ、地域社会などの企業活動と関連するあらゆる関係者のことである。ステークホルダーからの要請に継続的に対応する必要がある。 |
(オ) | パブリシティの効果は、新聞であれば、その紙面の広告費に換算して測定される。 →×:パブリシティとは、企業や団体が、マスコミなどに対して積極的に情報公開するなどして、報道されるよう働きかけることである。報道するかどうかは報道機関の判断であり企業側からのコントロールは困難である。 |