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平成19年度1次試験解答:中小企業経営・中小企業政策

設問11

解答:設問1:イ 設問2:ウ 設問3:ア

(設問1)

(ア) 派遣労働者も請負労働者も実際に働いている企業と雇用関係にないが、請負労働者がその企業の指揮命令関係の下にいるのに対し、派遣労働者は指揮命令関係の下にいない。
→×:派遣労働者も請負労働者も実際に働いている企業と雇用関係にないという前半部分は正しい。しかし派遣労働者がその企業の指揮命令関係の下にいるのに対し、請負労働者は指揮命令関係の下にいない。
(イ) 派遣労働者も請負労働者も実際に働いている企業と雇用関係にないが、派遣労働者がその企業の指揮命令関係の下にいるのに対し、請負労働者は指揮命令関係の下にいない。
→○:派遣労働者も請負労働者も実際に働いている企業と雇用関係にない。また、派遣労働者がその企業の指揮命令関係の下にいるのに対し、請負労働者は指揮命令関係の下にいない。
(ウ) 派遣労働者も請負労働者も実際に働いている企業と指揮命令関係にないが、請負労働者がその企業との短期的な雇用関係の下にいるのに対し、派遣労働者は雇用関係の下にいない。
→×:派遣労働者は実際に働いている企業と指揮命令関係にある。また請負労働者は短期的・長期的に関係なく雇用関係の下にいない。
(工) 派遣労働者も請負労働者も実際に働いている企業と指揮命令関係にないが、派遣労働者がその企業との短期的な雇用関係の下にいるのに対し、請負労働者は雇用関係の下にいない。
→×:派遣労働者は実際に働いている企業と指揮命令関係にある。また派遣労働者は短期的・長期的に関係なく雇用関係の下にいない。

(設問2)
 総務省「労働力調査」によると2004年度における製造業雇用者数は1、070万人である。そのうち非正規の職員・従業員は213万人である。また派遣労働者数は31.4万人、請負労働者数は86.6万人である。

1、070÷(213+31.4+86.6)=3.232・・・・・

よって解答はウである。

(設問3)
 製造業における内部労働者に占める非正社員の比率は、もともと非正規社員の比率が高かった中小企業のほうが高い。また、全従業者に対する請負労働者・派遣労働者などの外部労働者の比率は、中小企業が大企業よりも低い。よって解答はアである。

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設問12

解答:イ

2006(平成18)年版中小企業白書 第1-3-28図 日本の大企業・中小企業の社債残高の推移
〜資金調達構成に占める割合は低いが、2002年度以降、中小企業の社債残高は急激に増加している〜より

(ア) 中小企業の社債残高が大きく減少しているのに対して、大企業の社債残高はむしろ増加傾向にある。
→×:中小企業の社債残高は大きく増加している。また大企業の社債残高は減少傾向にある。
(イ) 中小企業の社債残高が大きく増加しているのに対して、大企業の社債残高はむしろ減少傾向にある。
→○:正しい
(ウ) 中小企業の社債残高も大企業の社債残高も、ともに大きく減少している。
→×:中小企業の社債残高は大きく増加している。また大企業の社債残高は減少傾向にある。
(工) 中小企業の社債残高も大企業の社債残高も、ともに大きく増加している。
→×:中小企業の社債残高は大きく増加している。また大企業の社債残高は減少傾向にある。

中小企業の社債発行額がここ数年増加しているのは、次のことが要因である。

  1. 固定金利で比較的長期の調達ができることから、設備投資等の資金調達コストが確定でき、投資計画・事業計画が立てやすくなる面がある
  2. 私募債の受託・引受は、投資家としての視点から行われるため、発行可能な企業は優良企業に限られる。したがって、中小企業においては私募債を発行す ることにより企業イメージが向上し、金融機関との金利交渉、貸出条件交渉が有利になるだけでなく、企業としての信用力向上にも寄与し、取引先へのアピールや人材確保の面からもメリットがあると考えられること(株式公開前の企業では、IRの観点から私募債発行を行うこともある
  3. 金融機関においても、社債発行に係る手数料を徴求できることから、非金利収入の増加という観点から力を入れている

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設問13

解答:設問1:ア 設問2:ア

(設問1)
2006(平成18)年版中小企業白書 第3-4-15図 中小小売店舗数変化率と飲食店舗数変化率の相関
〜大都市においては、中心市街地で中小小売業と飲食業の店舗数増加に比較的高い相関〜より

(ア) 大都市圏では駅周辺や市街地において観察されるが、地方圏では郊外のロードサイドにおいて観察される。
→○:大都市圏では駅周辺や市街地において高い相関関係が観察される。また、地方圏では郊外のロードサイドにおいて高い相関関係が観察される。
(イ) 大都市圏では郊外のロードサイドにおいて観察されるが、地方圏では駅周辺や市街地において観察される。
→×:大都市圏では駅周辺や市街地において高い相関関係が観察される。また、地方圏では郊外のロードサイドにおいて高い相関関係が観察される。
(ウ) 大都市圏でも地方圏でも駅周辺や市街地において観察される。
→×:大都市圏では駅周辺や市街地において高い相関関係が観察される。しかし、地方圏では高い相関関係は観察できない。
(工) 大都市圏でも地方圏でも郊外のロードサイドにおいて観察される。
→×:地方圏では郊外のロードサイドにおいて高い相関関係が観察される。しかし、大都市圏では高い相関関係は観察できない。

(設問2)
2006(平成18)年版中小企業白書 第3-4-3図 立地環境別・売場面積別の商店数の増加率(1997/2004年比)
〜商業地区を除き、500m2以上の規模の商店数が増加〜より

1997年から2004年までの期間に売場面積500平方メートル未満の商店数が増加したのは、オフイス街地区に限定される。よって解答はアである。

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設問14

解答:エ

 W/R比率とは、流通の多段階性を図る尺度として利用される。W/R比率は次の式で求められる。

W/R比率=(卸売販売額−産業用使用者向け販売額−海外向け販売額)÷小売販売額

 この比率が大きいほど、流通経路が多段階であるといえる。一般に日本の流通構造は多段階であることが問題視されており、国際比較等で用いられることが多い。
 すなわちW/R比率が低くなったということは流通経路が短縮されたということである。よって解答はエである。

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設問15

解答:イ

各選択肢の意味は次の通りである。

プロセス・イノベーション
既存製品の生産工程や技術を改良するといった生産技術に関する技術革新である。プロセスイノベーションを確保・占有化する為の手段としては特許出願よりも情報の秘匿の比率が高い。
プロダクト・イノベーション
従来存在しなかった新製品を開発するといった製品開発に関する技術革新である。プロダクトイノベーションを確保・占有化する為の手段としては情報の秘匿よりも特許出願の比率が高い。
外部不経済
外部不経済とは、廃棄ガスや資源の枯渇など、従来の産業界においては無視されがちであった企業や組織の外部環境における損失のことである。
経済主体にとっては不利な効果であり、市場を介さない財であるため、従来の企業の経済活動において注目されることは少なかったが、環境意識の高まりと共に無視することができなくなり、課税などによって外部不経済の内部化を進めることが求められている。
経験曲線効果
累積生産量が増加するごとに一定の比率で製品単位当りの生産コストが減少する現象のことである。経営曲線効果が強く働く分野では、特許出願よりも秘匿が好まれる傾向がある。

よって、
 近年、中小企業にとっても特許等の知的財産の戦略的な重要性が増しているが、技術革新の成果を確保・専有化するためには、特許出願よりも情報の秘匿のほうが有効である場合もある。たとえば、【A:プロセスイノベーション】の成果は【B:プロダクト・イノベーション】の成果よりも特許出願されにくい。また、生産において【C:経営曲線効果】が強く働く分野における技術成果についても、特許出願よりも秘匿が好まれる傾向がある。

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