平成18年度1次試験解答:中小企業経営・中小企業政策
設問16
解答:イ(aとd)
(基本方針)
第5条 政府は、次に掲げる基本方針に基づき、中小企業に関する施策を講ずるものとする。
1.中小企業者の経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。
2.中小企業の経営資源の確保の円滑化を図ること、中小企業に関する取引の適正化を図ること等により、中小企業の経営基盤の強化を図ること。
3.経済的社会的環境の変化に即応し、中小企業の経営の安定を図ること、事業の転換の円滑化を図ること等により、その変化への適応の円滑化を図ること。
4.中小企業に対する資金の供給の円滑化及び中小企業の自己資本の充実を図ること。
(a) | 経営基盤の強化 →○:中小企業基本法第5条2項に該当する |
(b) | 取引条件の向上 →×:該当するものがない |
(c) | 生産性の向上 →×:該当するものがない |
(d) | セーフティネットの整備 →○:経済的社会的環境の変化に即応する為の制度設備が、すなわちセーフティネットの整備にあたる。 |
よって(イ)aとdが解答である。
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解答:設問1:ウ 設問2:ア 設問3:ウ 設問4:ア 設問5:ウ 設問6:ア
(a) | この法律における「新事業活動」は、@新商品の生産、A新役務の提供の2つの取り組みとして定義されている。 →×:この法律における「新事業活動」は、@新商品の開発又は生産、A新役務の開発又は提供、B商品の新たな生産又は販売の方式の導入、C役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動として定義されている。 |
(b) | NPOは、この法律による設備投資減税の支援対象とはならない。 →○:原則として全業種の中小企業者、そのグループ、組合等が対象である。NPOは対象とならない。 |
(c) | この法律は、中小企業支援法、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法、新事業創出促進法を整理統合したものである。 →×:この法律は、(1)中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法(中小創造法)、(2)新事業創出促進法、(3)中小企業経営革新支援法の既存3法律を創業と経営革新の支援に整理統合したものである。 |
よって(ウ)a:誤 b:正 c:誤が解答である。
(設問2)
第1条
この法律は中小企業の創意ある成長発展が経済の活性化に果たす役割の重要性にかんがみ、創業及び新たに設立された企業の事業活動の支援並びに中小企業の経営革新及び異分野の中小企業の連携による新事業分野開拓の支援を行うとともに、地域におけるこれらの活動に資する事業環境を整備すること等により、中小企業の新たな事業活動の促進を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
よって【 A 】には「異分野」のが入る。よって解答はアである。
(設問3)
中小企業新事業活動促進法とは、異分野の中小企業がお互いの「強み」を持ち寄り連携して行う新事業活動(「新連携」)の支援を加え、昨今の経済社会環境の変化を踏まえた施策体系の骨太化を図ったものである。
(設問4)
「創業」の支援対象となる者は次のものである。
@ 事業を行っていない個人【創業予定者の参考例】
・1 ヶ月以内に新たに事業を開始する具体的な計画を有する個人
・2 ヶ月以内に新たに会社を設立し、事業を開始する具体的な計画を有する個人
A 創業後5年以内の中小企業者
(分社化前の親会社も含む)
よって
a | 創業5年未満の中小企業者 →○:正しい。支援対象となる。 |
b | 創業しようとしている個人 →○:正しい。支援対象となる。 |
となる。(ア)a:正、b:正が解答である。
(設問5)
経営革新に関する問題である。
経営目標として設定される指標として、以下の基準を満たす必要がある。
- @企業全体の付加価値額又は従業員一人当たりの付加価値額の伸び率
- (1)5年計画15%以上
(2)4年計画12%以上
(3)3年計画 9%以上 - A経常利益の伸び率
- (1)5年計画 5%以上
(2)4年計画 4%以上
(3)3年計画 3%以上
よって解答は(ウ)である。
(ア) | 持続的なキヤッシュフローを確保し、5年以内に融資返済、投資回収が可能なことが財務面の要件となる。 →×:持続的なキヤッシュフローを確保し、10年以内に融資返済、投資回収が可能なことが財務面の要件となる。 |
(イ) | 新連携事業の計画期間は3〜5年間である。 →○:正しい。新連携事業の計画期間は3〜5年間である。 |
(ウ) | 中核となる中小企業が存在することが、連携体の条件となる。 →○:正しい。新連携の条件に、中核となる中小企業が存在することが、新連携の条件となる。 |
(エ) | 連携体のメンバーに大企業を加えることができる。 →○:正しい。連携体には大企業や大学、研究機関、NPO、組合などをメンバーに加えることが可能である。 |
設問18
解答:イ
中小企業退職金共済制度とは、中小企業者の相互共済と国の援助で退職金制度を確立し、これによって中小企業の従業員の福祉の増進と、中小企業の振興に寄与することを目的とした中小企業の為の退職金制度である。
(ア) | いわば「経営者の退職金制度」である。 →×:中小企業退職金共済制度は、中小企業で働く従業員を対象とした退職金制度である。設問の経営者の退職金制度とは、小規模企業共済制度のことである。この制度は、小規模企業の個人事業主または会社等の役員が事業を廃止した場合や役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててきた掛金に応じた共済金を受け取ることができる共済制度である。小規模企業者の福祉の増進と小規模企業の振興に寄与することを目的として、小規模企業共済法に基づき昭和40 年に発足した制度で、いわば国がつくった「経営者の退職金制度」といえる。 |
(イ) | 掛金は、全額事業主の損金または必要経費とされる。 →○:掛金は全額損金又は必要な経費に算入することができる。 |
(ウ) | 従業員が退職したときに、所定の退職金が事業主に支払われる。 →×:給付金の受取人は被共済者(従業員)である。事業主に支払われるわけではない。 |
(エ) | 中小企業者が独立行政法人中小企業基盤整備機構と退職金共済契約を締結する。 →×:中小企業者は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構ではなく、独立行政法人 勤労者退職金共済機構と退職金共済契約を締結する。 |
設問19
解答:イ
中小企業知的財産啓発普及事業は、全国の商工会・商工会議所に「知財駆け込み寺」としての、相談取次窓口機能を整備するとともに、知的財産を中核に据えた企業活動の普及を目的としたセミナーを各地で開催している。
設問20
解答:ウ
商工組合中央金庫に関する問題である。
(ア) | 一般の金融機関から供給を受けにくい設備資金を中小企業に供給することを目的として設立された。 →×:設備資金だけではなく、長期・短期運転資金なども供給する。 |
(イ) | 貸付限度は、原則として、組合20億円、組合員2億円である。 →×:貸付限度は、原則として、組合200億円、組合員2億円である。 |
(ウ) | 貸付の対象は、商工組合中央金庫の所属組合またはその組合員等である。 →○:原則として、貸付の対象は、商工組合金融公庫に出資している組合とその組合員に限られている。 |
(エ) | 全額政府出資の金融機関である。 →×:政府出資金だけでなく、組合出資金もある |