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平成14年度1次試験解答:経済学・経済政策

設問6

解答:ウ

各用語の説明を下記に記す。

【解答群】
(ア) オプション取引
→×:ある商品(株式、ドルなど)を将来のある時期に、あらかじめ定めた価格で取引する権利を売買することである。その売る、あるいは買う権利の値段がオプション料(プレミアム)である。
(イ) 日銀特融
→×:日本銀行が金融システムの信用維持を目的として、資金不足に陥った金融機関に対する無担保・無制限に行う特別融資のことである。
(ウ) 非不胎化政策
→○:為替介入に際して、あえて円を回収・供給せず、マネーサプライ(通貨供給量) を変動させるという政策
(エ) 不胎化政策
→×:マネーサプライ(通貨供給量)を一定に保つように回収・供給するという政策

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設問7

解答:エ(bとd)

 ペイオフとは、金融機関が万一破綻したときに預金者を保護するため、金融機関が加入している預金保険機構が、預金者に一定額の保険金を支払う仕組みのことである。個人や法人など、1つの金融機関につき、1預金者1千万円までの預金とその利息が保護される。

財務体質の優良な銀行が、預金獲得のために預金金利を引き上げることのないように設定された。
→×:財務体質の優良な銀行は、預金獲得のために預金金利を引き上げる必要性は低い。一般的には財務体質の悪い銀行が預金獲得の為に、金利を引上げる傾向がある。
財務体質の悪い銀行が、預金獲得のために預金金利を引き上げることのないように設定された。
→○:財務体質の悪い銀行は、預金金利を引き上げ預金の流出を防ごうとする可能性が高い。その結果、その銀行が破たんした場合に補償する財政負担も大きくなる。
上限規制の設定は、金融機関の信用リスクに関して、金利がもつシグナリング機能を促進する効果がある。
→×:上限規制の結果、金融機関の間の金利の格差は低下し、どの金融機関も同じような金利をつけることになる。その結果、預金者が金利という情報をもとに金融機関の体質を判断することは困難になる為、金利が持つシグナリング機能は低下する。なお、シグナリング機能とは、情報をもっている主体が、持っていない主体に対し、自ら情報を伝えようとすることである。
上限規制が設定されると、預金者からみて優良な銀行とそうでない銀行の区別をするための情報が失われる懸念がある。
→○:正しい

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設問8

解答:イ

国内総生産(GDP)は、ある一定期間に日本国内で生産された付加価値の総額のことである。
国民総生産(GNP)は、外国に住む国民の生産量も含んて生産された付加価値の総額のことである。

【解答群】
(ア) 日本のGDP は、外国人が日本で得た所得は含まれないが、日本国民が外国で得た所得は含まれる。
→×:GDPは、外国人が日本で得た所得も含まれる。しかし、日本国民が外国で得た所得は含まれない
(イ) 日本のGDP は、外国人が日本で得た所得は含まれるが、日本国民が外国で得た所得は含まれない。
→○:正しい
(ウ) 日本のGDP は、外国人が日本で得た所得も、日本国民が外国で得た所得も含まれない。
→×:GDPは、外国人が日本で得た所得も含まれる。また日本国民が外国で得た所得は含まれない
(エ) 日本のGDP は、外国人が日本で得た所得も、日本国民が外国で得た所得も含まれる。
→×:GDPは、日本国民が外国で得た所得は含まれない

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設問9

解答:エ(bとd)

消費者物価指数(CPI)とは、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するものである。 すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもので、毎月作成されている。 指数計算に採用している各品目のウエイトは総務省統計局実施の家計調査の結果等に基づいている。

卸売物価指数(WPI)は企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価指数であり、日本銀行が毎月公表している。企業間で取引される商品の価格は需給動向を敏感に反映するので、日本銀行ではこれらを収集して、景気分析や金融政策を判断するための重要な材料として利用されている。

卸売物価指数と消費者物価指数のそれぞれの総合指数は、ほぼ一致した動きを示す。
→×:消費者物価指数は、景気に鈍感な面がある。それに対して卸売物価指数は景気に敏感である。よって卸売物価指数と消費者物価指数は、一致しない。また、WPIには、一般消費者向けの商品以外に、輸入原材料や最終的な製品になる途中段階の商品(中間財)、工場や事務所の設備器具なども含まれる。一方、CPIには、WPIが対象としていない鉄道運賃や大学の授業料など消費者向けのサービスの価格が含まれる。このため、両者の動きは一致しない
卸売物価指数の「最終消費財」と消費者物価指数の「生鮮食品を除く財」は、ほぼ一致した動きを示す。
→○:正しい。CPIの「商品(生鮮食品を除く)」と範囲が最も近いWPIの「最終消費財(国内品)」で比較すると、ほぼ一致した動きを示す。
消費者物価指数の算出には、輸出入品の価格は計上されていない。
→×:消費者物価指数の算出には、輸出入品の価格は計上されている。
サービスの価格は財に比べて人件費の割合が高いので、サービスの価格が含まれている消費者物価指数は、財の価格が低下しても、それほど低下しない傾向がある。
→○:正しい

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設問10

解答:ウ(bとc)

 完全失業率とは、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合のことである。
 また、有効求人倍率(ゆうこうきゅうじんばいりつ)とは、公共職業安定所で扱った月間有効求人数を月間有効求職者数で割ったものである。
  よって解答は(ウ)bとcである。

完全失業率は景気動向におおむね一致して推移する一致系列に位置付けられている。
→×:日本的雇用習慣では、失業率を増加させる解雇などは最終手段であるので、完全失業率の変化は景気動向から遅れる。(遅行系列)
完全失業率は景気動向に遅れて推移する遅行系列に位置付けられている。
→○:正しい。
有効求人倍率は景気動向におおむね一致して推移する一致系列に位置付けられている。
→○:正しい。
有効求人倍率は景気動向に遅れて推移する遅行系列に位置付けられている。
→×:有効求人倍率は景気動向におおむね一致して推移する(一致系列)

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