平成26年度1次試験問題:経営情報システム
設問16
システム開発プロジェクトにおいて「経営層によるプロジェクト運営への関与が十分でない」ことが原因で失敗するリスクがあるとき、いくつかの対策が考えられる。
対策は回避策と軽減策に分けられ、回避策は、それを十分に行った場合にリスク事象ドライバー※を消滅させる措置である。他方、軽減策は、リスク事象ドライバーを消滅させることはないが、リスク事象の発生確率を減少させる措置である。
経営層からのプロジェクトおよびプロジェクトメンバーへの明確な直接的メッセージあるいは経営者のプロジェクトへの参画があれば回避策になり、そうでなければ軽減策になる。
軽減策にあたるものとして最も適切なものはどれか。
※ドライバー:誘発する要因
【解答郡】 (ア) 関連組織の参画について経営者の指示を文書化する。 (イ) 経営層への定期的あるいはフェーズごとの報告の必要性について経営層の了解を得る。 (ウ) 重要なタイミングにおける経営者の参加の重要性を説明し経営層の了承を得る。 (エ) プロジェクト要件の優先順位に関する経営層の考え方を文書化する。
設問17
下図のA〜Dは、システム分析もしくはシステム設計に使われる図である。図とその名称の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【解答郡】 (ア) 図A:アクティビティ図 図B:ステートチャート図 図C:DFD 図D:ユースケース図 (イ) 図A:コミュニケーション図 図B:アクティビティ図 図C:オブジェクト図 図D:配置図 (ウ) 図A:ユースケース図 図B:DFD 図C:アクティビティ図 図D:コミュニケーション図 (エ) 図A:ユースケース図 図B:アクティビティ図 図C:DFD 図D:コミュニケーション図
設問18
中小企業がベンダにシステム開発を委託する場合、中小企業診断士には両者の橋渡しを期待される場合がある。このとき、中小企業とベンダのコミュニケーション手段となるシステム仕様書には、構造、機能、振舞の3側面を書かなければならない。それぞれに書く内容の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) 構造:データ(属性)型 機能:入出力 振舞:並列性 (イ) 構造:データ(属性)型 機能:並列性 振舞:入出力 (ウ) 構造:並列性 機能:データ(属性)型 振舞:入出力 (エ) 構造:並列性 機能:入出力 振舞:データ(属性)型
設問19
携帯端末の普及に伴い、個人所有の端末を社内に持ち込み仕事に利用するBYODが注目を集めている。特に、IT投資の削減や情報共有の効率化が図られることなどから、BYODに対する期待は大きい。BYODに関する記述として最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) BYODを導入するとともに、自社サーバの機能をクラウドサービスに移行すれば、BCP対策の一環となる。 (イ) MDMとは、持ち込まれる端末のデータベース管理システムを統一することを指す。 (ウ) シャドーITとは、会社所有の情報機器と同じハード、ソフトからなる端末に限定して持ち込みを許可することを指す。 (エ) 端末を紛失した場合などに対処するため、遠隔操作でデータを消去するローカルワイプと呼ばれる機能がある。
設問20
ITプロジェクト成功のひとつの鍵は、適切なビジネスアナリシスである。これに必要な知識とスキルの標準として、IIBA(International Institute of Business Analysis)が2009年に発表したBABOK(A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge)2.0がある。これに関する記述として、最も適切なものはどれか。
【解答郡】 (ア) BABOKでは、新しいソリューションを実現するための要求を、ビジネス要求、ステークホルダー要求、ソリューション要求、そして移行要求の4つに分類している。 (イ) BABOKのソリューション要求に含まれる機能要求とは、ソリューションが有効に存続するための環境条件や、システムが備えているべき品質のことである。 (ウ) BABOKの知識エリアは、それぞれビジネスアナリシスの実行フェーズに対応している。 (エ) BABOKは、ビジネスアナリシスのタスクを実行するプロセスやタスクの実行順序について規定している。