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平成26年度1次試験解答:財務・会計

設問6

解答:エ

リース取引に関する正誤問題である。
リース取引きには、「オペレーティングリース」と「ファイナンスリース」の2種類があります。 大きな違いは返却の必要性や中途解約の可否です。 また、オペレーティングリースは資産として計上せず賃貸借契約の扱いとなります。 一方、ファイナンスリースはリース契約を結ぶと資産計上を行う必要があります。

a オペレーティング・リース取引のうち解約不能なものに係る未経過リース料 は、貸借対照表上、負債に含める。
→×:オペレーティング・リース取引は、一般の賃貸借取引に準じて会計処理を行い、貸借対照表上に計上する必要はない。ただし、解約不能なオペレーティング・リース取引に係る未経過リース料は、財務諸表に注記する必要がある。
b 所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、原 則として、リース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとして算定する。
→○:所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、残存価額をゼロ、リース期間を耐用年数として定額法により償却を行う。
c ファイナンス・リース取引に係るリース債務については、支払の期限の到来時 期にかかわらず固定負債に属するものとして開示する。
→×:ファイナンス・リース取引に係るリース債務については、貸借対照表日後1年以内に支払の期限が到来するものは流動負債に属するものとし、貸借対照表日後1年を超えて支払の期限が到来するものは固定負債に属するものとする。
d ファイナンス・リース取引に係るリース資産及びリース債務の計上額は、原則 として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利 息相当額の合理的な見積額を控除して算定する。
→○:リース資産及びリース債務の計上額を算定するにあたっては、原則として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除する方法による。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法により配分する。

よって、bとdが適切であり、正解は「エ」である。

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設問7

解答:ウ

総資本営業利益率に関する計算問題である。

  1. 直接原価計算による損益計算書を作成し、それを用いて、目標営業利益を達成するときの売上高を計算する。
  2. 求めた売上高から総資本を計算し、総資本営業利益率を求める
    1. 目標営業利益を達成するときの売上高

      売上高をXとすると、変動費率は0.5(=2,500,000円÷5,000,000円)、限界利益率も0.5(=2,500,000円÷5,000,000円)であるから、営業利益は「0.5X-2,400,000」と表すことができる。
      目標営業利益額は600,000円であるから、次の式が成り立つ。
      0.5X-2,400,000=600,000円
    2. 売上高6,000,000円のときの総資本

      売上高が5,000,000円のときの総資本は2,400,000円である。なお,総資本は売上高増加額の10%分の増加が見込まれている。
      増加する総資本(6,000,000円-5,000,000円)×10%=100,000円
      総資本 2,400,000円+100,000円=2,500,000円
    3. 総資本営業利益率の計算
      総資本営業利益率 目標営業利益 600,000円 ×100=24 (%)
      総資本 2,500,000円

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設問8

解答:ウ

持分法に関する問題である。

持分法とは、「投資会社が被投資会社の資本及び損益のうち投資会社に帰属する部分の変動に応じて、その投資の額を連結決算日ごとに修正する方法」をいう
連結が完全連結(全部連結)と呼ばれるのに対して、持分法は持分法適用会社の純資産、損益などを投資会社の投資勘定に一行で反映させるところから、一行連結とも
呼ばれる。持分法適用会社は、原則として、非連結子会社と関連会社(投資会社が影響力を及ぼすことができる会社)である。

(ア) 持分法適用会社における少数株主損益は、損益計算書上、当期純利益の直前で 加算あるいは控除される。
→×:少数株主損益が、損益計算書上、当期純利益の直前で加算あるいは控除されるのは連結の場合である。持分法の場合は、投資勘定一行のみで表示され、その相手勘定は、持分法による投資損益である。よって、少数株主損益は表示されない。
(イ) 持分法適用会社の資産と負債は投資会社の資産と負債に合算される。
→×:持分法適用会社の資産と負債は投資会社の資産と負債に合算されず、投資会社の投資勘定一行に反映される。
(ウ) 持分法適用会社の純資産のうち投資会社に帰属する部分だけが投資会社の純資産となる。
→○:持分法適用会社の純資産のうち投資会社に帰属しない部分は、投資会社の投資勘定には反映されない。
(工) 持分法適用会社の当期純利益は、その全額が投資会社の当期純利益となる。
→×:持分法適用会社の当期純利益のうち投資会社に帰属する部分のみが投資会社の投資勘定に反映される。

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設問9

解答:ウ

売上高純利益率と総資本回転率は総資本純利益率の構成要素であり、総資本純利益を自己資本純利益で割れば自己資本純利益率を求めることができる。

@総資本純利益率の計算を行う
総資本純利益率=売上高純利益率×総資本回転率

当期純利益 当期純利益 × 当期純利益
総資本 売上高 売上高

X1年度とX2年度の売上高純利益率と総資本回転率を使用して、X1年度とX2年度の総資本純利益率を求めると、次のとおりである。

X1年度:5%×2.0=10%
X2年度:4%×2.2=8%

X1 年度と比較して X2 年度は総資本純利益率は下落した。したがって、cは適切であり、dは誤りである。

A自己資本純利益率の計算を行う
自己資本純利益率=総資本純利益率÷自己資本比率

当期純利益 当期純利益 ÷ 自己資本
自己資本 総資本 総資本
                 当期純利益 × 総資本
総資本 自己資本

X1年度とX2年度の@で求めた総資本純利益率と自己資本比率を使用して、X1年度とX2年度の自己資本純利益率を求めると、次のとおりである。

X1年度:10%÷50%=20%
X2年度:8.8%÷40%=22%

自己資本純利益は、X1 年度と比較して X2 年度は総資本純利益率は上昇している。したがって、bは適切であり、aは誤りである。


よって、bとcが適切なため、正解は「ウ」である。

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設問10

解答:ウ

a 他の条件を一定とすると、自己資本純利益率は不変である。
→×:自己資本純利益率の分子である当期純利益は、費用の増加に伴い減少し当期純利益の減少は分母の自己資本の減少となる。分母・分子ともに同額減少するが、分母の値の方が分子の値より大きくなるので自己資本純利益率は下落する。
b 他の条件を一定とすると、総資本純利益率は下落する。
→○:総資本純利益率の分子である当期純利益は、費用の増加に伴い減少し、当期純利益の減少は分母の総資本の構成要素である純資産の減少となる。
分母分子ともに同額減少するが、分母の値の方が分子の値(当期純利益)より大きいので、総資本純利益率は下落する。
c 他の条件を一定とすると、負債比率は上昇する。
→○:負債比率の分子である負債は変化しないが、分母の純資産は当期純利益の減少に伴い減少する。そのため、負債比率は上昇する。
d 他の条件を一定とすると、流動比率は上昇する。
→×:流動比率の分母である流動負債は変化しない。流動比率の分子である流動資産は、特定の資産が流動資産の場合は減少するが、特定の資産が固定資産の場合は変化しない。よって、流動比率は変化しない場合と下落する場合がある。

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