平成22年度1次試験問題:財務・会計
設問11
変動予算制を採用しているX社の販売費予算と実際販売費等は次のとおりである。 実際販売数量に対する販売費予算と実際販売費との差異(予算差異)として、最も適 切なものを下記の解答群から選べ(単位:円)。
【解答群】 (ア) 11,000(不利差異) (イ) 24,000(不利差異) (ウ) 25,000(有利差異) (工) 35,000(不利差異)
設問12
A社の損益に関するデータは以下のとおりである。A社の減価償却費は 1,000 千 円であり、これは全額更新投資にあてられる。また、実効税率は 40%であり、運転 資本の増減はない。このとき、A社のフリー・キャッシュ・フローの金額として最 も適切なものを下記の解答群から選べ(単位:千円)。
【解答群】 (ア) 4,600 (イ) 6,000 (ウ) 7,000 (工) 7,400
設問13
ファイナンス・リースの特徴に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 借手が支払うリース料は目的物の経済価値全体ではなく、リース期間終了後の 目的物の残存価値や不特定多数の事業者に複数回賃貸することなどを考慮して算 定される。 (イ) 借手からみた場合、経済的には目的物の購入資金を融資されるのとほぼ同じ機 能をもつ。 (ウ) 借手がリース契約を解約する場合には、通常、未経過リース料に相当する違約 金を支払う。 (工) 目的物を使用する借手が当該目的物の導入に際し、一度に多額の資金を必要と しないメリットがある。
設問14
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 B社は全額株主資本で事業活動を行っており、営業利益の確率分布は下表のとお りで今後毎期一定である。なお、営業利益は税・利息支払前利益(EBIT)に等しいも のとする。
(設問1)
B社の企業価値は、完全市場の仮定のもとで 1 億円と評価される。 このとき、B社の事業活動のリスクに対して、市場が要求する株主資本収益率 として最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 8% (イ) 10% (ウ) 12% (工) 20%
(設問2)
B社と資産内容が全く同じで、同一の事業を営むC社が存在するものとする。 したがって、C社が生み出す毎期の EBIT の確率分布は、B社と全く同一である。 ただし、C社とB社では資本構成が異なっており、C社は 5,000 万円の負債を利 用している。この負債の利子率は 4%である。この市場において、法人税のみが 存在しその実効税率が 40%であるとすれば、B社の企業価値とC社の企業価値と の差はどのようになるか、最も適切なものを選べ。
【解答群】 (ア) C社の企業価値はB社と変わらない。 (イ) C社の企業価値はB社より 200 万円小さい。 (ウ) C社の企業価値はB社より 2,000 万円大きい。 (工) C社の企業価値はB社より 5,000 万円大きい。
設問15
ある投資プロジェクトによって 1 年後にもたらされるキャッシュ・フローは、50% の確率で 3,000 万円であるか、50%の確率で 1,000 万円であるかのどちらかである という。今、安全利子率は 10%である。意思決定者がリスク中立的であるとき、こ の意思決定者は、当該投資プロジェクトに現在約何万円まで拠出するか、最も適切 なものを選べ。
【解答群】 (ア) 454 万円 (イ) 909 万円 (ウ) 1,818 万円 (工) 2,727 万円