平成22年度1次試験解答:企業経営理論
設問11
解答:設問1:ウ 設問2:エ 設問3:イ
(ウ) | 日本では排出量取引は全産業を対象にして自主参加型のものが試行されている段階である。 ⇒×:日本では、自主参加型の試行段階に過ぎず全作業を対象とはしていない。 |
(工) | 電気自動車は構造が比較的単純であるので、充電システムについては自動車業界で統一した方法が確立している。 ⇒×:電気自動車は、従来の自動車よりも構造が比較的単純である。しかし充電システムについては自動車業界で統一した方法は確立されていない。 |
(イ) | 古紙などの回収資源は天然資源に対して価格競争力をもっているので、古紙回収事業に多くの中小事業者が新規に参入している。 ⇒×:古紙は、天然資源(木材を原料としてパルプ)よりも高いので価格競争力はもっていない。また古紙回収事業への中小企業の新規参入は少ない。 |
設問12
解答:ア
(ア) | ハウスによるパス・ゴール理論は、リーダーの職務は部下の業務目標の達成を助けることであり、そのために必要な方向性や支援を与えることにあるとした。 ⇒○:パス・ゴール理論とは、ハウス (R.House) が1971年に提唱した、リーダーシップ条件適応理論の1つ。リーダーシップの本質は「メンバーが目標(ゴール)を達成するためには、リーダーはどのような道筋(パス)を通れば良いのかを示すことである」という考えに基づいている。 |
(イ) | フィードラーによるコンティンジェンシー理論では、環境の不確実性が高い場合には有機的なリーダーシップが、不確実性が低い場合には機械的リーダーシップが望ましいとした。 ⇒×:1964年にフィドラー(F.Fiedler) が提唱したリーダーシップ条件適応理論の1つであるコンティンジェンシー・モデルとは、リーダーシップとは、リーダーの資質ではなく、状況に応じて役割を変える必要があるという考えをもとに、3つの変数を元にリーダーにとって有利な状況から不利な状況までを整理したモデル。機械的リーダーシップや有機的なリーダーシップというような概念は採用していない。 |
(ウ) | ブレイクとムートンによるマネジリアル・グリッドは、「構造作り」と「配慮」という二軸でリーダーシップ特性を分類し、9−9型が最も高い成果を生むとした。 ⇒×:ブレイクとムートンによるマネジリアル・グリッドは、「人間への関心」と「生産への関心」という二軸でリーダーシップ特性を分類し、9−9型が最も高い成果を生むとした。 |
(工) | リッカートによる参加型リーダーシップでは、リーダーは部下の意思決定に積極的に参加し、影響力を行使することが重要であるとした。 ⇒×:リッカートは組織をシステムとして捉え、リーダーシップに関わる管理システムを4つに分類し、権威主義・専制型(システム1)、温情・専制型(システム2)、参画協調型(システム3)、民主主義型(システム4)と規定。リッカートはこの中で民主主義型のシステム4を採用している経営組織の業績が最も高い、と主張した。 すなわち、リーダーは部下の意思決定に積極的に参加し、影響力を行使することが重要としたわけではない。 |
設問13
解答:設問1:エ 設問2:オ 設問3:オ
(ア) | この事業部が扱う家庭用品市場がすでに成熟しており、価格競争でしかシェア拡大が難しくなっていたため、コスト削減をトップが指示した可能性があるから。 ⇒×:仮に低価格であってもコスト削減が実現できれば市場シェアの増大および利益の維持は可能である。 |
(イ) | 事業部によって異なる目標管理制度が導入されたため、当該事業部の従業員が公平性を欠くと認識しこれに反発した可能性があるから。 ⇒×:目標管理制度を導入しても従業員の反発を招くことは少ない。 |
(ウ) | 市場シェア目標やコスト管理目標が、事業部の投資利益率目標とは連携していても、A社全体の利益率目標と合理的に連携していなかった可能性があるから。 ⇒×:投資利益率目標と利益率は連携する。 |
(工) | 市場シェア目標を達成するために、マーケティング部門は価格を低く設定し、その結果、販売数量が増加し、生産部門はコスト管理を徹底したために品質を犠牲にすることになった可能性があるから。 ⇒○:正しい。 |
(オ) | 市場シェアや生産コスト管理のような、成果主義による管理方針に対して、従業員が反発した可能性があるから。 ⇒×:従業員が反発したと推測される記述はない。 |
(オ) | 新規事業開発についてミドルマネジメントに十分な権限を委譲していないため、彼らの知識創造力を十分活用できていない可能性があるから。 ⇒×:工場やマーケティング部門への権限移譲は進んでいる為、ミドルマネジメントに十分な権限を委譲していると考えられる。 |
(ア) | 市場の動向に関する情報をもつ現場の従業員に権限を与え、ボトムアップで変革案を作成させる。 ⇒×:変革期の創造は、トップダウンで行なうべきである。 |
(イ) | 従業員に業績連動型の報酬制度を導入し、企業の利益と職務の関係を明確にする。 ⇒×:業績連動型の報酬制度を導入しても効果は表れない。 |
(ウ) | 中間管理職に権限を委譲し、彼らの自主性を重視したチーム運営ができるようにする。 ⇒×:中間管理職への権限移譲は進んでいる。 |
(工) | 中間管理職を横断する組織を作って、合議による変革プランを作成させる。 ⇒×:中間管理職からなる合議による変革プランではシングルループ学習を促進してしまう。 |
(オ) | トップマネジメントによる方針決定と執行担当管理者の意思決定権限の所在を明確に定義する。 ⇒○:正しい。 |
設問14
解答:オ
(ア) | 時間給のような固定給制度は、個人の特性による差異を反映した公平理論と整合性が高い。 ⇒×:公平理論とは、モチベーションや報酬に関する理論の1つ。人は、「自分の仕事への取り組みと対価としての報酬」と、「他人の仕事への取り組みと対価としての報酬」を比較し、その内容に不公平を感じる場合、公平性を感じるような状態に近づく行動をとるように動機づけられるという理論。公平理論は、能力給と整合性が高い。 |
(イ) | 職能資格制度のような能力給は、仕事そのものにやりがいを見いだそうとする内発的動機づけ理論と整合性が高い。 ⇒×:職能資格制度とは 職能資格制度とは、従業員1人1人の能力の高さを基準に、賃金や格付を決めていく人事制度であり、内発的動機づけ理論と整合性は高くない。 |
(ウ) | 職務給制度は、その職務をよりよく遂行することを通じて自己実現を達成しようとする欲求階層説と整合性が高い。 ⇒×:職務給制度とは、従業員の職務の難易度内容等に応じて給与を決定する制度である。欲求階層説と整合性が高くない。 |
(工) | 年功給与制度は、年齢の上昇とともにそれに見合った能力を身につけようとする人間の達成動機と整合性が高い。 ⇒×:年功給与制度とは、 勤続年数、年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度である。人間の達成動機と整合性は高くない。 |
(オ) | 利益分配制度のような変動給与制は、個人の業績とモチベーションが最大になったときに受け取る報酬との間に強い関係があるとする期待理論と整合性が高い。 ⇒○:正しい。 |
設問15
解答:オ
- A
- 社内計画的開発に該当する。
- B
- ジョイントベンチャー(合併)に該当する。
- C
- ジョイントベンチャーに該当する。
- D
- 社内ベンチャーに該当する。
- E
- 買収に該当する。
したがって、オが正解である。