平成22年度1次試験問題:中小企業経営・中小企業政策
設問1
次の文章の空欄AとBに入る最も適切な語句の組み合わせを下記の解答群から選べ。
わが国における企業倒産の多くは中小企業によるものである。(株)東京商工リサーチ「全国企業倒産白書」によれば、2008年に発生した企業倒産件数(負債金額1千万円以上)のうち、中小企業(資本金1億円未満)が全体の97.5%を占めている。同年の業種別の倒産件数を見ると【 A 】の倒産が最も多く、倒産要因別の倒産件数を見ると、1998年から2008年まで一貫して【 B 】によるものが最も多くなっている。
【解答群】 (ア) A:建設業 B:販売不振 (イ) A:建設業 B:放漫経営 (ウ) A:サービス業 B:販売不振 (工) A:サービス業 B:放漫経営
設問2
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
わが国経済において、中小企業は大きな役割を果たしている。財務省「法人企業統計」によれば、法人企業の産出する付加価値額(2007年度)の【 A 】割強を中小企業(資本金1億円未満の法人企業)が占めており、そのシェアは1960年からおおむね安定的に推移している。
また、総務省「事業所・企業統計調査(2006年)」によれば、企業ベースで、@民営非一次産業の会社の常用雇用者数と個人事業所の従業者総数4,012万人のうち約【 B 】割が中小企業(中小企業基本法において定義されるもの)で雇用されており、A雇用機会の提供という面でも中小企業は大きな役割を果たしている。
(設問1)
文中の空欄AとBに入る最も適切な数値の組み合わせはどれか。
【解答群】 (ア) A:5 B:5 (イ) A:5 B:7 (ウ) A:7 B:3 (工) A:7 B:5 (オ) A:7 B:7
(設問2)
文中の下線部@について、総務省「事業所・企業統計調査(2006年)」に基づき、企業ベースで会社の常用雇用者数と個人事業所の従業者総数を産業別規模別に見た場合、次の産業において、中小企業(中小企業基本法において定義されるもの)の構成比が高いものから低いものへ並べた組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a | 建設業 |
b | 製造業 |
c | 飲食店、宿泊業 |
【解答群】 (ア) a 建設業 ― b 製造業 ― c 飲食店、宿泊業 (イ) a 建設業 ― c 飲食店、宿泊業 ― b 製造業 (ウ) b 製造業 ― a 建設業 ― c 飲食店、宿泊業 (工) b 製造業 ― c 飲食店、宿泊業 ― a 建設業 (オ) c 飲食店、宿泊業 ― a 建設業 ― b 製造業
(設問3)
文中の下線部Aについて、総務省「就業構造基本調査」に基づき、2002年時点と2007年時点の中小企業と大企業における雇用形態を比較した場合、最も適切なものはどれか。なお、ここでは、非一次産業の従業者数299人以下(卸売業、サービス業は99人以下、小売業、飲食店は49人以下)の企業を中小企業、それ以外を大企業とし、正社員とは「常雇」かつ「正規の職員・従業員」を示す。
【解答群】 (ア) 大企業と中小企業とも正社員比率は増加している。 (イ) 大企業の正社員比率の減少幅は中小企業の正社員比率の減少幅を上回っている。 (ウ) 中小企業の正社員比率は大企業の正社員比率を2007年時点のみ上回っている。 (工) 中小企業の正社員比率は大企業の正社員比率を両時点とも上回っている。
設問3
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
自動車産業は長らくわが国のリーディング産業とされてきたが、@世界規模で企業間競争が激化する中で、自動車(完成車)メーカー各社は競争力向上に向けて、生産ネットワークの再編、次世代自動車・技術の開発、部品の共通化やAモジュール生産方式の導入等によるコストダウンに取り組んでおり、生産組織の基盤を担ってきたB中小自動車部品メーカーも生き残りをかけた対応を迫られている。
(設問1)
文中の下線部@について、2009年実績(生産台数ベース)で見て、世界最大の自動車生産国はどこか。
【解答群】 (ア) インド (イ) 中国 (ウ) ドイツ (工) 日本 (オ) 米国
(設問2)
文中の下線部Aについて、モジュール生産方式の導入により自動車メーカーが期待できる効果として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 組立作業の効率化 (イ) 直接取引する部品メーカー数の減少による取引(調整)コストの削減 (ウ) 直接取引する部品メーカー数の増加による価格交渉力の向上 (工) 部品メーカーの生産・開発力の活用
(設問3)
文中の下線部Bについて、近年の事業環境の変化を受けた中小自動車部品メーカーの取り組みとして、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 営業部門の閉鎖・縮小による生産活動への特化 (イ) コア技術を活かした新事業・新分野への展開 (ウ) 受注先企業のグローバル展開に対応した海外拠点の新設 (工) 素材・加工法の見直しによるコスト競争力の強化 (オ) 電機・電子系技術の取り込み
設問4
次の文中の空欄AとBに最も適切な語句の組み合わせを下記の解答群から選べ。
経済産業省「商業統計表」に基づき、2004年と2007年の卸売業の推移を見た場合、【 A 】は増加し、【 B 】は減少している。
【解答群】 (ア) A:事業所数と従業者数 B:年間販売額 (イ) A:従業者数 B:事業所数と年間販売額 (ウ) A:年間販売額 B:事業所数と従業者数 (工) A:年間販売額と事業所数 B:従業者数 (オ) A:年間販売額と従業者数 B:事業所数
設問5
財務基盤がぜい弱な成長初期の中小企業にとって、リスクマネーを供給するエクイティファイナンスの担い手として、ベンチャーキャピタルが果たすべき役割は大きいと考えられるが、(財)ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャーキャピタル等投資動向調査」に基づき、わが国のベンチャーキャピタルの投資残高を1998年度からの10年間で見ると最大1兆円程度で推移しており、わが国金融機関の中小企業向け貸出残高と比較しても小さな規模にとどまっているのが現状である。
日本のベンチャーキャピタル投資残高を、米国、ユーロ圏と比較した場合、最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 米国およびユーロ圏をともに下回っている。 (イ) 米国を上回っている。 (ウ) 米国を上回っているがユーロ圏を下回っている。 (工) ユーロ圏を上回っている。 (オ) ユーロ圏を上回っているが米国を下回っている。