平成14年度1次試験問題:中小企業経営・中小企業政策
設問11
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
近年、研究開発に関する大学と民間企業との連携(産学連携)が注目を集めている。
その一環として、大学から企業への技術移転を行う機関TLO(Technology Licensing
Organization)の設立が相次いでいる。しかし、日本におけるTLO の活動はまだ始まったばかりであり、さまざまな課題を抱えている。
(設問1)
TLO の活動内容に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 取得した特許の実施許諾(ライセンス)を、適正な特許使用料を支払った企業に与える。 (イ) 大学等の研究者の研究成果を譲り受けて、特許を出願し、取得する。 (ウ) 特許使用料収入に基づいて特許権の管理・運営を行い、収益の一部を大学や研究者に還元する。 (エ) 特許使用料収入を用いて、ライセンスを受けた企業の研究開発活動に対して必要な資金援助を行う。
(設問2)
これまでのTLO の抱える課題に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a) | 企業側の技術ニーズの把握が不十分である。 |
(b) | 技術移転後の事業化支援が重視され過ぎて、本来の機能である技術移転が十分に行われなくなっている。 |
(c) | 技術移転に対する旺盛な需要に対して供給できる技術が不足している。 |
(d) | 技術移転や特許の出願・管理について専門知識と能力を備えた人材が不足している。 |
(e) | どの大学のどこにどのような研究成果があるかが中小企業者にとって理解しにくい。 |
【解答群】
(ア)aとbとc
(イ)aとdとe
(ウ)bとcとd
(エ)bとdとe
設問12
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
近年、企業の開業率の低迷が問題になっている。開業率の低下は既に1980年代から見られたが、1990年代に入ってからは廃業率が一貫して開業率を上回り、企業数の減少が続いている。このような開業率の低迷と企業数の減少傾向は経済活力の衰えを招くものと懸念され、さまざまな形で創業支援が行われているが、十分な効果を上げるには至っていない。
(設問1)
総務省「事業所・企業統計調査」に基づいて開廃業率の推移を個人企業と法人企業に分けて見た場合に、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a | 1981年以降1999年まで、個人企業の開業率が法人企業の開業率を上回っている。 |
b | 1981年以降1999年まで、個人企業の廃業率が開業率を上回っている。 |
c | 1981年以降1999年まで、個人企業の廃業率が法人企業の廃業率を上回っている。 |
d | 1981年以降1999年まで、法人企業の開業率が廃業率を上回っている。 |
【解答群】
(ア)aとb
(イ)aとd
(ウ)bとc
(エ)cとd
(設問2)
総務省「事業所・企業統計調査」に基づいて、平成8年から平成11年にかけての事業所数の減少率の大きい順にa〜d の産業分野を並べるとする。最も適切な順序を、下記の解答群から選べ。
a | 建設業 |
b | 製造業 |
c | 小売業 |
d | サービス業 |
【解答群】
(ア)a―c―d―b
(イ)b―c―a―d
(ウ)c―d―b―a
(エ)d―b―a―c
(設問3)
1980年代から開業率が大きく低下したことの原因についてはさまざまな意見がある。低下の原因として、以下のa〜f の記述のうち最も適切なものの組み合わせを、下記の解答群から選べ。
a | 多くの産業で規制が強く、参入障壁が高かった。 |
b | 技術の高度化等により、創業に必要な資金が高額になった。 |
c | 主要な市場が成熟期を迎え、事業のアイデアが枯渇してきた。 |
d | 創業に対する支援措置が十分でなかった。 |
e | 創業のために高度な経営資源が必要になったために開業までに時間がかかるようになり、創業意欲の高い若年層による創業が困難になった。 |
f | 日本社会が豊かになって特に若年層の安定志向が強まり、リスクを負って創業する意欲が低下した。 |
【解答群】
(ア)aとcとd
(イ)aとeとf
(ウ)bとcとd
(エ)bとeとf
設問13
平成8年から平成12年までの倒産企業の業歴別構成比の特徴を、帝国データバンク 「全国企業倒産集計」に基づいて記述したものとして、最も適切なものはどれか。
【解答群】 (ア) 業歴5年未満の若い企業の倒産が減少している一方、業歴30年以上の企業の倒産は増加している。 (イ) 業歴5年未満の若い企業の倒産が減少するとともに、業歴30年以上の企業の倒産も減少している。 (ウ) 業歴5年未満の若い企業の倒産が増加している一方、業歴30年以上の企業の倒産は減少している。 (エ) 業歴5年未満の若い企業の倒産が増加するとともに、業歴30年以上の企業の倒産も増加している。
設問14
次の文章を読んで、以下の設問に答えよ。
平成11年の臨時国会において、中小企業基本法が36年ぶりに@全面改正された。A改正中小企業基本法において、国は多様で活力ある中小企業の成長発展のために、経営の革新及び創業の促進、経営基盤の強化、B経済的社会的環境の変化への適応の円滑化、の3つを柱とした政策を講ずるものとしている。このような政策が必要とされ
るのは、中小企業が創意工夫を生かして経営の向上を図るための事業活動を行うことを通じて、我が国経済の活力維持・強化にC重要な役割を果たすことが期待されているからである。
(設問1)
文中の下線部@に関して、中小企業の定義が改正された。この記述として、正しいものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)卸売業における中小企業の定義は、資本金5千万円以下又は従業員数100人以下に拡大された。
(b)従業員数の基準はサービス業のみ引き上げられた。
(c)中小企業の定義の拡大にあわせ、小規模企業の定義も変更された。
(d)全ての業種において資本金基準が引き上げられた。
【解答群】
(ア)aとc
(イ)aとd
(ウ)bとc
(エ)bとd
(設問2)
文中の下線部Aの改正中小企業基本法に関する下記のa〜c の記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを解答群から選べ。
(a)中小企業の社会的・経済的地位の向上を基本理念としている。
(b)中小企業政策について基本方針を定めており、個別の具体的な政策を規定することはなされていない。
(c)中小企業と大企業との生産性における格差の存在を中小企業問題として認識している。
【解答群】
(ア) a:正 b:正 c:誤 (イ) a:正 b:誤 c:誤 (ウ) a:誤 b:正 c:正 (エ) a:誤 b:正 c:誤
(設問3)
文中の下線部Bに関連する中小企業施策として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)中小企業技術革新制度
(b)地域プラットホームの整備
(c)中小企業体質強化資金助成制度
(d)中小企業倒産防止共済制度
【解答群】
(ア)aとb
(イ)aとd
(ウ)bとc
(エ)cとd
(設問4)
文中の下線部Cに関して、中小企業基本法においては、 【 A 】 、就業機会の増大、【 B 】、【 C 】を、中小企業が担う役割として期待している。
空欄A、B、C に入る最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)新たな産業の創出
(b)構造改革の促進
(c)産業構造の高度化
(d)市場における競争の促進
(e)地域における経済の活性化
【解答群】
(ア)aとbとc
(イ)aとdとe
(ウ)bとcとd
(エ)cとdとe
設問15
ハイテク関連のベンチャー企業であるX 社(創業3年、従業員数10人)は、新たなビジネスプランを有している。X 社は、この計画の実施にともない発生する資金需要に対応するため、投資家との出会いを希望している。
このX 社の希望に応えるイベントとして、最も適切なものはどれか。
【解答群】
(ア)技術・市場交流プラザ
(イ)経営革新推進交流会
(ウ)ベンチャーフェア
(エ)ベンチャープラザ