令和7年度1次試験解答:経営情報システム
設問6
解答:ウ
| a | コンソーシアム型ブロックチェーンでは、誰もがブロックチェーン上のデータを読むことも書き込むこともできる。 →誤:コンソーシアム型ブロックチェーンは、複数の特定の企業や組織が共同で管理・運営するブロックチェーンである。参加者は許可された組織や個人に限定される「パーミッション型」に分類される。データの読み取りや書き込みの権限も、コンソーシアムの参加者や管理者に制限されるのが一般的である。「誰もがブロックチェーン上のデータを読むことも書き込むこともできる」のは、誰でも自由に参加できるパブリック型ブロックチェーンの特徴である。したがって、この記述は誤りである。 |
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| b | パブリック型ブロックチェーンでは、ブロックチェーンにデータを書き込むために、コンセンサスアルゴリズムによる正当性の承認が必要になる。 →正:パブリック型ブロックチェーンは、ビットコインやイーサリアムに代表されるように、不特定多数の誰でもが自由に参加できるブロックチェーンである。中央管理者が存在しないため、取引の正当性を検証し、合意を形成する仕組みとしてコンセンサスアルゴリズムが用いられる。データをブロックチェーンに書き込むためには、このコンセンサスアルゴリズムによる承認プロセスを経る必要がある。したがって、この記述は正しい。 |
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| c | プライベート型ブロックチェーンでは、ブロックチェーンにデータを書き込むために、ネットワーク参加者全員による承認が必ず必要になる。 →誤:プライベート型ブロックチェーンは、単一の企業や組織が管理するブロックチェーンであり、参加者は管理者の許可を得た者のみに限定される。中央管理者が存在するため、データの書き込みに関するルールは管理者が決定する。必ずしも「ネットワーク参加者全員による承認が必ず必要になる」わけではなく、特定の承認者(ノード)の承認のみで済ませるなど、より高速で効率的な承認プロセスを設計することが可能である。したがって、この記述は誤りである。 |
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| d |
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したがって、(ウ)a:誤 b:正 c:誤 d:誤が正解である。
設問7
解答:オ
| (ア) | アルファテストでは、システム開発の最終段階で、開発中のソフトウェアを利用者に提供し、実際に使用してもらって、システム要件を満たしているかを検証する。 →×:アルファテストは、開発の最終段階において、開発者のもとで、管理された環境下で、ユーザー(または開発者以外のテスター)にシステムを試用してもらうテストである。一方、記述にあるように「開発中のソフトウェアを利用者に提供し、実際に使用してもらって」フィードバックを得るテストは、開発者の管理下を離れた実際の利用環境で行われるベータテストの説明である。したがって、この記述は誤りである。 |
| (イ) | 回帰テストでは、大量アクセスなどの負荷をかけて応答時間や資源利用状況などを測定し、高負荷状況でのソフトウェアの振る舞いを検証する。 →×:回帰テスト(リグレッションテスト)は、プログラムの修正や機能追加を行った際に、その変更によって既存の機能に意図しない不具合(デグレード)が発生していないかを確認するために実施するテストである。記述にある「大量アクセスなどの負荷をかけて応答時間や資源利用状況などを測定し、高負荷状況でのソフトウェアの振る舞いを検証する」テストは、負荷テストや性能テストと呼ばれるものである。したがって、この記述は誤りである。 |
| (ウ) | 境界値分析とは、データを有効値と無効値のグループに分け、おのおののグループから代表値を1つずつ選んでテストする技法である。 →×:境界値分析は、仕様上の有効な値と無効な値の境界となる値、およびそのすぐ隣の値をテストデータとして重点的にテストする技法である。バグは仕様の境界で発生しやすいという経験則に基づいている。記述にある「データを有効値と無効値のグループに分け、おのおののグループから代表値を1つずつ選んでテストする技法」は、同値分割法(同値クラステスト)の説明である。したがって、この記述は誤りである。 |
| (エ) | ドライバとは、上位モジュールから下位モジュールへと順に結合してテストを実施する際、呼び出し先の下位のモジュールが未完成の場合、その代わりとなるテスト用ダミーモジュールのことである。 →×:テスト対象のモジュールをテストするために、周辺の未完成モジュールの代わりとして用意されるプログラムをテストハーネスと呼ぶ。そのうち、スタブは、テスト対象の上位モジュールから呼び出される下位モジュールの代わりとなるダミーモジュールである。一方、ドライバは、テスト対象の下位モジュールを呼び出すための仮の上位モジュールである。記述は、トップダウンテストで用いられる「スタブ」の説明をしているが、主語が「ドライバとは」となっているため、誤りである。 |
| (オ) | ホワイトボックステストでは、モジュール内の分岐や繰り返しなど、内部ロジックの正しさを検証する。 →〇:ホワイトボックステストは、内部構造やソースコードに着目してテストケースを設計する技法である。プログラム内のすべての命令を少なくとも一度は実行する「命令網羅」や、すべての分岐条件を網羅する「分岐網羅(デシジョンカバレッジ)」などがある。記述の通り、モジュール内の分岐や繰り返しといった内部ロジックの正しさを検証するのがホワイトボックステストの目的である。したがって、この記述は正しい。 |
設問8
解答:ウ
| a | エッジコンピューティングは、IoT機器や、その近くに配置したコンピュータでデータを処理する技術である。 →正:記述の通り、エッジコンピューティングは、IoTデバイスそのものや、デバイスが設置された場所の近く(エッジ)にサーバなどを配置してデータを処理する技術である。すべてのデータをクラウドに送信するのではなく、データの発生源に近い場所で一次処理を行うことで、通信遅延の低減、ネットワーク帯域の負荷軽減、セキュリティの向上といったメリットが得られる。リアルタイムな応答が求められる工場の機械制御や自動運転などで特に重要な技術である。 |
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| b | IoT機器に使用されるすべてのワンボードマイコンには、OSとしてLinuxが組み込まれている。 →誤:「すべての」という記述が誤りである。ワンボードマイコンには、Raspberry PiのようにLinuxディストリビューションが広く利用されるものも存在するが、ArduinoのようにOSを搭載しない(ベアメタルプログラミング)ものや、FreeRTOS、Mbed OSといったリアルタイムOS (RTOS) など、Linux以外のOSが用いられるケースも多数ある。用途やハードウェアの制約に応じて最適な環境が選択されるため、Linuxに限定されるわけではない。 |
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| c | IoT機器の構成要素の1つであるサーミスタは、方位センサーである。 →誤:サーミスタ (Thermistor) は、温度の変化によって電気抵抗値が大きく変わる性質を利用した電子部品であり、温度センサーとして用いられる。一方、方位センサーには、地磁気を検出する地磁気センサー(電子コンパス)などが用いられる。サーミスタと方位センサーは全く異なる役割を持つセンサーであるため、この記述は誤りである。 |
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| d | LPWA(Low Power Wide Area)は、広範囲をカバーし、低消費電力で運用できる通信技術である。 →正:記述の通りLPWA(低電力広域) は、その名の通り低消費電力(Low Power)で広範囲(Wide Area)をカバーできる無線通信技術の総称である。通信速度は低速に抑えられているが、少ない電力で数kmから数十kmといった長距離の通信が可能なため、電源の確保が難しい屋外に設置されるセンサーなど、少量のデータを長期間にわたって送信するIoTデバイスに適している。代表的な規格にLoRaWANやSigfox、NB-IoTなどがある。 |
したがって、(ウ)a:正 b:誤 c:誤 d:正が正解である。
設問9
解答:オ
稼働率 を0.9 として各構成の稼働率を計算する
| a |
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| b |
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| c |
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設問10
解答:イ
| (ア) | フェイルオーバとは、故障や障害が発生したときに、一部の機能を低下させても、限定的ながら重要な機能だけでも稼働し続けるように設計することである。 →×:フェイルオーバとは、稼働中のシステム(本番系)に障害が発生した際に、自動的に待機しているシステム(待機系)に処理を引き継がせる仕組みのことである。記述にある「一部の機能を低下させても、限定的ながら重要な機能だけでも稼働し続ける」設計は、フェイルソフトと呼ばれる。したがって、この記述は誤りである。 |
| (イ) | フォールトアボイダンスとは、部品一つ一つの信頼性を高めることで、故障や障害が発生しないように設計することである。 →〇:フォールトアボイダンスとは、システムを構成する部品やコンポーネントに信頼性の高いものを採用したり、開発段階で十分なテストを行ったりすることで、そもそも故障や障害(フォールト)が発生しないようにするという考え方である。記述は、このフォールトアボイダンスの概念を正しく説明している。 |
| (ウ) | フォールトトレランスとは、人為的な操作ミスがあっても危険が生じず、システムに異常が起こらないように設計することである。 →×:フォールトトレランスとは、システムに障害が発生することを前提とし、障害が発生してもシステム全体としては停止することなく、処理を継続できるようにする設計思想である。多重化(冗長化)などの技術が用いられる。記述にある「人為的な操作ミスがあっても危険が生じず、システムに異常が起こらないようにする」設計は、フールプルーフと呼ばれる考え方に近い。したがって、この記述は誤りである。 |
| (エ) | フォールトマスキングとは、故障や障害が発生したときに、システムの被害を最小限にとどめるように設計することである。 →×:フォールトマスキングとは、フォールトトレランスを実現する技術の一つで、障害が発生しても、その影響が外部に現れないように隠蔽(マスク)する仕組みである。例えば、多数決回路などで一部の部品が誤った結果を出力しても、多数決によって正しい結果が出力されるような場合がこれにあたる。「システムの被害を最小限にとどめる」というよりは、障害の影響を表面化させない点が特徴である。この記述はフォールトマスキングを正確に説明しているとは言えないため、誤りである。 |
| (オ) | フォールバックとは、故障や障害が発生したときに、待機系システムが処理を継続するように設計することである。 →×:フォールバックとは、障害発生時に、システムを完全に切り替えるのではなく、機能や性能を縮小した状態で処理を継続する、あるいは手作業などの代替手段に切り替えることである。記述にある「待機系システムが処理を継続するように設計すること」は、アで述べたフェイルオーバの説明である。したがって、この記述は誤りである。 |
