平成20年度1次試験解答:運営管理
設問1
解答:ア
(ア) | p管理図は、不適合晶(不良品)の数を管理するために用いられる。 →×:np管理図に関する説明である。np管理図とは、不適合品数を用いて工程を評価するための管理図である。 |
(イ) | X-R管理図は、デ-夕の平均値と範囲を用いた管理図である。 →○:X-R管理図は平均値と範囲で中心地のズレやバラツキを監視するための管理図である。 |
(ウ) | 管理図には、管理限界を表す線が措かれる。 →○:管理図では、統計的に導かれた情報管理限界線と下方管理限界線のふたつの値の間に、製品が収まっていない場合には、その製品の品質に異状があると考えられる。また、全体的に中心線より上方・下方に偏っている場合には、製造工程に問題があるとも考えられる。 |
(工) | 計量値の管理図は、 一般にデ-夕が正規分布に従うことを仮定している。 →○:計量値とは、連続確率変数で表わされるデータである。具体的には長さ、重さ、時間、強さなどのように計量器の精度によって細かく連続した数値が得られる。この計量値を用いた管理図では、一般にデータは正規分布に従う。 |
設問2
解答:イ
(ア) | 継続的改善 →○:JISでは、「継続的改善」について次のように要求されている。「組織は、品質方針、品質目標、監査結果、データの分析、是正処置、予防処置及びマネジメントレビューを通じて、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すること。」 |
(イ) | 是正処置 →○:JISでは、「是正処置」について次のように要求されている。「組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとること。 是正処置は、発見された不適合のもつ影響に見合うものであること。」 |
(ウ) | トレーサビリティ →×:トレーサビリティとは、物品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態をいう。トレーサビリティは、規定されていない。 |
(工) | 予防処置 →○:JISでは、「予防処理」について次のように要求されている。「組織は、 起こり得る不適合が発生することを防止するために、 その原因を除去する処置を決めること。 予防処置は、 起こり得る問題の影響に見合ったものであること。」 |
設問3
解答:エ
マテリアルハンドリングは、生産拠点や物流拠点内の原材料、仕掛品、完成品の全ての移動にかかわる取り扱いをさす。モノの取り扱いを増やせば価値を生みだすことなくコストを増すことになるため、マテリアルハンドリングの主要な目的はその取り扱いを極力へらすことである。そのためには、モノの移動距離の最小化、ボトルネックの改善、在庫レベルの最適化、ムダによる損失の減少、まちがいの最小化、セキュリティ強化、破損の最小化が考えられる。よいマテリアルハンドリングは大きくコスト削減に貢献する。
マテリアルハンドリングは、通常、「マテハン」と略して表現される。
(ア) | 活性荷物の原則は、荷物を活性の低い状態において安定させよ、ということである。 →×:活性荷物の原則は、荷物を雨後隠しやすい状態において安定させることである。具体的には、荷物をパレットなどを使って動かしやすい状態にしておくことである。 |
(イ) | 自重軽減の原則は、運搬の対象物の重さをできるだけ減らせ、ということである。 →×:自重軽減の原則は、運搬具の自重を減らすことにより運搬効率を上げることである。 |
(ウ) | 重力化の原則は、物の運搬に重力がかからないようにせよ、ということである。 →×:重力化の原則とは、重力に逆らわないで重力を活用して作業を行うことである。具体的には、ころがしたり、すべらせたりして重力を利用して人力を減らすことである。 |
(工) | 継目の原則は、運搬の過程で移動の終点と次の移動の始点との間で取り扱いの手間を少なくせよ、ということである。 →○:継目の原則は、運搬のお過程で移動の終点と次の始点との間で取扱いの手間を少なくせよということである。具体的には、工程間の品物の移動で、 積み替えが発生しないようにすることである。 |
設問4
解答:ウ
ワークサンプリングとは、作業の現場状況を観測し、作業ごとの構成比率や所要時間を統計的に分析し、統計結果から問題点を解明して効率よく作業が行えるようにすることを目的とした一手法です。
(ア) | 1名の観測者で、多くの観測対象の観測ができる。 →○:ワークサンプリングは、1名の観測者によって多数の観測対象を観測できる特徴があり、観測時間も短時間である。 |
(イ) | 確率論の考え方が基本となっている。 →○:ワークサンプリングは、確率の法則に基づいて職場を瞬間観測する手法である。 |
(ウ) | 作業の時間値を直接得ることができる。 →×:ワークサンプリングとは、作業の現場状況を観測し、作業ごとの構成比率や所要時間を統計的に分析する手法である。すなわち時間値を直接得るわけではない。 |
(工) | 連続観測法と比較して、労力が少なくて済む。 →○:連続観測法とは、長時間にわたり、同一の対象の動きを直接測定法の時間研究の手法を利用し、ストップウォッチにより連続的に観測します。詳細な分析には都合がよいのですが、調査対象が限定され手間がかかることや、作業者が対象の場合は調査を意識した行動をとりやすいなどの欠点がある。ワークサンプリングは連続観測法と比較して、労力が少なくて済む。 |
設問5
解答:ウ
(ア) | PTS法は、分析が容易な方法で、繰り返しの少ない作業に適した手法である。 →×:PTS法は既定時間標準法といわれ、人間の行う作業を基本動作に分解し、各基本動作に、予め定めておいた時間値をあてはめることで標準的作業時間を算出する手法である。PTS法では正確な分析をする為に専門的な訓練と知識、十分な経験が必要である。すなわち分析が容易とはいえない。 |
(イ) | 実績資料法は、作業時間のデータを分類・整理して図表や式等にまとめたものを用いて標準時間を設定する方法で、同じ要素作業が含まれる作業に適した手法である。 →×:標準時間資料法は、作業時間のデータを分類・整理して図表や式等にまとめたものを用いて標準時間を設定する方法で、同じ要素作業が含まれる作業に適した手法である。 |
(ウ) | ストップウオッチ法は、実際の作業を直接測定する方法で、繰り返しの多い作業に適した手法である。 →○:ストップウオッチ法とは、要素作業ごとにストップウオッチで時間を計測し、要素作業または単位作業に要する時間を直接測定する手法である。 |
(工) | 標準時間資料法は、過去のデータを基礎として標準時間を設定する方法で、繰り返しの少ない作業に適した手法である。 →×:実績資料法は、過去のデータを基礎として標準時間を設定する方法で、繰り返しの少ない作業に適した手法である。 |