平成20年度1次試験解答:企業経営理論
設問26
解答:エ
事業場外労働制とは、労働者が業務の全部または一部を事業場外で従事し、使用者の指揮監督がおよばないために、その労働時間の算定が困難な場合に、「特定の時間」を労働したとみなすことができる制度である。
(ア) | 事業場外においてその業務を遂行するために通常必要な時間は、労使協定で定めることができ、この場合の事業場外での労働時間は同協定に定められた時間が労働時間とされる。 →○:通常の状態でその業務を遂行するために客観的に必要とされる時間を超えて労働することが必要となる場合で、この場合は労使協定を締結し、「当該業務の遂行に通常必要とされる時間」を定める場合には、その定めた時間労働したものとみなされます。 |
(イ) | 事業場外で労働した場合、使用者が労働時間を算定することが困難なときは、原則として所定労働時間労働したものとみなされる。 →○:労働者が業務の全部または一部を事業場外で従事し、使用者の指揮監督がおよばないために、その労働時間の算定が困難な場合に、「特定の時間」を労働したとみなすことができる。 |
(ウ) | 何人かのグループで事業場外労働した場合で、そのメンバーの中に労働時間を管理する者がいるときは、実際に労働した時間が労働時間となる。 →○:何人かのグループで事業場外労働した場合で、そのメンバーの中に労働時間を管理する者がいるときは、労働時間の算定が可能であるので、みなし労働時間制の適用はない。 |
(工) | 訪問先、帰社時刻など当日の業務について具体的な指示を受けて、事業場外で業務を遂行して帰社した場合、所定労働時間を超えていても.所定労働時間労働したものとみなされる。 →○:事業場外労働に関するみなし労働時間制の対象となるのは、事業場外で業務に従事し、かつ、「使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務」であることが必要です。すなわち具体的な指示を受けている場合は対象とならない。 |
設問27
解答:ア
(ア) | 過去の膨大なサービス対応事例をまとめた詳細なマニュアルを作成して、従業員が暗記するまで徹底して指導している。 →×:宿泊者に応じた上質のサービスで知られるある旅館などでは、マニュアル通りの対応は必ずしも顧客満足にはつながらない。上質のサービスである以上は顧客によってサービスを変えるなどの柔軟な対応が求められる。 |
(イ) | 顧客重視に関する旅館の理念を記載したカードを就業中所持させている。 →○:個々の従業員に旅館の理念を浸透させることができる。 |
(ウ) | 顧客の好みについて従業員の気づいたことを、携帯端末を使って、なるべく即時に入力して、それを顧客データベースに統合し、全員で情報を共有している。 →○:全員で情報を共有することで適切なサービスを提供できるようになる。 |
(工) | 宿泊業界に限らず優秀なサービス提供企業を、従業員に見つけ出させて、それを実際に体験する研修会を行っている。 →○:同じ業界に限らず優秀なサービスを提供する企業の体験研修は更なる顧客サービスの向上につながる。 |
(オ) | 朝礼のときに、前日のトラブルとその解決に関する情報や、良い判断をした従業員の対応について、話している。 →○:前日のトラブルとその解決に関する情報や、良い判断をした従業員の対応を従業員が共有し役立てることができる。 |
設問28
解答:イ
(ア) | 価格帯が低い製品ラインに既存ブランドをつけると、既存ブランドのイメージが低下してしまう。 →○:価格帯が低い製品ラインに既存ブランドをつけた場合、既存ブランドが値下げされたものと受け取られかねない。その結果、ブランドイメージは低下してしまう。 |
(イ) | 既存の製品ブランドから生じるハロー効果を利用することによって、既存の製品ラインの顧客とは別の顧客層に訴求できる。 →×:ハロー効果とは、モノや人を評価する時に、ある特徴的な一面に影響され、その他の側面に対しても同じように評価してしまうことである。既存の製品ブランドから生じるハロー効果を利用することによって、既存の製品ラインの顧客層に訴求できる。 |
(ウ) | 従来とは別の市場に参入することになる場合、既存ブランドを活用してもマーケテイング戦略を新規に構築する必要がある。 →○:市場が異なるということは顧客も異なり既存ブランドの活用の仕方が異なってくる。そのため新たにマーケティング戦略を構築する必要がある。 |
(工) | 新規ブランドを採用すると、新しい製品ラインが失敗した場合に、すでに成功していたブランドに与える影響が少ない。 →○:ブランド拡張が失敗した場合、同じブランド名を持つ他の製品に対する消費者の態度を悪化させることがある。 |
設問29
解答:ウ
(ア) | インターネットを通じて利用客の声を多数集め、それを調査対象鑑定に活用することによって、ガイドブック購入者の参加意識を高めることが重要である。 →○:インターネットを通じて利用客の声を多数集めることで、ガイドブック購入者の参加意識を高めることができる。また、有用な情報を収集することができる。 |
(イ) | ガイドブック自体の認知度を高めるために、日本版の出版発表の前に、欧米版のガイドブックの認知度を高めるためのパブリシティを律極的に行うことが重要である。 →○:パブリシティーとは、企業や団体が、マスコミなどに対して積極的に情報公開するなどして、報道されるよう働きかけること。 パブリシティを律極的に行い日本版の出版発表の前に、欧米版のガイドブックの認知度を高めることはガイドブックに対する認知度を高めることができる。 |
(ウ) | このガイドブックの主要な読者層と重なる女性誌とタイアップして、その女性誌の名前を冠したガイドブックにすることが重要である。 →×:女性誌とタイアップすることで公平性や客観性が損なわれることになる。 |
(工) | 信頼度が判別できない情報が多数あるので、調査員による信頼度の高い公正な情報を提供することが重要である。 →○:口コミなどの情報は信頼度が判別しにくい。調査員による信頼度の高い公正な情報を提供することで、ガイドブックとしての価値を高めることができる。 |
(オ) | 若い女性の旅行目的の1つとして、スパやエステティックサロンが挙げられることがあるので、都市だけでなく、リゾート地のホテルのスパやエステティックサロンも対象に加えるのが重要である。 →○:都市だけでなく、リゾート地のホテルのスパやエステティックサロンも対象に加えることにより購買動機を高めることができる。 |
設問30
解答:ウ
(ア) | スポーツイベントに協賛し、冠スポーツ大会とすることで、企業イメージを高めることが可能となる。 →○:企業が冠スポーツ大会を行うことの主な目的に企業イメージ向上と浸透がある。 |
(イ) | 世界的なスポーツイベントに協賛し、関連機器を提供することにより、権威付けを得られることになる。 →○:世界的なスポーツイベントに協賛し、関連機器を提供することにより、性能・品質をアピールすることができる。 |
(ウ) | 世界的なスポーツイベントに協賛し、競技場で広告看板を掲出することは、新製品のブランドロイヤルティの確立が主な日的となっている。 →×:ブランドロイヤリティとは、消費者が反復して特定のブランドを購入する程度のことを指す。消費者のブランドへの忠誠を意味しており、ブランドに対しての好みの度合いや信頼度の基準となる。競技場で広告看板を掲出してもブランドロイヤルティの確立には至らない。また主な目的はブランド認知度の向上である。 |
(工) | トップアスリートに用具を提供し、その選手やチームが活躍することによって、同等もしくは類似の用具の販売に寄与する。 →○:トップアスリートに用具を提供し、その選手やチームが活躍することによって、商品の性能・品質をアピールすることができる。 |
(オ) | 入手が困難なスポーツイベントのチケットを配布することによって、プロモーション効果を高めることができる。 →○:入手が困難なスポーツイベントのチケットを配布することによって、効果的なプロモーション活動を行うことが可能である。 |