平成21年度1次試験解答:中小企業経営・中小企業政策
設問11
解答:エ
(ア) | 外部資金調達面で不利性を有している。 ⇒×:中小企業は大企業よりも金利が高く株式や社債を発行している割合も低い。 |
(イ) | 外部の経営資源への依存度が高い。 ⇒×:中小企業は外部の経営資源への依存度が高い。 |
(ウ) | 経営者の個人的資質への依存度が高い。 ⇒×:中小企業は経営者の個人的資質への依存度が高い。 |
(工) | 人的資源の不足を補うため、階層的な管理組織を形成する必要性が高い。 ⇒○:中小企業は人的資源が不足している。そのため、階層的な管理組織を形成しにくい。 |
(オ) | 中小規模性ゆえに参入・存立が限定される事業分野がある。 ⇒×:中小規模性ゆえに参入・存立が限定される事業分野がある。 |
設問12
解答:ア
中小企業と大企業では、賃金水準や労働時間の点で、格差が存在するのが現状である。たとえば、厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2007年)」の再編加工結果から、企業規模別の正社員の平均給与額(きまって支給する現金給与額)を見ると、中小企業の29.8万円に対し、大企業では38.3万円であり、特に製造業・非製造業別では【A:製造業】における大企業と中小企業の賃金格差が大きい。ちなみに、大企業と中小企業の賃金格差(全業種)の推移を見ると、1990年代と比べて【B:拡大】している。また、正社員の1カ月当たりの平均労働時間数を見ても、中小企業の平均労働時間数184.3時間に対し、大企業では175.3時間となっており、中小企業が大企業を上回っている。
2009(平成21)年版中小企業白書 付注3-1-2 規模別正社員・非正社員の給与額推移(製造業・非製造業別)
〜製造業と非製造業での差が大きくなっている〜 より
2009(平成21)年版中小企業白書 第3-1-18図 規模別正社員・非正社員の給与額推移
〜大企業と中小企業での正社員における給与額の差は徐々に広がっている〜より
設問13
解答:エ
中小企業の定義は次のとおりである。
業種分類 | 中小企業基本法の定義 |
製造業その他 | 資本金3億円以下又は従業者数300人以下 |
卸売業 | 資本金1億円以下又は従業者数100人以下 |
小売業 | 資本金5千万円以下又は従業者数50人以下 |
サービス業 | 資本金5千万円以下又は従業者数100人以下 |
a | 従業員数60人の飲食業(資本金6千万円)は、中小企業と定義される。 ⇒×:飲食業は小売業に分類される。資本金・従業員数ともに中小企業と定義されない。 |
b | 従業員数150人の卸売業(資本金1億5千万円)は、中小企業と定義される。 ⇒×:資本金・従業員数ともに中小企業と定義されない。 |
c | 従業員数200人の運輸業(資本金2億円)は、中小企業と定義される。 ⇒○:運輸業は製造業その他に分類される。中小企業と定義される。 |
したがって、エが正解である。
設問14
解答:ア
中小ものづくり高度化法とは、中小企業によるものづくり基盤技術に関する研究開発及びその成果の利用を促進するための措置を講ずることにより、中小企業のものづくり基盤技術の高度化を図り、もって我が国製造業の国際競争
力の強化及び新たな事業の創出を通じて、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした法律である。
(ア) | 研究開発にかかわる諸経費を国が負担する「戦略的基盤技術高度化支援事業」の採択を受けるためには、特定研究開発等計画の認定が条件になります。 ⇒○:正しい |
(イ) | この法律では、国が「特定ものづくり基盤技術」として、御社の専門分野である金型の他、燃料電池、情報家電などを指定しています。 ⇒×:特定ものづくり基盤技術に指定されている20の技術分野に燃料電池、情報家電は含まれていない。 |
(ウ) | この法律に基づく支援を受けるためには、高度化指針に沿った適切な計画を作成し、都道府県知事の認定を受ける必要があります。 ⇒×:この法律に基づく支援を受けるためには、高度化指針に沿った適切な計画を作成し、経済産業局の認定を受ける必要があります。 |
(工) | 特定研究開発等計画の認定を受けると、日本政策金融公庫の低利融資を受けることができます。この場合、日本政策金融公庫の審査は免除されます。 ⇒×:特定研究開発等計画の認定を受けても、日本政策金融公庫の低利融資を受ける場合には日本政策金融公庫の審査を受ける必要がある。 |
設問15
解答:イ
下請かけこみ寺事業における主な業務は、次の3業務です。
- 相談業務
- ADR(裁判外紛争解決)業務
- ガイドライン業務(下請適正取引等ガイドラインの普及啓発業務)
したがって、イが正解である。