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平成23年度1次試験問題:経営法務

設問6

 中小企業診断士であるあなたと、顧客であるX株式会社(以下「X社」という。)の代表取締役の甲氏との会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、X社は、発行する株式の全てが譲渡制限株式であり、取締役会設置会社であるとする。また、定款に特段の定めもないものとする。

甲 氏 「そういえば、こんな書類が昨日来たんだよね。」
あなた 「えーと、Aさんが持っている御社の株式をBさんに譲渡したいから承認して欲しい……。株式の譲渡承認請求の通知ですね。」
甲 氏 「うん。そうなんだよ。この譲渡人って書いてあるAさんは、元々はうちの取引先だったんだけど、20年近く前に店を閉めてしまってね。その後もずっとうちの株を持っていてくれていたんだけど、もうさすがに譲渡したいということのようなんだ。株主が他の人に交代するのは仕方がないかなとは思うけど、ただ、今回来た書類に書いてあるBさんという人は全然知らない人だから、不安なんだよね。」
あなた 「もし、Bさんが株主となるのが、御社では好ましくないとお考えなら、今回の譲渡を拒否することもできるはずですよ。」
甲 氏 「そうなの、どうすればいいの。」
あなた 「えーと、確か、拒否するんだったら早いうちに回答をしないといけないはずで、回答しないと認めたことになってしまうと思いますよ。私も細かいところまでは分かりませんので、弁護士を紹介しますから、すぐに相談に行かれてはいかがですか。」
甲 氏 「ありがとう。早速相談に行ってみるよ。」

(設問1)
 会社法では、譲渡制限株式の譲渡について、譲渡承認請求がなされた日から一定期間内に、会社がその承認の可否に関する決定の通知をしなかった場合には、会社がその譲渡を承認したものとみなす旨の定めがある。この場合の一定期間として最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 1週間 
(イ) 2週間
(ウ) 20日間
(エ) 1か月

(設問2)
 X社で、本件の譲渡承認請求の可否について決定すべき機関として、最も適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 株主総会
(イ) 代表取締役
(ウ) 代表取締役又は株主総会のいずれか
(エ) 取締役会

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設問7

 特許・意匠登録・商標登録制度に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 意匠登録出願人は、特許出願人と異なり、意匠権設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にするよう請求することができる。
(イ) 特許権の存続期間の始期は、意匠権及び商標権と同様に設定登録の日から起算される点で共通し、設定登録の日から20年をもって終了する。
(ウ) 特許出願は、意匠登録出願及び商標登録出願と異なり、出願審査の請求を待って審査官により特許を受けることができる発明であるかについて審査が行われる。
(エ) 特許出願は、意匠登録出願と異なり、特許出願の日から1年6月を経過したときは特許掲載公報の発行したものを除き、願書に記載した事項及び願書に添付した明細書等に記載した事項並びに図面の内容等が出願公開される。

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設問8

 次の記述は、ある条約(以下「A」という。)に関するものである。「A」に該当するものとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 日本が1999年12月14日に加盟し、2000年3月14日付で効力が発生した商標登録の手続のための条約で、現在のところ、加盟国(地域を含む)は、80か国以上に及んでいる。
  商標その他特許、実用新案及び意匠は、基本的には属地主義のために各国(若しくは地域、以下、「各国」という。)ごとに登録しなければならないが、各国別に出願手続を行う場合、各国ごとの所定の条件に従わなければならず、あるいは料金の支払いが必要となる。そして、各国別にそこに居住する弁護士又は弁理士によらなければ出願手続ができない。
  そこで、これらの不都合を解消するため、世界知的所有権機関WIPO(国際事務局)は、1891年4月に「A」の親というべき条約を制定したが、未加盟国から、使用言語(フランス語のみ)、審査期間(12か月)、本国登録への従属性(国際登録日から5年を経過していない国際登録に関して本国登録が何らかの理由により消滅した場合には、国際登録も同時に消滅する)などその加盟を困難にさせる問題点があることが指摘された。「A」は、これらの問題点を克服して、より多くの国が参加できるような商標の国際登録制度を確立することを目的に独立した条約として1989年6月に採択されたものである。
  「A」の制度のもとでは、締約国の官庁に商標登録出願をし又は商標登録を受けた名義人は、その出願又は登録を基礎に、保護を求める締約国を指定し、本国官庁を通じて国際事務局に国際出願をし、国際登録を受けることにより、指定国官庁が12か月(又は、各国の宣言により18か月)以内に拒絶の通報をしない限り、その指定国において商標の保護を確保することができる。

【解答群】
(ア) Benelux Convention on Intellectual Property
(イ) Community Trade Mark
(ウ) Protocol Relating to the Madrid Agreement Concerning the International Registration of Marks
(エ) The Paris Convention, known as the International Convention for the Protection of Industrial Property

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設問9

 商標法上の商品に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

【解答群】
(ア) 運送業者が、貨物自動車の運送の提供に関連して使用する段ボール箱を役務の提供とは独立して継続的に販売する場合には、その段ボール箱は、商標法上の商品である。
(イ) 商品は、流通性のあるものでなければならないため、料理屋の店内で飲食のために提供される料理は、商標法上の商品ではない。
(ウ) 予備校で講座の教材として用いられる印刷物は、独立して取引の対象とされる場合であっても、商標法上の商品ではない。
(エ) 料理屋が店頭で包装箱に入れて継続的に販売する料理は、商標法上の商品である。

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設問10

 次の文章は、不正競争防止法の解説である。空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして最も適切なものを下記の解答群から選べ。

 不正競争防止法第2条第1項第3号は、商品の形態を模倣から保護する規定である。その形態が意匠法における登録の要件を【 A 】。ただし、その形態が【 B 】形態である場合には、保護を受けることができない。また、保護を受けることができる期間は、最初の【 C 】の日から【 D 】である。

【解答群】
(ア) A:満たさなくてもよい B:商品の通常有する C:販売 D:3年間 
(イ) A:満たさなくてもよい B:新規性のない C:製造 D:3年間
(ウ) A:満たす必要がある B:商品の通常有する C:販売 D:5年間
(エ) A:満たす必要がある B:新規性のない C:製造 D:5年間

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