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平成22年度1次試験解答:経営法務

設問6

解答:設問1:エ 設問2:イ

(設問1)

【 A 】
出資者全員が、無限責任社員となるのは合名会社である。
【 B 】
出資者全員が、出資の範囲内でしか責任を負わない(有限責任社員)のは、合同会社である。

したがって、エが正解である。

(設問2)

【 C 】
無限責任社員と有限責任社員と両方の社員がいる会社、合資会社である。
【 D 】
平成18年5月の会社法施行によって新たに設立できなくなったのは有限会社である。

したがって、イが正解である。

 

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設問7

解答:設問1:イ 設問2:ウ

(設問1)

 破産したとき残った財産は弁済に当てられる。その際の、弁済には優先順位がある。

 優先順位は、1番が「財団債権」、2番目が「優先的破産債権」、3番目が「破産(一般)債権」、そして4番目が「劣後的破産債権」となっている。

 したがって、
「まず、破産財団から、【A:財団債権】に対する配当を行います。これには破産管財人の費用その他破産財団の管理・換価及び配当に関する費用などが含まれます。【A:財団債権】に全額配当してもまだ破産財団に余剰があるという場合には【B:優先的破産債権】に対する配当を行います。【B:優先的破産債権】に全額配当してもまだ破産財団に余剰がある場合には、一般破産債権に対する配当が行われますが、通常は、全額弁済できないので、按分して配当されることになります。」
となる。

 よって、イが正解である。

(設問2)

  1. 破産管財人の費用その他破産財団の管理等に要する費用から弁済する。
    1,000万円−200万円=800万円
  2. 平成21年度分の税金の滞納分500万円が納付期限から1年を経過していないので財団債権となる。
    800万円-500万円=300万円
  3. 破産手続き開始前の3カ月間の使用人の給料が財団債権となる。
    300万円-300万円=0円

3より平成21年10月〜12月分の未払給料が甲の子に支払われる。

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設問8

解答:エ

(ア)

菓子メーカーA社の従業者甲は、菓子を製造する装置に関する職務発明を完成させた。当該発明に関する特許を受ける権利は、勤務規定に従いA社に譲渡されたが、A社は、特許出願を行わなかった。甲は、A社が特許出願を行わなかったとしても、A社に対して特許法第35条に規定される相当の対価の支払請求権を有する。
⇒○:正しい。

■特許法第35条 職務発明制度
3.従業者等は、契約、勤務規則その他の定により、職務発明について使用者等に特許を受ける権利若しくは特許権を承継させ、又は使用者等のため専用実施権を設定したときは、相当の対価の支払を受ける権利を有する。
(イ) 携帯電話メーカーB社の研究開発部門に所属していた従業者乙は、B社在職中に携帯電話に関する発明を完成させた後に、その内容を秘匿して退職した。その後、乙が当該発明について特許出願を行った場合、当該発明は、職務発明と認定される場合がある。
⇒○:在職中に発明を完成させていた以上、乙の発明は職務発明に該当する。
(ウ) 自動車メーカーC社の経理部門に所属する従業者丙が、自動車用エンジンに関する発明を完成させた場合でも、丙の職務が自動車用エンジンに関する発明を行うものではないので、丙が完成させた発明は職務発明には該当しない。
⇒○:職務と無関係になされた従業員の発明(自由発明)は職務発明に該当しない。
(エ) 筆記具メーカーD社の従業者丁は、筆記具に関する職務発明を完成させた。しかし、当該発明に関する特許を受ける権利がD社に譲渡されず丁が当該発明について特許を受けた場合、D社は、特許法第35条に規定される相当の対価を丁に支払わなければ当該発明を実施することができない。
⇒×: 筆記具メーカーD社は、通常実施権を有する。したがって、対価を丁に支払う必要はない。
■特許法第35条 職務発明制度
1.使用者、法人、国又は地方公共団体(以下「使用者等」という。)は、従業者、法人の役員、国家公務員又は地方公務員(以下「従業者等」という。)がその性質上当該使用者等の業務範囲に属し、かつ、その発明をするに至った行為がその使用者等における従業者等の現在又は過去の職務に属する発明(以下「職務発明」という。)について特許を受けたとき、又は職務発明について特許を受ける権利を承継した者がその発明について特許を受けたときは、その特許権について通常実施権を有する。

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設問9

解答:イ

(ア) 商標登録出願人は、二つ以上の商品又は役務を指定商品又は指定役務とする商標登録出願の一部を一つ又は二つ以上の新たな商標登録出願とすることができ、その新たな商標登録出願は、もとの商標登録出願の時にしたものとみなされる。
⇒○:以前は、複数の区分にまたがる商品・サービスを指定する場合は、区分ごとに別々に出願する必要があった、法改正以降、一度に複数区分を一つの出願として提出することが可能となった。
(イ) 商標登録出願人は、自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標について商標登録を受けることができる。団体商標にあってはその使用者は団体の構成員であるため、商標登録出願は団体の構成員の全員の名前により行う必要がある。
⇒×:団体自身の名前で行なうのが一般的であり団体の構成員の全員の名前は必要ない。
(ウ) 商標登録出願人は、登録料の納付と同時に、商標登録出願に係る区分の数を減ずる補正をすることができる。
⇒○: 商標登録出願に係る区分の数を減ずる補正をすることができる。
■商標法第68条の40  職務発明制度
2.商標登録出願をした者は、前項の規定にかかわらず、第40条第1項又は第41条の2第1項の規定による登録料の納付と同時に、商標登録出願に係る区分の数を減ずる補正をすることができる。
(エ) 商標登録出願は、商標ごとに、商標の使用をする一つのみの指定商品又は指定役務を指定して行うことができ、また、複数の商品又は役務の区分に所属する複数の指定商品又は指定役務を指定して行うこともできる。
⇒○: 正しい。
■商標法 第6条(一商標一出願)
商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない。
2.前項の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならない。
3.前項の商品及び役務の区分は、商品又は役務の類似の範囲を定めるものではない。

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設問10

解答:エ

(ア) 種苗法第18条第1項の規定による品種登録を受けた品種の名称と類似の商標であって、その品種の種苗に類似する商品について使用するものは、品種登録の期間が経過したときには、品種登録を受けたものに限って商標登録を受けることができる。
⇒×:品種登録の期間が経過したときには、普通名詞化しているので商標登録は受けることができない。
(イ) 商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と同一の商標であって、その商標登録に係る指定商品に類似する商品について使用するものは、その他人が当該商標を商標登録することに承諾している場合には、商標登録を受けることができる。
⇒×:商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標と同一の商標であって、その商標登録に係る指定商品に類似する商品について使用するのは商標登録の不許可事由に該当する。
■商標法第4条 (商標登録を受けることができない商標)
11.当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第6条第1項(第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
(ウ) 商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品に類似する商品について使用するものは、その商標登録出願後に他人の商標権が消滅して消滅後6カ月を経過した後であれば、当該商標について商標登録を受けることができる。
⇒×:商標法においては、商標権が消滅した日(商標登録の取消決定又は無効審決があったときはその確定の日)から一年を経過していない他人の商標又はこれに類似する商標であって、その商標権に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するものは、その登録を排除する規定がある。
■商標法第4条 (商標登録を受けることができない商標)
13.商標権が消滅した日(商標登録を取り消すべき旨の決定又は無効にすべき旨の審決があつたときは、その確定の日。以下同じ。)から一年を経過していない他人の商標(他人が商標権が消滅した日前一年以上使用をしなかつたものを除く。)又はこれに類似する商標であつて、その商標権に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの
平成24年4月1日より第13号は廃止される。
よって、例えば、登録異義の申立てにおける取消決定の確定、商標登録の無効審判における無効審決の確定を原因とする商標権の消滅については、同決定及び審決の確定後に、商標権の放棄については、放棄の設定登録後に、直ちに登録査定が可能となる。
(エ) 他人の著名な芸名と同一の商標について商標登録出願をした場合には、その他人が当該商標の商標登録を承諾しているときには他人の人格権の保護が図られていることから、商標登録を受けることができる。
⇒○:正しい。
■商標法第4条 (商標登録を受けることができない商標)
8.他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)

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