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令和7年度1次試験解答:経営情報システム

設問1

解答:ウ

a USBは、上位規格のポートに下位規格のケーブルを介して下位規格の周辺機器を接続する場合、通信速度は最も上位の規格に依存する。

→誤:USBは上位規格のポートに下位規格のケーブルや周辺機器を接続した場合、通信速度は最も低い規格に依存する。たとえば、USB 3.0ポートにUSB 2.0対応機器を接続すると、通信速度はUSB 2.0の速度(最大480Mbps)に制限される。
 
b USBは、PCやスマートフォンなどの電源を入れたまま周辺機器が接続できるホットプラグ対応のシリアルインタフェースである。
→正:USBはホットプラグ対応のシリアルインタフェースであり、PCやスマートフォンの電源を入れたまま周辺機器を接続・取り外しできる。
この特徴により、ユーザはシステムを再起動せずにマウス・キーボード・USBメモリなどを容易に利用できる。
 
c USB Type-Cのコネクタは、PCやスマートフォンなどのUSB Type-Cのポートに上下どちらの向きでも差し込むことができる。
正:USB Type-Cコネクタはリバーシブル構造であり、上下どちらの向きでも差し込み可能である。従来のType-Aコネクタなどと異なり、表裏の区別がなく、利便性を向上させている。
 
d すべてのUSB Type-Cのポートは、USB Power Delivery規格に対応しているので、USB Type-Cのケーブルを介して外部ディスプレイモニタに映像を出力することができる。
誤:USB Type-CのポートがすべてUSB Power Delivery(PD)規格に対応しているわけではない。また、USB Type-C端子を備えていても、映像出力(DisplayPort Alt Mode)に対応していない機器も存在する。
 

したがって、ウ)a:誤  b:正  c:正  d:誤が正解である。

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設問2

解答:エ

(ア) コンテナは、物理マシン上に直接、仮想化ソフトウェアを動作させ、その上で1つ以上のゲストOSを稼働させる技術である。
→×:物理マシン上に直接仮想化ソフトウェアを動作させる「ベアメタル型(タイプ1)ハイパーバイザ」の説明に近いが、その上で動作するのは「コンテナ」ではなく「ゲストOS」を含む仮想マシンである。コンテナはホストOSのカーネルを共有するOSレベル仮想化であり、ゲストOSを前提としない。
(イ) コンテナは、ホストOS上に仮想化ソフトウェアを動作させ、その上で1つ以上のゲストOSを稼働させる技術である。
→×:ホストOS上に仮想化ソフトウェアを動作させる「ホスト型(タイプ2)ハイパーバイザ」の説明に近い。しかし、アと同様に、コンテナはゲストOSを稼働させる技術ではないため、この記述は誤りである。コンテナはホストOSのカーネルを共有してアプリケーションを実行する。
(ウ) ハイパーバイザは、アプリケーションやライブラリなどをパッケージ化し、ホストOSのカーネルを直接利用することで、ゲストOSなしでアプリケーションを稼働させる技術である。
→×:「アプリケーションやライブラリをパッケージ化し、ホストOSのカーネルを直接利用して、ゲストOSなしで稼働させる」技術であり、これはまさにコンテナ(OSレベル仮想化)の説明である。選択肢はこれをハイパーバイザの説明としているため誤りである。
(エ) ハイパーバイザは、単一の物理マシン上に1つ以上の仮想マシンを稼働させる技術である。
→〇:「ハイパーバイザは、単一の物理マシン上に1つ以上の仮想マシン(VM)を稼働させる技術」であり、定義として正しい。タイプ1/タイプ2の形態はいずれもVMを複数実行可能にし、ゲストOSごとに独立した仮想環境を提供する。

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設問3

解答:ア

(ア) RFタグのメモリの型には、リードオンリー型、ライトワンス・リードメニー型、リード・ライト型がある。

→〇:記述の通り、RFIDタグのメモリには用途に応じていくつかの種類が存在する。

  • リードオンリー型:出荷時に内容が固定の
  • ライトワンス・リードメニー型 (WORM) :利用者が一度だけデータを書き込むことができ、その後は読み取り専用となる。追記はできない。
  • リード・ライト型:データの読み書きを繰り返し行うことができる。在庫情報や工程履歴など、情報が更新される用途に用いられる。

したがって、この記述は正しい。

(イ) カメラによる画像処理を利用して、複数のRFタグのデータを一括して読み取ることができる。
→×:「カメラによる画像処理を利用して、複数のRFタグのデータを一括して読み取る」旨の記述であるが、画像処理で読み取れるのはバーコードやQRコードのような光学パターンであって、RFIDタグの無線情報ではない。RFIDは電波(無線)を用いる仕組みであり、カメラではRFタグの無線データを取得できないため誤りである。
(ウ) 赤外線を利用して、複数のRFタグのデータを一括して読み取ることができる。
→×:「赤外線を利用して、複数のRFタグのデータを一括で読み取る」とする記述であるが、RFIDはその名のとおりRadio Frequency(電波)を用いる。赤外線(光)ではなく無線による通信であるから、この記述は誤りである。
(エ) パッシブタグは、内蔵電源を用いて無線信号を発信できる。
→×:「パッシブタグは、内蔵電源を用いて無線信号を発信できる」とする記述であるが、パッシブタグは内蔵電源を持たず、リーダ/ライタからの電磁誘導・電界/電波から得たエネルギーで応答する方式である。内蔵電源を用いるのはアクティブタグ(または一部のセミパッシブ)であるため、記述は誤りである。

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設問4

解答:オ

a USBは、上位規格のポートに下位規格のケーブルを介して下位規格の周辺機器を接続する場合、通信速度は最も上位の規格に依存する。
→誤:REST (REpresentational State Transfer) は、Webサービスの設計思想の一つであり、HTTPメソッド(GET, POST, PUT, DELETEなど)を適切に利用して、サーバ上のリソース(データや機能)を操作することを基本原則としている。「HTTPメソッドを用いることなく」という記述が根本的に誤りである。RESTful APIでは、例えばリソースの取得にはGET、作成にはPOST、更新にはPUT、削除にはDELETEといったように、HTTPメソッドに明確な役割を持たせる。
 
b USBは、PCやスマートフォンなどの電源を入れたまま周辺機器が接続できるホットプラグ対応のシリアルインタフェースである。
→誤:Web API (Application Programming Interface) は、プログラム(ソフトウェア)が他のプログラムの機能やデータを呼び出して利用するための手順や規約(インターフェース)である。Web APIでは、データのやり取りにJSONやXMLといった形式が用いられる。一方、HTMLとCSSは、Webページの構造やスタイルを定義するためのマークアップ言語およびスタイルシート言語である。動的なWebページ表示は、JavaScriptがWeb APIを呼び出して取得したデータを元に、HTML(DOM)を操作することで実現されるのが一般的であり、Web API自体がHTMLとCSSを使用するわけではない。したがって、この記述は誤りである。
 
c USB Type-Cのコネクタは、PCやスマートフォンなどのUSB Type-Cのポートに上下どちらの向きでも差し込むことができる。
→正:JSON (JavaScript Object Notation) は、軽量で人間にも機械にも読みやすいデータ交換フォーマットである。Web APIを介したクライアントとサーバ間のデータ交換において、XMLと並んで、あるいはそれ以上に広く標準的に使用されている。
 
d すべてのUSB Type-Cのポートは、USB Power Delivery規格に対応しているので、USB Type-Cのケーブルを介して外部ディスプレイモニタに映像を出力することができる。
→正:HTTP (HyperText Transfer Protocol) は、WebブラウザなどのクライアントとWebサーバとの間で情報をやり取りするための通信プロトコル(通信規約)である。元々はHTML文書の送受信を主目的としていたが、現在では画像、音声、JSONデータなど、Web上で扱われるあらゆる種類のデータを交換するために用いられている。
 

したがって、(オ)a:誤  b:誤  c:正  d:正が正解である。

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設問5

解答:エ

a データ転送において信頼性よりも速度を重視し、通信の確認や再送制御を行わず、リアルタイム性が求められる場面で用いられる通信プロトコル。
→UDPが該当する。
「信頼性より速度やリアルタイム性を重視し、確認応答や再送制御を行わない」特徴はUDPに該当する。音声・映像ストリーミング、オンラインゲーム、DNS など遅延の小ささが重要な用途で用いられる。一方、TCPはコネクション確立、順序制御、再送制御を備えた信頼性志向のプロトコルであるため、本記述には当てはまらない。
 
b ネットワークに接続する機器に、IPアドレスなど通信に必要な設定情報を自動的に割り当てるために用いられる通信プロトコル。
→DHCPが該当する。
「IPアドレスなどの通信に必要な設定情報を自動割当する」プロトコルはDHCPである。クライアントはブロードキャスト等でサーバを探索し、IP アドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNS などを配布される。SNMPは機器監視・管理用(MIB 参照)であり、本記述の趣旨とは異なる。
 
c ネットワーク上で、正しい宛先にデータパケットを届けるために必要な経路選択およびアドレス指定を行うために用いられる通信プロトコル。
→IPが該当する。
「正しい宛先へデータパケットを届けるためのアドレス指定と経路選択」はネットワーク層のIPが担う。IP はパケットのルーティングを行う一方、ARPは同一リンク内でのIP→MAC解決(アドレス解決)を行う補助的プロトコルであり、経路選択自体は行わない。
 

したがってa:UDP b:DHCP c:IPが正解である。

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