平成24年度1次試験解答:経営情報システム
設問16
解答:エ
(ア) | ASP・SaaSサービスだけでなく、ASP・SaaS事業者の経営状況等も認定している。 →×:ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定制度とは安全・信頼性に係る実施水準や状態、あるいは事業者の経営状況などではなく、「安全・信頼性についての情報が適切に開示されている」ことが認定されることになる。 |
(イ) | ASP・SaaSサービスの安全性や信頼性に係る実施水準や状態を認定している。 →×:ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示認定制度とは安全・信頼性に係る実施水準や状態、あるいは事業者の経営状況などではなく、「安全・信頼性についての情報が適切に開示されている」ことが認定されることになる。 |
(ウ) | 審査対象となる情報開示項目をすべて開示しなければ、認定を得ることはできない。 →×:ASP・SaaSの安全・信頼性に係る情報開示を必須の項目と選択の項目に分けている。すなわちすべて開示する必要はない。 |
(エ) | 同一サービスであっても、安全性や信頼性に複数のサービスレベルを設定している。 →○:複数のアプリケーション・サービスや基盤サービスを統合して提供している場合でも、条件をすべて充たしているときは、統合したものを一つの申請単位とすることができる。 |
設問17
解答:ア
(ア) | 業務のデータの流れと処理の関係を記述したDFD である。 →○:データフロー図(Data Flow Diagram:DFD)は、情報システムのデータの「流れ; flow」をグラフィカルに表現する図である |
(イ) | データベースをどのように構築したら良いかを示すERD である。 →×:ERD(Entity Relationship Diagram)とは、データを「実体(entity)」と「関連(relationship)」、「属性(attribute)」という3つの構成要素でモデル化する「ERモデル」を図で表したものである。データベースを設計する際に用いられている。 |
(ウ) | 利用者がシステムとどのようにやり取りするかを示すユースケース図である。 →×:ユースケース図(-ず)とは、UMLで定義されている図のうちの1つである。 システムに対する要件を特定するために使用される。 |
(エ) | 利用者相互のコミュニケーションの関係を描いたコミュニケーション図である。 →×:コミュニケーション図では、オブジェクト指向アプリケーションのオブジェクト間のメッセージフローを表し、同時にクラス間に基本となる関連(関係)が存在することを暗黙的に示す図である。 |
設問18
解答:エ
非機能要求グレード」は、「非機能要求」についてのユーザと開発者との認識の行き違いや、互いの意図とは異なる理解の状態を防止することを目的とし、重要な項目から段階的に詳細化しながら非機能要求の確認を行う手法である。
(ア) | 運用監視などを含む通常運用は可用性に含まれる。 →×:運用監視などを含む通常運用は運用・保守性に含まれる。 |
(イ) | 回線冗長化などを含む耐障害性は運用・保守性に含まれる。 →×:回線冗長化などを含む耐障害性は可用性に含まれる。 |
(ウ) | データ暗号化などを含むアクセス・利用制限は可用性に含まれる。 →×:データ暗号化などを含むアクセス・利用制限はセキュリティに含まれる。 |
(エ) | 同時アクセス数などを含む通常時の業務量は性能・拡張性に含まれる。 →○:同時アクセス数などを含む通常時の業務量は性能・拡張性に含まれる。 |
設問19
解答:イ
SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)とは、サービス提供者(プロバイダ)とサービス委託者(顧客)との間で契約を行う際に、提供するサービスの内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明確にし て、それが達成できなかった場合のルールを含めて、あらかじめ合意しておくこと。あるいはそれを明文化した文書、契約書のことである。
<作業の実施順序>
- SaaS 利用者側の前提条件の整理
- 【A:@ SaaSの提供・利用に関する委託内容/範囲の定義 】
- 【B:B SaaSの提供・利用の役割/責任分担の定義 】
- SaaS提供者の免責範囲の定義
- 【C:A SaaSの提供・利用のサービスレベルの定義 】
- SaaSの提供・利用の結果に対する対応の定義
したがって、イが正解である。
設問20
解答:ア
(ア) | e ラーニングは、IT スキルの習得に用いられるばかりでなく、近年では経営理念の浸透や環境問題への意識向上などにも用いられている。 →○:eラーニングとは、情報技術を用いて行う学習(学び)のことである。 IT スキルの習得に用いられるばかりでなく、近年では経営理念の浸透や環境問題への意識向上などにも用いられている。 |
(イ) | 現在、中学校に「情報」という科目が設けられ、必修となっている。従って、今後、新システムを導入しても、それを使いこなす新入社員の能力は問題ない。 →×:中学校に「情報」という必修科目はない。また情報という科目があっても新入社員の能力は未知数である。 |
(ウ) | 構築したシステムの評価を、従業員が行うことをEUCと呼ぶ。 →×:EUC(End User Computing)とは、企業内で、コンピュータシステムを利用して現場で実際に業務を行う者(エンドユーザ)が、自らシステムの構築や運用・管理に積極的に携わることである。システムの評価を、従業員が行うことではない。 |
(エ) | 情報リテラシーとは、コンピュータを利用した情報システムを使いこなす能力、つまりコンピュータリテラシーと同義である。 →×:情報リテラシーとは、情報を使いこなす能力のこと。コンピュータ・リテラシーは、コンピュータを操作して、目的とする作業を行い、必要な情報を得ることができる知識と能力を持っていること。情報リテラシーは必ずしもコンピュータだけが対象ではない。したがって、情報リテラシーとコンピュータリテラシーは同義ではない。 |