平成24年度1次試験解答:経営情報システム
設問6
解答:ウ
(ア) | C言語においては、整数型の変数を使用する場合、その扱える範囲内の加減算でも桁落ち誤差が発生する。 →×:桁落ち誤差とは、浮動小数点演算で、計算結果が0に極端に近くなる加減算を行ったときに、有効数字の桁数が極端に少なくなる現象。整数系では発生しない。 |
(イ) | どのようなソフトウェアを利用しても、金額に関する計算では浮動小数点演算の仕組みを利用しないので計算誤差は生じない。 →×:金額に関する計算でも浮動小数点演算の仕組みを利用することはある。したがって、計算誤差は生じる。 |
(ウ) | 表計算ソフトの演算処理では、丸め誤差が発生する。 →○:表計算ソフトの演算処理でも丸め誤差が発生する。 |
(エ) | リレーショナルデータベースの処理ではデータの格納および格納されたデータの検索だけを行うので計算誤差は生じない。 →×:リレーショナルデータベースでも、登録や更新などの演算処理を行う場合がある。したがって計算誤差は生じる。 |
設問7
解答:イ
(ア) | 顧客が送り先の変更を携帯端末で行えるようにするには、送り先の変更処理をバッチ処理方式にする必要がある。 →×:顧客が送り先の変更を携帯端末で行えるようにするには、送り先の変更処理をリアルタイム処理方式にする必要がある。 |
(イ) | 顧客の携帯端末からの照会要求に対して、即座に製造プロセスの進捗状況を知らせるには、照会要求処理をリアルタイム処理方式にする必要がある。 →○:顧客からの要求に対して即座に対応するにはリアルタイム処理にする必要がある。 |
(ウ) | 顧客の携帯端末で自社サーバに接続できるようにするには、VPNと呼ばれるネットワークの接続形態が必要である。 →×:VPN(Virtual Private Network )とは、通信事業者の公衆回線を経由して構築された仮想的な組織内ネットワーク。また、そのようなネットワークを構築できる通信サービス。企業内ネットワークの拠点間接続などに使われ、あたかも自社ネットワーク内部の通信のように遠隔地の拠点との通信が行える。顧客と自社サイト間で安全に通信を行うためには、SSLを活用したHTTPSプロトコルを用いる。 |
(エ) | スマートフォンから自社ウェブサイトを閲覧可能にするためには、この中小製造企業はそのための専用アプリケーションを開発し、顧客はそれをダウンロードしてインストールする必要がある。 →×:顧客がWebサイトを閲覧するためにはWebブラウザがあればよい。専用アプリケーションは必要ない。 |
設問8
解答:エ
業務においてPCを利用する場合は対話型処理で利用する場面が多いが、月末などにまとめて請求書作成などの【A:バッチ】処理を行うこともある。作業指示を出した後、この処理画面に応答が返るまでの【B:レスポンスタイム】 が長い場合は、作業の進捗状況の把握ができない。このような場合はプログレスバーなどを表示させて進捗状況の把握が行えるようなソフトウェアを選択する。
また、請求書作成処理の指示をPCに与え、PCが作業を終了したという表示が得られるまでの経過時間は【C:ターンアラウンドタイム】 と呼ばれ、この時間の短いことが望ましい。
PCが作業終了状態となっても、プリンタが印字作業を続けていることがあるが、これはプリンタが【D:スプール】 機能を備えている場合にも起こる。この機能を利用する場合は印字の作業量に適した容量のバッファが備わったプリンタを選択する必要がある。
各選択肢の説明を下記に記す。
- A:バッチ
- バッチ処理とは、一定期間(もしくは一定量)データを集め、まとめて一括処理を行う処理方式。
- B:レスポンスタイム
- レスポンスタイムとは、システムや装置などに指示や入力が与えてから、反応を返すまでの時間のこと。
- C:ターンアラウンドタイム
- ターンアラウンドタイムとは、システムに処理要求を送ってから、結果の出力が終了するまでの時間。
- D:スプール
- スプールとは、時間のかかる入出力処理などの際に、ハードディスクなどに一時的にすべてのデータを書き込んで少しずつ処理させることで、マイクロプロセッサを効率的に利用すること。
設問9
解答:エ
@ | データファイル内の処理対象とするデータに【A:ロック】 をかけ、それが解除されるまで他の処理が行われないようにする方法がある。この方法では、【B:デッドロック】 が発生する可能性があり、これを低減させる対応が必要である。 |
A | データファイル内のデータを読み書きする【C:時刻】 を記録し、別の処理でデータを読み書きする際、【C:時刻】 を随時監視しあいながら処理を行う方法がある。この方法では、処理の競合が多い場合、処理の取り消しが多くなり実用性が低下する。 |
B | データファイルから処理したいデータを【D:キャッシュ領域】 に読み込み、そこで処理を実行する方法がある。この方法では、処理した結果を書き戻す際に、当該データが他の処理で書き換えられていないかを時刻でチェックする。 |
設問10
解答:ア
@ | 店舗を利用している顧客にコード番号を付与し、販売動向を把握したい。来店した顧客にから順番に番号を割り振る方法を使用すれば、【A:識別機能】 を利用できる。 |
A | 住んでいる場所を特定し管理したい場合は顧客番号に加え、コード内に総務省などが公開している市区町村コードを組み入れて利用する。このようなコード化の方法は【B:桁別分類法】という。 |
B | コード番号に住んでいる場所を区別する市区町村コードを組み入れ、この市区町村コード別にから始まる顧客番号を与える方法もあり、この方法は【C:区分分類法】と呼ばれる。 なお、コード化においては、同じ顧客を重複登録してしまう可能性があり、データ管理上【D:一意性】の問題に配慮しなければならない。 |