平成22年度1次試験解答:経営情報システム
設問11
解答:ウ
(ア) | インターネット上のどこかにある販売管理向けソフトウェアを利用し、自社ではそのソフトウェアを持たない仕組みはASPである。 ⇒×:ASPとは、ビジネス用のアプリケーションソフトをインターネットを通じて顧客にレンタルする事業者のことである。 |
(イ) | 業務用のアプリケーションソフトウェアパッケージを、インターネットを介して顧客がダウンロードして利用するサービスはサース(SaaS)である。 ⇒×:必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくはその提供 形態のことである。 |
(ウ) | メッセージ交換をXMLで行い、通信はSOAPのデータおよび命令交換ルールに従って行う仕組みはWebサービスである。 ⇒○:Webサービスとは、HTTPなどのインターネット関連技術を応用して、SOAPと呼ばれるXML形式のプロトコルを用いメッセージの送受信を行う技術、またはそれを適用したサービス。 |
(エ) | ユーザの要求に応じてネットワーク設備を割り当てるサービスはパース(PaaS)である。 ⇒×:PaaSとは、アプリケーションソフトが稼動するためのハードウェアやOSなどの基盤(プラットフォーム)一式を、インターネット上のサービスとして遠隔から利用できるようにしたもの。また、そのようなサービスや事業モデル。 |
設問12
解答:イ
問題のSQLを解釈すると次のようになる。
SELECT 顧客ID
⇒顧客ID列を抽出する。
FROM 売上表
⇒売上表からデータを抽出する。
WHERE 商品名 LIKE '野菜%'
AND 単価 > 100
⇒商品名が野菜で始まる かつ 単価が100より大きい行を抽出する。
したがって、次のようになる。よってイが正解である。
設問13
解答:ウ
レガシーシステムとは、主にコンピュータの分野で、代替すべき新しい技術などのために古くなったコンピュータのシステムや技術などのことである。
(ア) | オープン系システムで使われるようになった区分編成ファイルとは、メンバーと呼ばれる複数の順編成ファイルで構成され、メンバー単位でのアクセスと格納アドレスを指定するアクセスとの両方ができる。 ⇒×:区分編成ファイルは、レガシーシステムの時代から用いられている。 |
(イ) | オープン系システムで使われるようになった順編成ファイルとは、書き込み順で物理的に連続してレコードを記録する方式であり、格納アドレスを指定して、直接アクセスができる。 ⇒×:順編成ファイルは、レガシーシステムの時代から用いられている。 |
(ウ) | レガシーシステムではOSがレコード管理機能を持っているが、オープン系システムではOSによる管理はファイルシステムまでであり、各ファイル内のファイル構造はアプリケーションが管理する。 ⇒○:正しい。 |
(エ) | レガシーシステムでよく使われている可変長レコードとは、データによってレコードの長さが変わるもので、固定長レコードのようにレコードの長さを示すフィールドを持たない。 ⇒×:可変長レコードとは、データベースを構成するレコードのサイズ(レコード長)が固定されていない形式のレコードのことである。可変長レコードは、各レコードの先頭に自身のサイズを記録するフィールドを設けることで、レコードの区切りを判断する仕組みになっている。 |
設問14
解答:イ
(ア) | RADは、ウォータフォール型システム開発方法論よりも迅速に開発することを目的としたもので、システムエンジニアだけで構成される大人数の開発チームで一気に開発する方法論である。 ⇒×:RADとは、ソフトウェア開発技法の一つ。プロトタイプと呼ばれるシステムの完成イメージを何度も制作、評価し、プロトタイプを次第に完成品に近づけてゆく手法である。 |
(イ) | システム開発を迅速かつ確実に進める方法論としてXPがあるが、それは仕様書をほとんど作成せず、ストーリーカードと受け入れテストを中心に開発を進める方法論である。 ⇒○:正しい。 |
(ウ) | スパイラル開発は、1つのフェーズが終わったら、もう一度、そのフェーズを繰り返すペアプログラミングと呼ばれる手法を用いて確実にシステムを開発していく方法論である。 ⇒×:ペアプログラミングはXPの特徴の一つである。 |
(エ) | プロトタイピングは、フェーズ5の各種テストを簡略に行う方法論である。 ⇒×:プロトタイピングとは、工業製品の開発手法の一つで、設計の早い段階から実際に稼動する製品モデルの作成と検証を反復することにより、仕様の検討や詳細な設計を進めていく手法である。各種テストを簡略化できるわけではない。 |
設問15
解答:ウ
(ウ) | ネットワーク図とは、オブジェクト間の関係とメッセージフロー等を構造的に表現する、UMLのダイヤグラムの1つである。 ⇒×:ネットワーク図とは、プロジェクト作業などの手順(タスクやアクティビティ同士の依存関係、時間的従属関係)をネットワーク(有向グラフ)の形状に表した図である。UMLにはネットワーク図は定義されていない。 |