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平成19年度1次試験解答:経営情報システム

設問11

解答:ア

  同じ処理を行うコンピュータシステムを二重に用意する形態。一定時間ごとに処理結果を照合して処理の正しさの確認を行い、どちらかのコンピュータシステムに障害が発生しても、一方のシステムで処理を続行でき高い信頼性が得られる。
→デュアルシステムに関する説明である。デュアルシステムは、2つのCPUで同じ処理を行い、互いの処理結果を照合しながらオンライン処理を行うシステム構成である。処理の中断が瞬時も許されないような場合に用いられる。一方のCPUが故障した場合は、それを切り離して処理を続行することができる。信頼性は非常に高いが、コストも非常にかかる。
  コンピュータシステムの負荷を分散させる目的で複数のCPUやコンピュータを接続し、各CPUやコンピュータで分担して処理を行うコンピュータシステムの総称である。
→ロードシェアシステムに関する説明である。ロードシェアシステムは、複数の系を持ち、各系の負荷を分散させながら処理を行うシステム構成です。 それぞれの系は独立して動作しているので、障害が発生しても、正常な系のみで運用を続行することができる。

  業務処理を通常行うコンピュータシステムでオンライン処理を行っている間、別の処理を行わせながら待機させる別システムを用意する形態。通常使用しているシステムに障害が発生した場合は、待機システムに切り替えてオンライン処理を続行する。
→コールドスタンバイに関する説明である。コールドスタンバイとは、同じ構成のシステムを2系統用意しておき、片方(主系・本番系)を動作させ、もう片方(待機系・予備系)は動作させずに待機状態にしておく。主系に障害が発生すると待機系が立ち上がり、処理が切り替わる仕組みである。
  独立して動作する複数のコンピュータを相互に接続し、全体として信頼性の高いコンピュータシステムを構築する形態。コンピュータの一部が障害を起こしても他のコンピュータに処理を肩代わりさせ、システム全体の停止を防止する。
→クラスタリングに関する説明である。クラスタリングは複数のコンピュータを相互に接続し、ユーザや他のコンピュータに対して全体で1台のコンピュータであるかのように振舞わせる技術である。

よって解答はアである。

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設問12

解答:ア

(ア) ERPを導入することはビジネス社会ではもはや避けて通れない。遅れていた当社の業務IT化を挽回し、競争優位を実現するためにも、コンピュータベンダーの進言でERPの全面的導入を即決した。
→×:ERPとは、企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のことである。ERPを導入したからと言って競争優位を実現できるとは限らない。また企業の実態に応じて必要な部分だけを導入すればいいのであり、全面的導入を即決する必要はない。

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設問13

解答:イ

Tim O'Reillyは、Web2.0企業のコアコンピタンスとして以下の点を挙げている。

  1. パッケージソフトウェアではなく、費用効率が高く、拡張性のあるサービスを提供する。
  2. 独自性があり、同じものを作ることが難しいデータソースをコントロールする。このデータソースは利用者が増えるほど、充実していくものでなければならない。
  3. ユーザーを信頼し、共同開発者として扱う。
  4. 集合知を利用する。
  5. カスタマーセルフサービスを通して、ロングテールを取り込む。
  6. 単一デバイスの枠を超えたソフトウェアを提供する。
  7. 軽量なユーザーインターフェース、軽量な開発モデル、そして軽量なビジネスモデルを採用する。

よってイが解答である。

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設問14

解答:エ

(ア) DHCPを稼動させれば、LAN側のパソコンに自動的にIPアドレスが配付されるので、ARP(Address Resolution Protocol)データグラムは流れない。
→×:DHCPを稼動させれば、LAN側のパソコンに自動的にIPアドレスが配付されるが、ARP(Address Resolution Protocol)データグラムは流れる。
(イ) ISP(Internet Service Provider)によって割り当てられたIPアドレスを発信元とするパケットをインターネットから受信した場合には、LAN側に転送するように設定した。
→×:セキュリティ上、LAN側には発信元に関わらず不要なデータを転送するべきではない。
(ウ) インターネット側からLAN側へのIPポートをすべて開けておかないと、社内からインターネット上のウェブサイトなどにアクセスできなくなる。
→×:ルータのIPポートは外部からの攻撃の窓口となるため使用していないポートは閉じておくべきである
(エ) セキュリティルータのLAN側IPアドレスとして、ISP(Internet Service Provider)によって割り当てられたIPアドレスと異なるアドレスを設定した。
→○:セキュリティルータのインターネット側とLAN側のアドレスを異なる設定にすることによって外部からLAN側に直接アクセスを防ぐことになるのでセキュリティ上望ましい。

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設問15

解答:エ

 中小事業者が自社システムの企画、開発、保守、運用をすべて独自に行うのは容易なことではない。そこで、それら業務を一括して請け負う業者があり【A:システムインテグレータ】と呼ばれる。すべてを【A:システムインテグレータ】に任せるとしても、システム開発の工程がどのようなものであるかを理解しておく必要がある。
 システム開発にはさまざまな方法が考えられてきたが、【B:ウォータフォールモデル】は、各工程を後戻りなく行う方法であり、最も基本的な方法とされている。【C:プロトタイプモデル】は、試作品をユーザに見せて確認しながら行う方法であるが、比較的小規模なシステムの開発に限定されるなどの課題がある。【D:スパイラルモデル 】は、システムを複数のサブシステムに分け、基本となるサブシステムをまず【B:ウォータフォールモデル】の方法で開発してユーザに試用してもらい、その結果を反映させて次のサブシステムを開発する方法であり、近年注目されている。

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設問16

解答:ウ

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設問17

解答:ア

(ア) 運用中のシステムの利用プロセスを分析し、これを参考に新システムを再構築する。
→○:運用中のシステムの利用プロセスを分析し、問題点・改善点を明らかにし、新システムを設計・構築する必要がある。
(イ) 運用中のシステムを上書きしながら新システムを開発し、これに本番データを入力してその挙動を調べることで、新システムの正当性を確認することができる。
→×:保守が困難の中で、運用中のシステムを上書きしながら新システムを開発するのは困難であるし、運用中のシステムと同じような問題点を抱えることとなる。
(ウ) 開発時点の設計書に基づいて、新システムを再構築する。
→×:開発時点と現状では状況が異なっている。
(エ) 開発時点の設計書を詳細に分析して、その処理手順をすべて新システムで実現することが、システムの一貫性保持の点で望ましい。
→×:開発時点と現状では状況が異なっている。

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設問18

解答:ウ

(ア) UMLでモデルを書けば、ツールを使ってシステムを自動作成することができる。
→×:UMLでモデルを書けば、ツールを使ってプログラムを作成することはできるが、現時点では、システムの自動作成までは不可能である。
(イ) UMLのダイヤグラムをどのような順序や組み合わせで使うかは、UML標準で決められている。
→×:UMLでは、ダイアグラム(図)の書き方や記法は定められている。しかし順序や組合わせ方法までは決められていない。
(ウ) UMLはオブジェクト指向によるシステム分析・設計で用いられる。
→○:正しい
(エ) UMLはシステム開発のための方法論である。
→×:UMLは、プログラム設計図の統一表記法でありシステム開発のための方法論ではない。

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設問19

解答:ア

(ア) 主要機能から徐々に全機能へとテスト範囲を広げ、ブラックボックステストとしてすべての機能をチェックする。
→×:ブラックボックステストとは、システムの内部構造とは無関係に、外部から見た機能を検証するプログラムのテスト方法である。主に承認テストで用いられる。

(イ) 承認(検収)テストの基準となる検査仕様書は自社で作成すべきであり、ソフトウェア開発企業に作成を委託してはならない。
→×:承認テストは発注者が行うべきである。しかし、ソフトウェア開発企業が支援しながら行うこともあり、委託してはならないというわけではない。
(ウ) 前回のシステムテストでも正常動作を確認しているので、前回のシステムテスト後に修正を依頼した個所が正しく動作していれば検収できる。
→×:前回のシステムテスト後に修正した箇所が前回、正常動作をしていたシステムに誤動作を生じさせる原因になり得る。よってレグレッションテスト(退行テスト)を実施すべきである。
(エ) 例外処理機能を検査するブラックボックステストでは、適正なデータをテストデータに加えてはならない。
→×:ブラックボックステストでは、適正なデータを加えてテストする必要がある。

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設問20

解答:ウ

ITSSとは、経済産業省の策定しているITスキル・スタンダード(IT Skill Standard)の略です。

(ア) IT技術者の公的スキル標準ではすべての職種でエントリレベルからハイレベルまで規定されているので、これに沿ってその職種内でレベルアップを図るべきである。
→×:すべての職種でエントリレベルからハイレベルまで規定されていない。マーケティングやコンサルトなどの上位職種ではエントリレベルの規定はない。
(イ) IT技術者の公的スキル標準にある職種を社内ですべてそろえるべきである。
→×:IT技術者の公的スキル標準にある職種を社内ですべてそろえる必要はない。自社のビジネスモデルに基づく人材をそろえるべきである。
(ウ) 目標人材モデルはIT技術者の公的スキル標準を参照して、独自のものを策定すべきである。
→○:正しい。
(エ) 目標人材モデルは情報システム部門が現状の業務分析から策定すべきである。
→×:目標人材モデルは情報システム部門が現状の業務分析から策定するのではなく、企業戦略・目標から策定するべきである。

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