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平成22年度1次試験解答:運営管理

設問16

解答:エ

(ア) 作業管理は、作業方法の分析・改善によって標準作業と標準時間を設定して、この標準を維持する一連の活動である。
⇒○:作業管理はJISの定義では、「作業方法の分析・改善によって、標準作業と標準時間を設定して、この標準時間を維持する一連の活動体系。備考:作業管理に必要な基礎的技術を、作業研究または方法工学という」となっている。
(イ) 作業指導の1つの方法であるOJT(On the Job Training)では、職場内の上司や先輩が部下や後輩に対して、作業に必要な知識・技能・問題解決能力を日常業務内で教育訓練する。
⇒○:OJT(On-the-Job Training:職場内教育)とは、 社員教育方法の1つで、実際の仕事を通じて、必要な技術、能力、知識、あるいは態度や価値観などを身に付けさせる教育訓練のことである。
(ウ) 作業指導を行うにあたっては、個々の作業に対する技能スキルを向上させるだけでなく、複数の作業を担当できる作業者を養成することを考慮に入れなければならない。
⇒○:変化の激しい時代において生き残りをかけて発展していくためには、多能工化を推進して多能工を増やし、少数精鋭体制を確立して人材の効率的活用を図っていくことが必要不可欠である。
(工) 製造現場においては、常に生産効率の向上を目指して、各作業者が独自の判断により標準作業に工夫を施して作業を実施することが好ましい。
⇒×:製造現場においては、常に生産効率の向上を目指すことは大事なことである。しかし、各作業者が独自の判断により標準作業に工夫を施して作業を実施することは好ましくない。

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設問17

解答:ア

月間N個の製品を製造し、製品の販売単価がp円、製造変動費単価がv円、不良品1個当たりの廃棄費用がs円のとき、作業者の雇用が採算的に見合うためには、月間の人件費は、0.05×N×(p+s)円未満でなければならない。

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設問18

解答:エ

システム1:信頼度R1(すべて直列)
R1=0.8×0.8×0.8=0.512
システム2:信頼度R2(aが並列bとcに直列で接続)
R2=0.8×(1−(1−0.8))2=0.768
システム3:信頼度R3(cが並列aとbに並列で接続)
R3=1−(1−0.82)(1−0.8)=0.928

したがって、R3(0.928)>R2(0.768)>R1(0.512)となる。

よってエが正解である。

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設問19

解答:イ

 動作経済の原則とは、疲労を最も少なくして、有効な仕事量を増すため、人間のエネルギーを効率的に活用するための経験的な法則である。

 代表的な動作経済の原則を次に示す。

【4つの基本原則】

  1. 動作の数を少なくする。
  2. 動作は同時に行う。
  3. 動作の距離を短くする。
  4. 動作を楽にする。

【身体使用の原則】

  1. 両手は同時に動作を始め、同時に動作を終える。
  2. 両手は休憩時を除いて、同時に遊ばせないようにする。
  3. 両腕の動作はお互いに対称かつ反対方向に、そして同時に行うようにする。
  4. 手指や身体の動作はできるだけ末梢部位で行えるようにする。末梢部位の順位は指、手指、手指と前腕、上前腕と手指、および胴体と上前腕手指の5種類あり、それぞれの動作支点は順番にこぶし、手首、肘、肩、胴体が基点となる。指だけの動作が最末梢であり、上半身動作が5種類のうち最中枢となる。
  5. 作業者の動作を支援するための物理的慣性(重力)を利用する。ただし、慣性を制御するために筋力を使用する場合は慣性を最小とすべきである。
  6. 滑らかな曲線を描く動作は直線ジグザグ軌道を描く動作より良い。
  7. 制約のある動作や他の制御をうける動作より、弾道的(自由な曲線的)の動作の方が速いし、容易だし、正確でもある。
  8. 反復操作における自発的で滑らかな動作にはリズムが不可欠である。作業は可能な限り容易な自然なリズムがとれるような設計とすべきである。
  9. 作業は視線を頻繁に動かす必要のないように、視線を自然な領域に置いておけるように設計されるべきである。

【設備及び配置の原則】

  1. 治工具や材料は作業習慣が形成されるように特定の固定位置に置く。
  2. 治工具や材料は“さがす”ことを省くことができるように前もって決められた姿勢に配置されるようにする。
  3. 材料は使用される位置の近くまで供給されるように、フィーダー、部品箱、コンテナなどを利用すべきである。
  4. 治工具、材料、操作具は作業者にできるだけ近い位置に、また作業者の最大作業域内に配置すべきである。最大作業域とは胴体を動かさずに肩関節を軸として、左右・上下方向に手が届く距離で構成される作業領域をさす。
  5. 治工具や材料は動作順序を最適とするように配置すべきである。
  6. 作業終了時に、作業者が完了品の取り出しに手を使用しなくてもよいように移出器、または自然落下方式を利用する。
  7. 作業に適正な照明を与える。適正な作業姿勢がとれるための適切なデザインと高さのイスを与える。作業場所の高さとイスの高さは立位と椅子位が交互にとりやすい高さとすべきである。照明は今日では明るさよりも陰影、グレア、色光、視野に配慮すべきことが多い。特に作業域の配色と作業物との対比は作業性能と眼精疲労との観点を考慮して選ぶ。

【機械機器、設計の原則 】

  1. 手指で“保持する”、“固定している”という動作をなくす。物の固定には治具、固定器、ペタル式の固定具などを工夫すべきである。人間を保持することに使わない。
  2. 複数の工具機能とする。単一機能の工具動作は工具と工具の取り替えなどムダが多い。複数の機能を合わせて1回の扱いで作業がすむようにする。
  3. タイプ打ち作業のように指を使用する作業の場合には、各指の特性を考慮した作業とする。親指は人差し指より筋力は弱いが持久力はよい。小指は筋力は弱いが即応性がよいことなどを考慮する。
  4. 治工具の柄(グリップ)の設計は手掌面との接触面積が多いものとする。現実の製品には細すぎる柄が多い。細い柄は筋力が伝えられ難く不安定である。
  5. レバーやハンドルなどの操作具の配置はあまり作業姿勢を変えることなく操作できる位置と大きさにする。しかし、操作具の大きさは生体的力学的利点を考慮し、小さ過ぎないことが大切である。
(ア) 組立工程の生産性を高めるために、合理的な組立順序を検討した上で、その順序が実現できるように部品を配置した。
⇒○:設備及び配置の原則の5に該当する。
(イ) 作業者の手の動きを効率化するために、移動箇所を直線で結んだ軌跡で手を動かすよう作業指導した。
⇒×:身体使用の原則の6に反する。
(ウ) 精密作業現場における作業者の疲労を軽減するために、照明の照射角度と照度を調整した。
⇒○:設備及び配置の原則の7に該当する。
(工) 部品供給が重力を利用して行えるように、部品棚の形状を変更した。
⇒○:備及び配置の原則の6に該当する。

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設問20

解答:エ

PRTR (Pollutant Release and Transfer Register)制度とは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、事業所からの環境(大気、水、土壌)への排出量及び廃棄物に含まれての事業所外 への移動量を、事業者が自ら把握し国に対して届け出るとともに、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計し、公表する制度である。

化学物質排出把握管理促進法:経済産業省 化学物質管理課

(ア) PRTR制度において国が行うべきことは、事業者からの届出データなどに基づき、化学物質の排出量・移動量を集計・公表することである。
⇒○:国は事業者からの届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計し、公表する制度である。
(イ) PRTR制度において事業者が行うべきことは、化学物質の排出量・移動量を自らが把握して国に届け出ることである。
⇒○:事業者は、個別事業所ごとに化学物質の環境への排出量・移動量を把握し、都道府県経由で国(事業所管大臣)に届け出なければならない。
(ウ) PRTR制度の対象となる化学物質は、PRTR法で定める対象化学物質の中の第一種指定化学物質に限られる。
⇒○:PRTR制度の対象となる化学物質は、本法上「第一種指定化学物質」として定義されている。
(工)

PRTR制度は、従業員数が300名を超える製造企業に限って適用される。
⇒×:PRTR制度の対象事業者は、第一種指定化学物質を製造、使用その他業として取り扱う等により、事業活動に伴い当該化学物質を環境に排出されると見込まれる事業者であり、具体的には次の1〜3の要件全てに該当する事業者となる。

  1. 対象業種として政令で指定している24種類の業種に属する事業を営んでいる事業者
  2. 常時使用する従業員の数が21人以上の事業者
  3. いずれかの第一種指定化学物質の年間取扱量が1トン以上(特定第一種指定化学物質は0.5トン以上)の事業所を有する事業者等又は、他法令で定める特定の施設を設置している事業者

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