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平成24年度1次試験解答:企業経営理論

設問16

解答:イ

介入対象の組織の従業員が、努力・報酬・職場環境の評価に基づく介入が実行されていると認識する場合に、介入が最も効果的となる。
→○:従業員は他人と比較した報酬について主観的な公平感が得られれば動機づけが高まる。
介入対象の組織の従業員が、介入案の策定や実施に関与し、その意思決定に参加することは、介入の効果を阻害する。
→×:介入対象の組織の従業員が、介入案の策定や実施に関与し、その意思決定に参加することは、自分自身を正しく認識し、コントロールする機会を与えるので介入の効果を高める。
組織・個人レベルで変化に対応する能力・意欲があることが、介入の成功につながり、過去に類似した経験をしていることは、その後の介入への反応に影響を与えない。
→×:過去に類似の経験をしていることは、その後の介入への反応に影響を与える。
現場の管理職の行動は、従業員へ介入を実行するプロセスにおいて、円滑なコミュニケーションを促進しようとする態度が、特に結果としての介入の効果の程度へ影響を与える。
→○:従業員へのコミュニケーションは動機づけに大きな影響を与える。

したがって、(イ)aとdが正解である。

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設問17

解答:設問1:イ 設問2:イ

(設問1)

エディス・ペンローズ(Edith Penrose)は、その主著「企業成長の理論」において企業を、経営資源の集合体であるとともに、また【A:管理組織】としての側面を持つと定式化した。企業が【A:管理組織】の側面を持つため、経営者集団自体が最も重要な経営資源となる。

(設問2)

 ペンローズ効果とは、経営者による「企業家的サービス」(経営者の融通性や資金調達能力、野心、判断といった資質と結びついてもたらされる、極めて独創的なもの)こそが企業成長の原動力であり、企業の成長率は経営者の学習の速度によって制約を受けると考えた。

 すなわち、イが正解である。

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設問18

解答:エ

(ア) イノベーションが速い分野では、吸収能力の必要性は高くなるため、自社の研究開発投資を低く抑える必要がある。
→×:イノベーションが速い分野(新たな技術などが頻度高く登場する分野である)では、吸収能力の必要性は高くなる。したがって、自社の研究開発投資を低く抑えては新たな技術に乗り遅れる可能性がある。
(イ) 応用科学に関連する技術的機会の増加に比べて、基礎科学に関する技術的機会の増大は、R &Dの必要性を低くする。
→×:応用科学に関連する技術的機会の増加に比べて、基礎科学に関する技術的機会の増大は、研究開発(R&D:Research and development、)の必要性を高くする。
(ウ) 吸収能力が高くなるにつれて、当該企業は中央研究所のような基礎研究を行う部門を持つ必要性が低くなるので、研究開発投資負担を削減することが可能になる。
→×:中央研究所のような基礎研究を行う部門があるから、吸収能力が高くなるのであり、中央研究所を行う部門をなくしてしまっては、せっかく高くなった吸収能力は低くなる。
(工) 自社の基礎研究への投資は、吸収能力を高める効果を持ち、急速に進化する科学技術をイノベーションに活かすことに役立つ。
○:正しい
(オ) 知識の占有可能性が高まると、社内外への波及効果が高くなるため、基礎科学分野よりも応用科学分野の方が、吸収能力の必要性は高くなる。
→×:知識の占有率があるのは、基礎科学分野も応用科学分野も同じである。応用科学分野における吸収能力の必要性が特別に高いわけではない。

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設問19

解答:エ

(ア) 工場と離れた本社で変革案を作成するのではなく、セル生産への移行プロセスに工場の実態を反映させるために、工場内で従業員が帰ってから作成すべきだった。
→×:工場内で従業員が帰ってから作成するのは、変革案を秘密裏に作成することであり不適切である。
(イ) 従業員に対する説明の時間が長過ぎて、疲れてしまったため理解が得られなかったので、説明時間をもっと簡潔にすべきだった。
→×:変革案ができるまで、一切を従業員に対して秘密にしておき、一挙にそれを説明し従業員に同意させようとした点に問題がある。すなわち、説明時間の問題ではない。
(ウ) セル生産システムへの移行について説明した際に、従業員から反論がなかったのは良く理解できなかったからであり、従業員一人一人を対象に説明をすべきであった。
→×:従業員一人一人を対象に説明しても組織改革の前過程に対して従業員が受け身で関わるような形であれば真の問題点は克服できない。
(工) 変革案の作成ならびに執行計画について、従業員たちを参加させ、フェアプロセスを経ていると実感させるべきであった。
→○:正しい。

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設問20

解答:エ

 最低賃金法とは、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした法律である。

(ア) 最低賃金法上の最低賃金には、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会での調査審議結果に基づいて厚生労働大臣又は都道府県労働局長が決定する地域別最低賃金と、企業ごとに決定する企業内最低賃金の二種類がある。
→×:最低賃金法では、地域別最低賃金(産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として、各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められている。)と特定最低賃金(特定地域内の特定の産業について、関係労使が基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて設定されている。)がある。すなわち、企業内最低賃金はない。
(イ) すべての使用者は、地域別最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その地域で定められた最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないが、これに違反した場合にも、行政指導を受けるだけで罰則はない。
→×:最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはならない。また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められている。すなわち罰則はある。
(ウ) 地域別最低賃金は、時間額について定められているので、時給制で働くパートタイマーやアルバイト、派遣社員などの非正規社員のみに適用され、月給制や年俸制の正社員には適用されない。
→×:地域別最低賃金は、産業や職種に関わらず、すべての労働者に対して適用される。
(工) 地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業における賃金支払能力を考慮して定めることとされているが、労働者の生計費を考慮するに当たっては、生活保護施策との整合性に配慮するものとされている。
→○:正しい

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