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平成14年度1次試験解答:企業経営理論

設問31

解答:設問1:ア 設問2:イ

物流に関する問題である。

(設問1)
(ア) 安全在庫量が高く設定されると、発注点は高くなる。
→○:安全在庫量とは、品切れ状態を防ぐために通常必要な在庫量にプラスして余裕を持たせた在庫量である。 また発注点とは、「在庫がどれくらいまで減少したときに発注すればよいか」という在庫水準である。安全在庫量を高く設定すると発注点は高くなる。
(イ) 在庫コストは、顧客サービス水準とは無関係に決まる。
→×:短納期対応や小口配送、24時間配送等を行なうことによって顧客サービス水準を上げると在庫コストも上昇する。
(ウ) 在庫品目は、すべて一カ所におくのがよい。
→×:在庫品目を,すべて一カ所におくのは効率的でない。管理しやすく、出荷しやすい場所に置くべきである。また一ヶ所に置いた場合は地震や火災といった不測の事態に対応できない。
(工) 在庫量を削減できれば、物流総コストは低下する傾向にある。
→×:在庫量の削減は、発注回数の増加の可能性があるので物流総コストが高まる可能性がある。
(設問2)
(ア) ABC(Activity Based Costing)は、直接原価の分析に役立つ。
→×:ABC (Activity Based Costing:活動基準原価計算)とは、原価を活動基準別に把握するものであり、間接費の分析に役立つ。
(イ) ASN(Advanced Shipping Notice)は、クロスドッキングに利用される。
→○:ASN(Advanced Shipping Notice:事前出荷明細)とは、送り先に対して出荷前に出荷明細を電子データで納品先に伝達することである。またクロスドッキングとは、入荷してきた商品を在庫することなく仕分して、出荷する形式のことである。ASNによってクロスドッキングが可能になる。
(ウ) CAO(Computer Assisted Ordering)は、EOS 利用時の発注量を手入力するものである。
→×: CAO(Computer Assisted Ordering:自動発注システム)とは小売店が自店の売上データ(POS情報)をコンピュータで分析して、自動的に商品を補充発注するシステムである。
(工) CRP(Continuous Replenishment Program)は、メーカーの内部データだけに基づく補充方法である。
→×:CRP(Continuous Replenishment Program:連続自動補充プログラム)とは消費者が購入した数量などに基づいて、必要在庫数量を算出し、自動的に補充する仕組みである。小売業からの在庫や出荷情報に基づいて行われる。

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設問32

解答:設問1:エ 設問2:イ

(設問1)
 タスク法(目標課題達成法あるいは目標設定法)とは、マーケティング目標に基づいて広告目標を設定し、それに必要な予算を決定するというものである。よって解答はエとなる。

(ア) 過去もしくは将来の利益に一定の比率を乗じて算出する。
→×:利益比率法のことである
(イ) 前年度の売上高もしくは見込み売上高に所定の広告費比率を乗じて算出する。
→×:売上高比率法のことである
(ウ) 同業他社が出稿する広告費を基準として自社の広告予算を算出する。
→×:競争企業対抗法のことである。
(工) マーケティング目標を設定し、それに必要な広告費を算出する。
→○:正しい
(設問2)
(ア) ガルバニック・スキン・レスポンス法とは瞬間的に広告物を提示する方法によって測定するものである。
→×:ガルバニック・スキン・レスポンス法とは、電極を被験者につけ広告を見てもらう。その結果、被験者が広告を見る順番、興味を示す部分を調査するものである。「瞬間的に広告物を提示する方法によって測定するもの」ではない。
(イ) スプリット・ラン法はコピーテストに用いられる。
→○:コピーテストとは、所定の印刷広告物やコマーシャルで採用されるメッセージやコピーの効果を測定することである。 また、 スプリット・ラン法とは、 ひとつの広告について2種類以上の原稿を作成し、同一の雑誌、または新聞に掲載することである。スプリット・ラン法はコピーテストに用いられる。
(ウ) テレビの視聴率は、すべて世帯単位でのテレビをみている割合を測定している。
→×:テレビの視聴率には、世帯視聴率と個人視聴率がある。世帯視聴率とは、「全世帯のうち何%の世帯が番組を見ているのか?」を数値化したものであり、個人視聴率とは、「全人口のうち何%の人が番組を見ているのか?」を数値化したものである。一般的に視聴率といえば世帯視聴率のことを指すが、個人視聴率もあるので「すべて世帯単位でのテレビをみている割合を測定している」というのは誤りである。
(工) 「文章完成法」、「語句連想法」などの投影技法は事後テストに用いられる。
→×:「文章完成法」とは、未完成の文章を刺激素材として、そこから連想される内容を記して文章を完成させる方法である。 また、「語句連想法」は、文字や単語を1つずつ、一定の間隔で対象者に示し、制限時間内で連想した単語を反射的に回答、分析してその結果にいたる動機を解明する方法である。双方ともに本人の心理が投影技法(無意識のうちに投影されていること)であるが、 事後テストではなく、広告コミニュケーション段階(広告を認知してかアどのように態度が変容しているか確認する)におけるテストに用いられる。

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