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平成13年度1次試験問題:企業経営理論

設問21

 労災事故などをめぐる最高裁判例は、会社側に事故が起きないように職場環境を整備する【 A 】 義務を課しているが、2000年3月の「過労自殺訴訟」の判決では、「使用者は業務の遂行に伴う疲労や心理的負担が過度に蓄積して、労働者の【 B 】を損なうことのないよう注意する義務がある」との初めての判断を示し、会社側の責任をより一層明確にしている。この判決はまた、本人の性格や家族の責任を理由として賠償額を減らすことも否定しており、会社側に高度の責任を課したといえる。
 勤務形態の多様化や労働時間に関する規制緩和は時代の趨勢となっている感があり、 労働者自身に仕事の進め方や時間配分を任せる【 C 】 労働制の対象業務の範囲も拡大され、賃金面では、成果や実績が重視される傾向にある。リストラや採用数の減少で、個々の労働者にかかる負担は大きくなっているが、会社側には、労働者の【 D 】 にすべてをゆだねず、精神面も含めたケア体制を充実させる責任があることが明らかにされたことになる。

(設問1)
空欄A に最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)安全配慮
(イ)環境改善
(ウ)危険箇所点検
(エ)災害防止

(設問2)
空欄B に最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)心身の健康
(イ)生活権
(ウ)家庭生活
(エ)労働意欲


(設問3)
空欄C に最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)契約
(イ)裁量
(ウ)年俸
(エ)変形

(設問4)
空欄D に最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)個別的性格
(イ)自己責任
(ウ)体力と気力
(エ)注意義務

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設問22

 製品ライフサイクル(PLC)は、時間の経過とともに、売上がS 字形を示して、一般に、導入期、成長期、@成熟期、衰退期の各段階を経ていくとされる。製品ライフサイクルを描くときに何を対象として描いているのかを明確にすることが大事である。
 たとえば、テレビのPLC といった場合に、テレビが発売されて以来全期間を対象としているのか、ある個別ブランド、もしくは、ある特定の品番を対象にしているのかによって、描かれるカーブはまったく異なることになる。このようなことが重視されるのは、APLC の段階によって検討されるべきマーケティング活動が異なるからである。

(設問1)
下線部@の成熟期は他の期と比べると、どのような特徴をもっているか。以下の説明で最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)売上高が急速に伸びる段階。競争業者が多数存在する。
(イ)売上高が低下する段階。利益も低下する。
(ウ)売上高が少ない段階。利益がでない。
(エ)売上高の伸びが低い段階。競争業者は増えないが、競争が厳しい。


(設問2)
下線部Aで示したように、PLC の段階によって検討されるべきマーケティング活動が異なる。衰退期のマーケティング活動の特徴として最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)製品の品質を改善したり、関連した新規商品を投入する。
(イ)市場拡大を目指して、新しいマーケティング・チャネルを開拓する。
(ウ)従来の市場セグメントだけではなく、新セグメントに商品を投入する。
(エ)なるべく収穫を多くするために、事業に投入する資金を減少させていく。

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設問23

 マーケティングにおいては、市場機会を正確に把握したり、マーケティング管理をより適切に遂行する前提として、さまざまな調査が行われる。マーケティング・リサーチの特徴についての説明として最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)アンケート調査の目的には、いろいろあるが、その主目的は、企業にとって、未知の仮説の発見である。
(イ)市場全体に調査できない場合、標本調査が行われる。その際、抽出が適切であればサンプル規模は母集団の1%未満でも統計的に信頼できる。
(ウ)製品開発において、その属性決定のために利用するコンジョイント分析は2つの変数間の関連を明らかにする目的で使用される。
(エ)データを一次データ、二次データと分類すると、前者は、既存のデータのことで、低コストで入手できる。

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設問24

 消費者行動を規定する要因には、文化的要因、社会的要因、個人的要因、心理的要因など、数々の要因が関係している。この社会的要因の1つである準拠集団の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)価値観や規範によって個人に影響を与える集団である。
(b)口コミの効果を増すために、準拠集団にオピニオン・リーダーを発見することが 重要である。
(c)準拠集団には、本人が所属している場合と、所属していない場合とがある。
(d)第1次的集団と第2次的集団を比較すると、後者の方が構成員間の継続的な対話が多い傾向にある。

【解答郡】
(ア)a とb とc
(イ)a とb とd
(ウ)a とc とd
(エ)b とc とd

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設問25

 消費者の買い物行動をみると、同じ商品を買い続ける場合もあれば、その時々に異なる商品を購入する場合も見られる。このような行動に関して、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)既存顧客の維持には、新規顧客の獲得よりもコストがかかる。
(b)ブランド・スイッチングが容易であるほど、ブランド・ロイヤルティは高まる。
(c)ブランド・ロイヤルティは、ブランド・エクイティ(ブランド資産)の規定要因の1つである。
(d)ブランド・ロイヤルティは、同じ商品をどの程度購入したかとか、購入意向の強さなどの視点から測定される。

【解答郡】
(ア)a とb
(イ)b とc
(ウ)bとd
(エ)cとd

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設問26

 製品には、さまざまなデザインのものがある。消費者の商品選択理由にもデザインは大きな位置を占めている。デザインに関する説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
(a)経営理念に基づきイメージを統合できるようにデザインする必要がある。
(b)製品にはいろいろなマークがつけられることがある。SG マーク制度とは、工業デザイン振興のためのものである。
(c)商品のデザインに当たっては、使用に際して優れていることに加えて、再生、廃棄が考慮されてきている。
(d)ユニバーサル・デザインとは世界共通モデルのことで、世界戦略モデルなどともいわれる。


〔解答群〕
(ア)a とb
(イ)a とc
(ウ)b とd
(エ)c とd

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設問27

 製品開発を行うには、いくつかの段階を経ることになる。通常は、アイディア創出段階から始まり、その後の段階においては、創出されたアイディアがだんだん選別されていくことになる。その過程を構成する一段階であるテスト・マーケティングに関して最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)消費者からみて、関心の低いコンセプトを選別し、関心の高いものだけを残す段階である。
(イ)設計どおりの性能が発揮されるように仕上がっているかについてのチェックの段階である。
(ウ)全体市場を代表するような小地域において、実際に市場に販売することによって、 実験する段階である。
(エ)他社に知られないように模擬店舗を利用することによって、コンピュータ化されたモデルを活用する段階である。

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設問28

 価格設定に影響を与える要因には、企業内部、外部両方の要因がある。そのなかで、 特に重要な3要因をあげると、コスト、【 A 】、需要の3要因である。コストをもとに設定される価格政策のなかに、コストプラス法がある。これは、製造原価などのコストを積算して、そこに一定の利益率をかけ合わせることによって算出される。この方法は、できあがった製品に対して、市場の状況や需要が考慮されないで設定される。【 A 】 志向型の価格設定法のなかには、他社の設定した価格を基に価格を設定する方法として実勢価格法がある。製品が同質的な場合に、値下げをしてシェアを上げようとしても、他社に追従されてしまう。値上げのきっかけをつくるのは、シェアトップ企業などのプライスリーダー企業である。需要を視点として行われる価格設定のなかで、知覚価値法は、調査によって需要者がどの程度の価値をその製品に抱いているかを見出して設定する方法である。また、需要者の心理面に力点を置いた価格設定があり、たとえば、@慣習価格法A差別的価格法といったものがある。


(設問1)
 文中の空欄【 A 】 に入る最も適切な語句はどれか。

【解答郡】
(ア)供給
(イ)競争
(ウ)製品ライフサイクル
( エ)マーケティング・ミックス

(設問2)
 下線部@の慣習価格法に関して最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)ある商品カテゴリーにおいては、そのカテゴリーに属する商品はある1つの価格であるように消費者が感じる場合に利用される価格設定法である。
(イ)1万円、10万円といった大台に乗った価格からわずかに低い価格を設定することで、割安感をかもし出すことができる。
(ウ)消費者が品質評価を的確に行えない商品において、消費者は価格を手がかりに品質を判断しようとする。その場合、高価格を設定することがその商品のイメージを高めることとなる。
(エ)商品や需要目的が異なると、たとえ同じ金額であったとしても、消費者の支出しやすさの感覚に差が見られる。

(設問3)
 下線部Aの差別的価格法に関して最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)差別的価格法は製品差別化を行う際に利用される方策のうちで、最もよく利用される手段である。
(イ)差別的価格を採用するときには、事前に公正取引委員会に届け出を行うよう定められている。
(ウ)市場セグメントごとの価格弾力性は、ほぼ同じ場合と異なる場合がありうる。 差別的価格は後者の場合に採用される。
(エ)付属品などが必要な商品の場合、本体の価格を低く設定し、付属品や消耗品の価格を高く設定することである。

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設問29

 新製品の価格設定においては、主な2つの手法が検討される。市場浸透価格と上澄吸収価格の2つである。どちらを選択するかは、そのときのマーケティング目標にもよるし、いろいろな条件にもよる。上澄吸収価格が採用される場合として、最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)経験曲線により、生産コストが急速に低下すると予測される場合。
(イ)市場規模が急成長すると予測される場合。
(ウ)需要の価格弾力性が高いと予測される場合。
(エ)製品ライフサイクルが短いと予測される場合。

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設問30

 製造業者が生産した商品は、消費者や使用者の利用する場所に適切におかれる必要がある。もちろん、製造業者が直接顧客と取引することもあるが、必ずしも効率的ではないために@中間流通業者を利用することがある。したがって、流通チャネルが利用される場合がある。チャネル政策を類型化すると、A開放的流通チャネル、選択的流通チャネル、専属的流通チャネルに分けることができる。日本においては、B流通系列化の名のもとにさまざまな手法で強力な流通チャネルが形成されている場合がある。

(設問1)
 下線部@の中間流通業者を利用することによる利点として最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)買い物に関する個々の顧客の個別情報を収集しやすくなる。
(イ)最終需要者全体に到達するには、取引の数の合計が多くなる。
(ウ)市場に製品を流通させるための経営資源を節約できる。
(エ)流通に対するコントロールを高めることができる。

(設問2)
 下線部Aの開放的流通チャネルに関する説明として最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)強力なチャネル・コントロールを実施できる。
(イ)市場カバレッジを広く設定できる。
(ウ)独占的販売権を付与することができる。
(エ)チャネルによる販売促進策を徹底できる。

(設問3)
 下線部Bの流通系列化のために用いられる方法はいろいろなものがある。そのなかで、一店一帳合制の説明として最も適切なものはどれか。

【解答郡】
(ア)他社商品の取り扱いを禁止すること。
(イ)販売業者の取引先を制限すること。
(ウ)販売業者の販売価格を拘束すること。
(エ)販売業者の販売地域を制限すること。

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