平成19年度1次試験解答:中小企業経営・中小企業政策
設問1
解答:ウ
2006(平成18)年版中小企業白書 付属統計資料 1表第1-1-10図〔2〕 産業別規模別事業所・企業数(民営)より
1999年 | 2004年 | 増減 | ||
(a) | 情報通信業 | 44,448 | 52,397 | 増加している |
(b) | 金融・保険業 | 101,394 | 85,219 | 減少している |
(c) | 飲食店、宿泊業 | 878,439 | 798,775 | 減少している |
(d) | 教育、学習支援業 | 158,962 | 162,968 | 増加している |
よって(ウ)bとcが解答である。
設問2
解答:イ
2006(平成18)年版中小企業白書 第1-1-24図 中小企業のキャッシュフロー額と設備投資額の推移〜長期的には、設備投資の原資は外部借入れから内部調達の範囲内へと縮小してきた〜より中小企業のキャッシュフロー額は一貫して設備投資額を上回っており、その差は拡大傾向にある。よってイが解答である。
こうした動きは、中小企業が設備投資額を手持ち資金(キャッシュフロー)の範囲内に押さえ、残余を借入金の返済に充てる動きを続けていることが大きな理由である。
設問3
解答:設問1:ウ 設問2:ア 設問3:イ
我が国の廃業率は、近年は上昇傾向にあり、中でも2001年から2004年の期間においては企業数ベースで年平均6.1%と過去最高の水準となっている。 この結果、開業率がわずかに上向いていることを差し引いても、廃業率が開業率を大きく上回り、その差は事業所数ベースで2.2%、企業数ベースでは 2.6%と更に拡大し、この統計が取り始められた1947年以降いずれも最大となっている。
開業企業数は1994年から1996年に年平均14.3万社まで減少した後増加に転じ、2001年から2004年には年平均16.8万社となっている。一 方、廃業企業数は同じ期間で年平均17.2万社から29.0万社に増加しており、2001年から2004年をとるとその差は実に12.2万社にのぼってい る。
よって解答はウである。
(設問2)
2006(平成18)年版中小企業白書 第1-2-8図 都道府県別開廃業率(非一次産業、年平均、2001年〜2004年)
〜大都市圏で高い開廃業率〜より
開業率は、東京都、愛知県、大阪府など大都市圏で相対的に高くなっている様子が分かる。この傾向は今回に限ったものではなく、1999年から2001年に かけての開業企業にも共通して見られた特徴であった。また、併せて廃業率を見ると、全般的に開業率の高い地域で廃業率も高くなっており、開廃業が経済の新 陳代謝として機能している(新陳代謝の活発な地域は開業率も廃業率も高い)様子がうかがえる。
よって解答は、[(ア)大都市圏では開業率・廃業率ともに地方圏よりも高い。]である。
(設問3)
2006(平成18)年版中小企業白書 第1-2-10図 経営組織別に見た新規開業企業像
〜小売業、飲食店・宿泊業、医療、福祉、教育、学習支援業、複合サービス業などで個人形態の開業が多い〜より
会社形態での開業割合 (株式会社、有限会社、合資・合名・相互会社) |
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(ア) | 飲食店、宿泊業 | 11.0% |
(イ) | 卸売業 | 76.0% |
(ウ) | 教育、学習支援業 | 13.3% |
(エ) | 小売業 | 29.7% |
よって(イ)卸売業が解答である。
設問4
解答:エ
2006(平成18)年版中小企業白書 第1-2-12図 女性による創業の動向
〜バブル崩壊後に減少した創業希望者・準備者は増加傾向に転じている〜より
2006(平成18)年版中小企業白書 第1-2-13図 創業者・創業希望者の比較(性別)
〜創業希望者に占めるよりも、実際の創業者での女性の比率が高い〜より
女性の「創業希望者」数の推移を見ると、バブル崩壊後の1992年には約41万人であったが、その後は継続して増加基調をたどっている。
また、「創業希望者」に占める女性の比率は31.6%と低いが、実際の「創業者」に占める女性の比率は37.2%となっている。女性の創業希望者は男性の創業希望者に比べて創業の実現率が高いことが分かる。
よって解答はエである。
設問5
解答:エ
多様化する消費者ニーズへの対応を迫られている中、ニッチ市場をターゲットとしやすい小規模企業に活躍の余地がある。
事業主が自社商品全体に目を配り、消費者各々のニーズに合った商品を提供できる企業であるためには、規模が小さくなければ難しい。小規模企業 から規模を拡大していくためには、ビジネスモデルの変更を余儀なくされるケースも多く、確立されたビジネスモデルを守るため、現状維持を選択しているケー スも多いと考えられる。
よって解答はエである。