平成19年度1次試験解答:経済学・経済政策
設問1
解答:イ
(ア) | 1950年代後半以降、日本経済は高度成長期に入るが、1960年代後半は「神武景気」と呼ばれる長期の景気拡大が見られた。 →×:1960年代後半の好景気は、「いざなぎ景気」である。「いざなぎ景気」は、1965年10月から57カ月続いた景気拡大期である。 「神武景気」は、1955年〜1957年にかけての好景気である。 |
(イ) | 1970年代前半、第1次石油ショックの影響を受けて、物価の上昇と景気後退の併存現象が見られ、日本経済は「スタグフレーション」に見舞われた。 →○:スタグフレーションとは、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態を指す。石油ショックよって日本経済は「スタグフレーション」に見舞われた。 |
(ウ) | 1980年代には、ブレトンウッズ体制崩壊の影響を受けて為替レート制の変更が生じ、日本経済は低成長時代に入った。 →×:1970年代前半に、ブレトンウッズ体制崩壊が崩壊し、固定相場制から変動相場制に移行した。 |
(エ) | 2000年代に入ると、日本経済がデフレ傾向にあることが読み取れ、名目GDP成長率が実質GDP成長率を上回る現象が見られた。 →×:2000年代に入ると、日本経済がデフレ傾向にあることが読み取れ、実質GDP成長率が名目GDP成長率を上回る現象が見られた。 |
設問2
解答:ウ(aとd)
a | 規制緩和は労働市場の流動化を引き起こし、非正規雇用者数の増加を加速させる要因である。 →○:労働者派遣事業の規制緩和が非正規雇用者数の増加を促進した。 |
b | 正規雇用者と非正規雇用者の間では賃金の格差がなく、企業の人件費総額はほぼ不変である。 →×:正規雇用者と非正規雇用者の賃金の格差は存在する。一般的に、年齢が上昇するにつれて格差は大きくなる。 |
c | ニートやフリーターの減少は非正規雇用者数を押し上げる要因になっている。 →×:フリーターは非正規雇用者であり、フリーターが減少すれば非正規雇用者数は押し下げられる。 |
d | 非正規雇用者数の増加に伴い、企業の人件費は減少傾向にある。 →○:非正規雇用者数の増加に伴い、企業の人件費は減少傾向にある。 |
よって解答はウである。
設問3
解答:ウ(aとd)
a | アジア地域における工業化の進展は、日本の製品輸入比率を上昇させる要因である。 →○:生産コストの低いアジア地域における工業化の発展は、日本の製品輸入比率を上昇させる要因となる。 |
b | 円安は、日本の製品輸入比率の上昇を引き起こす。 →×:円高は、日本の製品輸入比率の上昇を引き起こす。 |
c | 日本企業の企業内貿易の進展は、製品輸入の増加と産業内貿易から産業間貿易への変化を引き起こす。 →×:日本企業の企業内貿易の進展は、製品輸入の増加と産業間貿易から産業内貿易への変化を引き起こす。 |
d | 日本企業の対外直接投資の増加は、日本の製造業の海外生産比率を上昇させるとともに、製品輸入比率も上昇させる。 →○:対外直接投資(日本企業による海外の企業に対する直接投資)の増加により海外での生産が行われることになるから、海外生産比率を上昇させる。また、生産された製品を輸入されることから、製品輸入比率も上昇する。 |